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パネルディスカッション「スポーツとまちづくり」

チャレンジデー2011事後ワークショップでは、パネルディスカッションとして、登壇いただいた青島氏、長崎氏、武藤氏より、体験された各実施自治体の取り組みについてやそれぞれの視点で「スポーツとまちづくり」に関するお話をいただきました。

パネリスト

青島健太氏 スポーツキャスター/笹川スポーツ財団 理事
長崎宏子氏 ゲンキなアトリエ取締役/笹川スポーツ財団 評議員
武藤泰明氏 早稲田大学スポーツ科学学術院教授/笹川スポーツ財団 スーパーバイザー

チャレンジデーを活用した効果:大阪府柏原市・徳島県三好市

黒田:

ありがとうございました。ここで大阪府柏原市さんにお話をお伺いしたいと思います。チャレンジデーレポートを拝見しましたが、柏原市では、スポーツ振興課で、運営方針の重点事業にスポーツをする、住民の健康作りの促進を明記したということで、チャレンジデーを活用しており、今では、市の大きなイベントのひとつになっているということです。それまでの行政のスポーツ課の取り組みと、チャレンジデーを活用しての効果などがあればご紹介ください。

柏原市:

「部局の運営方針」を年に1回出しています。チャレンジデーに参加するまでは、市民マラソン大会とか、市民体育祭、春季市民大会という大きな三つの行事をスポーツ振興課の運営方針として挙げていました。しかし、こういう行事は、参加者が限られて、普段、運動をしている人しかターゲットにしていないということでほかに何かないかと模索していました。その時に、ちょうど市政20周年にあたり、チャレンジデーの案内をいただき、「これが、私がしたい事業だ」、「これが柏原市のこれからの進んでいく方向ではないか」ということで、市長や教育長を説得して、チャレンジデーに参加しました。

教育長からも、「これは、すばらしい事業だ」ということで、「3年やらせてください」と、まずは3年参加しました。3年参加すると、今年はどんな体制だとかとか、住民の意識がだんだん変わってくるのが手に取るようにわかります。例えば、対戦相手の自治体の出身だから、対戦相手や柏原市のために参加したいという方がいるなど、郷土愛が毎年着々と強くなってくるのが実感できました。次は、地域計画で、「5年しましょう」ということでどんどん先延ばしにしています。できたら10年、20年とこの事業を続けて、部局の運営方針としてますます採り上げていきたいと思っています。

黒田:

ありがとうございます。市としては、大きな取り組みになっていると思います。先ほどからもお話にでていますが、いかに関係者や協力者を巻き込むか、得られるかというところで、「こういうことをやっている」という情報をいただければと思います。

柏原市:

最初は、スポーツ振興課だけで小さくスタートしましたが、とても全体の運営をできませんでした。今は、生涯学習部、柏原市教育委員会で約50名のスタッフと柏原市体育協会等のかかわりのあるスポーツ団体に協力を得て運営をしています。

黒田:

ありがとうございました。続いて徳島県三好市の方にお話を伺いたいと思います。三好市では、市のスポーツ振興基本計画に、チャレンジデーが一つのツールとして明記されているとのことですが、ツールとしての活用効果、また、市のスポーツ振興基本計画の掲載に至る過程の話などお伺いできますか。

三好市:

以前からの働きかけもあり、現在「自分たちのことは自分たちでやりましょう。そして、行政は、地域の一つの組織を構成する団体としてできる支援をしよう」ということが少しずつ浸透してきております。健康的なものから見ると、徳島県は、毎年、糖尿病の死亡率が全国で一・二位を争っている状態で、なおかつ、当市は徳島県の中でも非常に高い有病率となっております。また、子どもたちも、スポーツ少年団もありますが、スポーツをする子としない子の二極化が問題となっております。

さらに、肥満傾向が高いこともあるので、「健康づくりの一つとしてスポーツをしましょう」ということで、三好市では、今年からチャレンジデーを毎月実施することといたしました。これは単なるイベントではなく、第四水曜日に、「15分以上運動しましょう」という日を設け、それが当市のスポーツ振興基本計画の中に記載され、チャレンジデーを活用し、前向きに取り組んでいるのが現状です。

黒田:

ありがとうございます。チャレンジデーがきっかけとなって、独自でチャレンジデーに毎月取り組んでいるということで、とてもうれしく思います。ちなみに独自の取り組みの毎月のチャレンジデーへの参加率はどのぐらいですか。

三好市:

策定されて、公布されたのが昨年末で、地域のみなさんへの情報は、昨年の秋ぐらいから、「こういうことをやりましょうよ」ということで始まりました。しかし、行政が地域の人に対して、「これをやりなさい」と言うことはありません。その地域の中でクラブとしてできることが何かあるのではないかと。地域の中、あるいは事業者でも、体力測定をやりたいとか、おじいちゃん、おばあちゃんたちが健康づくりとか、「わしらにでもできることがあったら教えに来てちょうだいよ」といった具合です。あとは、体育施設など指定管理を実施しているのですが、その関係者が第四水曜日にいる場合は、ウオーキングや簡単な体力測定をするなど様々です。しかし、まだなかなか定着しておらず、現状は、健康づくりのために時間を割く習慣がやっとでき始めたところといった状況で、まだまだこれからです。

プロフィール

青島健太氏 スポーツキャスター/笹川スポーツ財団 理事
慶應大学、東芝を経てヤクルトスワローズに入団。公式戦初打席で初本塁打を放つ。1989年に退団後、オーストラリアで日本語教師を務める。帰国後、ライターおよびキャスターとして、スポーツの醍醐味を伝えている。

長崎宏子氏 ゲンキなアトリエ取締役/笹川スポーツ財団 評議員
1984年ロサンゼルスオリンピック、1988年ソウルオリンピックに水泳・平泳ぎで出場。日本オリンピック委員会(JOC)職員、国際オリンピック委員会(IOC)選手委員会委員を経て、スポーツコンサルティング会社「ゲンキなアトリエ」取締役に就任

武藤泰明氏 早稲田大学スポーツ科学学術院教授/笹川スポーツ財団 スーパーバイザー
東京大学大学院修士課程修了後、三菱総合研究所に入所。2006年4月から早稲田大学教授。専門は、マネジメント、スポーツマネジメント。

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