本文へスキップします。

開催報告

2012年度開催報告

第7回 12月20日(木)18:30~20:00開催

第7章 スポーツの発展と資金

第7回目となるスポーツアカデミーが12月20日に行われました。

今回は、「スポーツ白書~スポーツが目指すべき未来~」の第7章「スポーツの発展と資金」をテーマとして、現在のわが国のスポーツ振興・発展とそれに投下される資金の関係についてデータに基づく解説と、メイン講師の海老原修先生(横浜国立大学)による解題と問題提起が行われました。

最初に海老原先生が「本章の目的は、スポーツの発展のために必要なお金が、誰からどのように支出されているのかを概観することである」として、公的機関(国や地方自治体など)、や民間企業、個人などがスポーツに資金を提供する目的を明らかにし、その支出(拠出)方法がいかに変化してきたのか、変化の理由は何かを知ることがスポーツ振興を考えるうえで重要との説明をなされました。

海老原先生による説明を受け、SSFスポーツ政策研究所の藤原直幸研究員が、本章の構成に基づき、国と地方自治体のスポーツ振興関連財源、サッカーくじや公営競技などによる財源、スポーツ消費の現状をデータをもとに解説いたしました。国の財源に関する説明では、文部科学省、厚生労働省、農林水産省など複数の省庁がもつスポーツ関連予算を横断的にまとめた「体力つくり関係予算」や文部科学省のスポーツ関係予算のこれまでの推移などが紹介されました。体力つくり関係予算については、2005年度には約2,700億円あったものが、直近の2012年度では約400億円にまで減少したことに触れ、国土交通省の国営公園・都市公園等の整備予算や旧社会保険庁の健康関連予算が計上されなくなったなどの背景が説明されました。自治体のスポーツ財源の説明では、政令指定都市のスポーツ関係予算に占める生涯スポーツ関係予算が都道府県のそれと比べて約2倍強となっていること、都道府県では知事部局などもスポーツ関係予算をもつことから文部科学省の調査だけでは全体を把握するのが難しいことなどが説明されました。

データ解説の後、海老原先生が本章の冒頭に記載の「スポーツに関わる資金の流れの変化」の内容をもとに、いくつか問題提起をされました。最初に、国・地方の財政赤字拡大により公共部門のスポーツ支出の拡大が困難となり、スポーツ振興を目的とする公益財団法人なども低金利の影響を受けて基金の運用益を原資とする支出を縮減せざるを得なくなったとの流れが説明されました。PFIや指定管理者制度などが導入され、公共スポーツ施設の整備には民間資金が流入するようになったものの、国全体の体育・スポーツ施設の約6割を占める学校体育施設の管理にはそうした仕組みは適用されておらず、今後、その是非は問われるべきと指摘されました。また、景気低迷などを背景として企業スポーツチームの減少傾向が顕著となる中、従業員の福利厚生という側面に広告宣伝という効果が付加された企業スポーツの費用効果については改めて検証がなされるべきと問題提起されました。さらに、スポーツ消費の分野で大きなパートを占める「みるスポーツ」の普及・振興についてスポーツ基本計画にほとんど言及がないことについても今後一考を要するとの見解を示されました。

最後にフロアとのいくつかの質問のやり取りを行い、予定の時間を迎えて終了いたしました。

笹川スポーツ財団
スポーツ政策研究所 研究員
藤原 直幸

ページの先頭に戻る