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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

スポーツアカデミー2012 第3回

スポーツクラブ

第3回スポーツアカデミー2012の様子

第3回目のスポーツアカデミーが8月24日(金)に行われました。

今回のテーマは、「スポーツ白書~スポーツが目指すべき未来~」の第3章「スポーツクラブ」ということで、日頃、スポーツクラブの育成や運営に携わられている方々のご出席もございました。今回も、冒頭、メイン講師の海老原 修 先生より本章全体のテーマについての説明がなされました。説明の中で先生は、スポーツクラブの役割は「地域の人びとがスポーツに親しむ」場だけに限定されるべきではなく、「教育、厚生、産業振興などの諸機関との制度上のハブ」となって、子どもの体力や高齢者の健康といった課題以外にも対応することを通じ、地域社会の中核になることが期待されると述べられました。

横浜国立大学 教育人間科学部 海老原 修 教授

横浜国立大学 教育人間科学部
海老原 修 教授

海老原先生の説明を引き継ぎ、SSFスポーツ政策研究所の澁谷茂樹主任研究員が、本章に掲載されている主要データについて解説を行い、「スポーツクラブ・同好会への加入状況」、「加入率の推移」に始まり、総合型地域スポーツクラブの「育成数と育成率」、「スポーツ振興くじ助成金による支援の推移」、「予算規模の分布と推移」などを紹介しました。

総括では、海老原先生が「必要」と「欲求」という表現を用いて「スポーツは原初的に必要ではなく欲求である。がしかし、わが国は欲求ではなく必要に据える方針で臨んでいる」として、国民の定期的なスポーツ実施率の向上を「必要」の根拠にして、総合型地域スポーツクラブの育成が進められている現状について問題提起されました。また、スポーツクラブをめぐるキーワードとして、クラブの主体性、受益者負担などをあげられ、スポーツクラブが本来有すべき自主性、主体性を保ちながら、地域社会のニーズに応えられる存在に育っていくことの重要性を指摘されました。今回の講義ではフロアからの質疑はなく、所定の時間を迎え終了いたしました。