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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

ホッケー

ボールの時速は150km以上!人もボールも超高速のチームスポーツは、相手を思いやる「心」が大切

ホッケーの歴史・沿革

ホッケーの歴史は古代エジプトにまで遡り、ナイル川流域で発見された紀元前2500年頃の墓の壁画に描かれている。また、紀元前1000年頃のエチオピアにも原型が見られ、コロンブスの新大陸発見の何世紀も前に、南米のアズテック・インディアンがホッケーをしていた証拠も残されている。

ホッケーの歴史・沿革

近代ホッケーは19世紀半ば、イギリスのクリケット選手たちが試合のできない冬季に始めたのが基礎とされている。1871年には最初のホッケークラブが結成され、1886年にはロンドンで協会が発足。それを機に、ルールも統一され、ホッケー独自のスタイルを確立していった。

オリンピックには1908年のロンドン大会から採用されている。当時は6カ国(イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ドイツ、フランス)が参加、初の金メダルはイングランドが獲得している。その後、1920年アントワープ大会で再出場したものの、1924年パリ大会では国際連盟のない競技の出場が認められず、不参加。これを機に1924年、国際ホッケー連盟(FIH)が正式にパリで組織された。

FIHの設立と同時にヨーロッパ各国が次々と参加。女子の試合も各国で急増し、1927年に国際女子ホッケー連盟(IFWHA)が設立されましたが、1982年には男女ともFIHに統合されている。

日本のホッケー史
日本でのホッケーの歴史は、1906年、アイルランド人のウィリアム・T・グレー牧師が慶應義塾の有志にホッケーを教えたことに始まる。この時を機にクラブが創設され、日比谷公園で練習を始めたのが日本ホッケーの誕生となる。

1914年慶応OBの東京倶楽部、1918年大阪ホッケー倶楽部の結成以後、大学や地方クラブなどが続けて結成。普及とともに競技人口が増えていく。1923年には11月に日本ホッケー協会の前身、大日本ホッケー協会が設立、12月に第1回日本選手権が開催され、慶応義塾が初代王者に輝いている。協会はその後、1925年に大日本体育協会に、1931年には国際ホッケー連盟に加盟し、1980年9月に日本ホッケー協会となった。

ホッケーの歴史・沿革

1925年、明治神宮競技場で二階堂女塾が模範試合を行ったのを機に、女子ホッケーも普及し始め、1931年には第1回日本選手権が開催され、以降、学校や実業団、社会人チームが続々と結成され、国体への参加や各種大会も増えていく。1998年には日本リーグ(fリーグ)が7チームでスタート。2005年からは男女16チームによるホッケー日本リーグが国内最高峰の大会として開催されている。

オリンピックは男子が1932年ロサンゼルス大会に初出場し、銀メダルを獲得。戦争による参加中断などを経て1960年ローマ大会で復帰している。女子は2004年アテネ大会で初出場ながら8位に入賞している。

ホッケーの概要

ホッケーの魅力のひとつは、ボールのスピードの爽快感。約90cmのカーボン製スティックから放たれるボールは、子供や女性でも練習を積めば時速100kmを超え、一般的には150km以上、世界のトッププレイヤーでは200km以上に達するほど。この爽快感は誰でも「一度はまるとやめられない」もので、日本代表選手の多くもその魅力をインタビューなどで語っている。

また、生身の体で競り合い、かつスティックという道具を使うスポーツであるため、ホッケー選手は冷静沈着な精神力と判断力に加え、常に相手を思いやる「心」が求められるスポーツ。それこそがホッケーの最大の魅力といえるかもしれない。

ホッケーのルール

ホッケーのルール

ホッケーのルールの最大の特徴は、屋外種目にも関わらずオフサイドラインがないこと、そして安全性を重視したルールの構成とその遵守である。

【試合時間】
基本は前・後半35分ずつの70分間。間に5分のハーフタイムがある。

【勝敗】
決められた時間内で得点を多く獲ったチームが勝者となる。同点の場合は延長戦を行い、どちらかに得点が入った時点で試合が終了するゴールデンゴール方式がとられる。決着がつかない場合は、5名ずつのシューターにより、サッカーのPK戦にあたるPS(ペナルティーストローク)戦が行われる。

【チームの人数・出場登録選手】
■出場登録選手:国内の主要大会で1チーム18名、国際ルールでは16名。ただし、国内の大会では別規定で行われる場合もある。
■プレーヤー:ゴールキーパー1人と10人のフィールドプレイヤーの11名によって構成される。
■選手交代:いつでも何回でも、また一度に何人でも交代できるなど、かなり自由に行える。選手交代のタイミングが試合展開を大きく左右する。

ホッケーのルール

【オフサイドルールの廃止】
ルール改正によりオフサイドが廃止されて以降、得点の入る確率が増え、よりスピーディーでスリリングなゲームとなっている。

【サークル】
・半円形のエリアで、この内側から打ったシュートでないと得点とみなされない。従って、サッカーのようなロングシュートはない。
・シュート時以外にボールを上げることは禁止なので、サッカーのようなセンタリングは上げられない。そのため、ゴール前の攻守双方の駆け引きは見どころのひとつである。
・サークル内ではゴールキーパーは全身を使え、肩より上のボールをスティックで扱ってもよく、最後の守備者として体を張ってゴールを守る。

【警告・退場】
ホッケーには3種類のカードがある。グリーンカードは警告、イエローカードは一時退場(審判の裁量により、5分間以上)、レッドカードは即時退場を意味する。

【ペナルティーコーナー】
ホッケーの最も特徴的なセットプレーで、守備側が以下の反則を犯したときに攻撃側に与えらる。
1・サークル内で守備側が反則を犯した場合
2・自陣23mエリア内で守備側が故意の反則を犯した場合
3・守備側が故意にバックラインを超えるようにボールを出した場合

攻撃側に人数的なアドバンテージがあるため、多彩な攻撃のバリエーションが繰り出される一方、数的不利な中でキーパーを中心に工夫した守備側のフォーメーションなど見応えがある。得点率が高く、試合の流れを大きく左右することも多くある。

【審判】
ホッケーは球速や試合展開が速いので審判は2人体制をとる。どちらも主審で、2人協力して行うが、各自が担当サイドのサークル内の全責任を負い、絶対的な権限を持つ。

ホッケーのコート・用具

ホッケーのルール

【競技フィールド】
・サイズ:横55m×縦91.4m。現在、国内外の主要大会はすべて人工芝製。
・ゴール:タテ2.14m、ヨコ3.66m。

【スティック】
・金属、または金属を含む材質以外で作られ、先端部が湾曲した形の棒状のもの。最近はハイテク素材(グラスファイバーなど)の開発が進み、反発力などが増したことでボールスピードもあがっている。
・重量は最大737gまでと制限があるが、長さには制限はない。市販品の多くは約90cm。
・スティックには平らな面と丸い面があるが、ボールを扱えるのは平らな面のみというルールのため、ドリブルなどはスティックを回しながら行うのでテクニックを要する。近年、スティックの側面を使ったプレーも出現し、ホッケーのプレースタイルにも変化がみられる。

【ボール】
・重量:156g以上163g以下、周径:224mm以上235mm以下
・表面:滑らかが基本だが、縫い目やディンプルなどは認められている。
・色:白色または合意に基づく色
・材質:規定はないが、最近の主流は表面を硬化プラスティックで覆ったもの。

【ゴールキーパーの防具】
ゴールキーパーに限り、ボディプロテクター、レガード(すねあて/12インチ以下)、キッカー(足の甲あて)、グローブ、ヘルメットなどの使用が許されている。

公式サイト

日本ホッケー協会

日本ホッケー協会