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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

マウンテンバイク

野山を爽快に走り抜ける自然との一体感が魅力

歴史と沿革

マウンテンバイクは、1970年代後半にアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ郊外マリン郡で誕生したといわれています。1979年にゲーリー・フィッシャーが『マウンテンバイク』と名付ける前までは『クランカー』『バルーナ』『ファット・タイヤ』などと呼ばれていました。そもそもは1970年ころ自転車やアウトドアスポーツ好きの若者たちが、山道を下って楽しむために自転車を改造したのが始まりです。強力なブレーキやワイドな変速ギヤなどを装備させたその改造自転車がマウンテンバイクの原形といえます。

その後、マウンテンバイク専用フレームやパーツが開発されたことで格段に性能が上がり、単に山道を下るだけの道具から、オフロードを自在に走って楽しむ新しい遊びの道具として世界中に愛好者が広がりました。日本にも1980年にマウンテンバイクの概念が入ってきました。

1980年代後半になると、マウンテンバイクの競技が北米で盛んになりました。国内では1988年に日本マウンテンバイク協会が全日本選手権を初開催(優勝は大竹雅一選手)。同年アメリカのマンモスマウンテンで開催された『NORBA世界選手権大会』には5人の代表選手を派遣しています。1989年にオブザーブド・トライアルで柳原康弘選手が優勝。世界チャンピオンになったことで、一気に人気スポーツとして注目されるようになりました。1990年には、アメリカ(コロラド)でUCI(国際自転車競技連合:Union Cyclist International)による初の世界選手権が開催されました。それと同時に各パーツの強化と軽量化、フロントサスペンションの装備など、ハード面でも急速な進化が始まりました。

1990年代に入ると、レジャー人口・競技人口とも飛躍的に拡大します。UCIは世界各地を転戦して総合ポイントを競う『ワールドカップ』、年1回の『世界選手権大会』などの国際的ビッグレースを開催。国内でも転戦してポイントを競う『ジャパン・シリーズ』をはじめ、愛好者が気軽に参加できるマウンテンバイク競技やイベントが全国各地で年間100レース以上開催されています。

1996年のアトランタオリンピックで、クロスカントリー競技が正式種目として実施されました。これにより国際的にも認知され、アウトドアスポーツとしての地位を確固たるものにしました。

2001年8月、IMBA(国際マウンテンバイク協会:International Mountain Bicycling Association)が推進していたキッズ・プログラムを、日本で『全国小学生・中学生大会』として開催。これまで大人中心だったマウンテンバイク競技ですが、子供向けプログラムも各大会で充実してきたことにより、ファミリースポーツとしての広がりが期待されています。オリンピックを頂点とする競技スポーツであり、レクリエーションとしての生涯スポーツでもあるマウンテンバイク。アメリカの若者の遊び心から始まり、世界中の人の心をとらえたスポーツへと進化しました。

競技種目

ダウンヒル(坂を下る)のタイムを競うファンレースの道具として生まれたマウンテンバイク。現在では変速機やハードの発達でレース形態もバラエティに富んでいます。参加カテゴリー分類(各大会ともビギナー/スポーツ/エキスパート/エリートのようなカテゴリー分けがあります)によって初級者から上級者までそれぞれのレベルで楽しめること、緊急医療体制や安全管理が整っていること、人や自動車などとの遭遇リスクがないクローズされた専用コースで行なうこと、恵まれた自然環境のなかでレースができること、などの理由から人気が高まり、近年では気軽にエントリーする人が増えています。

●クロスカントリー(XC)
アップダウンのあるオフロードコースで順位を競うレース。公認大会では1周6km以上の周回路を使用し、2時間程度の周回数で(5~8周程度)競われる。 持久力はもとより、マウンテンバイクに求められる技術の総合力が試されるレース。オリンピック競技大会、世界選手権大会、ワールドカップ実施種目

●ダウンヒル(DH)
オフロードの下りのみのコースでタイムを競うレース。距離は1.5~3.5km。トップレベルの選手は、コースによっては最高時速90kmに達することもある。最上級のマウンテンバイク・コントロール技術が求められるレース。世界選手権大会、ワールドカップ実施種目

●4クロス(4X)
下りの400m程度のコースを4人同時にスタートして先着を競う。単純ではあるが、いくつものジャンプなどの障害があり、マウンテンバイクの緻密なコントロール技術、また相手との駆け引きなどが要求される。 ショートコースの中に技術的・精神的な要素が詰まったレース。数年前まで2名で競った「デュアル」の進化版。世界選手権大会、ワールドカップ実施種目

●エンデュランス
規定時間内の周回コースでの周回数を競うレース。個人参加のほか、数名のチームによる交代が可能な場合も多く、規定時間も1時間から24時間と多彩。 大会によっては初心者でも十分に楽しめる種目。

●オブザーブド・トライアル
走行困難なセクションを、地面に足をついたりコースから外れないでいかに走りきるかを競う。競技は減点制で行なわれる。各セクションは10~20m程度の短いものが多いが、さまざまなセクションが用意される。

【備考】
日本マウンテンバイク協会は1987年の設立以来、マウンテンバイクの競技や指導、環境整備など多岐にわたる活動、さらに普及大会や、全国小中学生大会などの競技、公認インストラクターによる“安全で楽しく”を実践する普及活動などを行なっています。国際交流ではIMBA国際協会に加盟し、さらなる普及と振興に努めています。

お問い合わせ先

日本マウンテンバイク協会
〒160-0015 東京都新宿区大京町21-41
TEL:03-5363-3200 FAX:03-5363-3201