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曲線を描いで転がるボウルのままならない動きが静かな興奮を呼ぶ、英国生まれの社交スポーツ:ローンボウルス

歴史と沿革


 

ローンボウルズは、カーペット状に整備された芝生の上で、合成樹脂でできた約1.5kgのボウルを転がして目標球(ジャック)に近づけることを競うゲームです。小さな目標球にボウルを近づけあうゲームは、古代からあったといわれています。古くは紀元前5200年頃の古代エジプトで、近年のピラミッドの遺跡調査により一対のボウルと目標球が発見されています。古代エジプトからギリシャ、ローマへとゲームは伝えられました。

現在、楽しまれているゲーム形式の原形と考えられるゲームは13世紀のイギリスで行われていたものです。当時、ゲームの人気はとても高く、1336年にエドワード3世によって禁止令が出されたのは人気の高さも理由の一つだったといわれるほどです。16世紀後半のエリザベス1世時代には、文豪シェークスピアも楽しんだといいます。

近代的な統一組織が最初につくられたのは1880年、オーストラリアのニューサウスウェールズです。以後、1892年にスコットランド協会、1903年にイングランド協会と、各国にボウルズ協会が組織され、1905年には国際ボウリング(ボウルズ)委員会(International Bowling Board/IBB)が結成されました。IBBは1992年に世界ボウリング委員会(World Bowling Board/WBB)と改称され、さらに2002年にワールドボウルズ(World Bowls Ltd./WB)と改組され現在に至っています。

日本は1966年にIBBに加盟した後、数回の組織変更・統合などを経て、現在は2008年に認証されたNPO法人ローンボウルズ日本(Bowls Japan/BJ)が日本を代表する統轄組織としてWBに加盟し、活動に参加しています。

 


 

ローンボウルズは年齢や体力、性別や障がいの有無などに関係なく、誰もが一緒に楽しめる生涯スポーツとして最適のゲームです。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど主に英連邦の国や地域を中心に広がり、競技人口は世界で200万人以上といわれています。アジアでは香港やマレーシアなどで盛んです。日本の競技人口はBJ会員が約300名、日常活動している一般の愛好家は約1,500名といわれています。

 

競技方法

ローンボウルズとよく似た種類のゲームには、ペタンクやボッチャがあります。カーリングもそのひとつで、ゲームのエッセンスを氷上に移したものです。ローンボウルズの特徴はボウルの重心が偏っている、偏心球であることです。そのため、ボウルのスピードが遅くなるにつれて弓形の大きなカーブを描きながら転がります。ボウルが描くカーブと芝の状態を予測しながら、できるだけジャックに近づけて停止させることに、難しさと面白さがあります。

  • Lawn Bowling 101(ローンボウルズ)

 

ゲームは、幅約5.5m×長さ約35mの長方形の専用コート(リンク)で行われます。一般的な競技場(グリーン)は約35m四方に作られており、そのスペースを6または8等分します。各スペースはリンクと呼ばれ、1リンクで1競技が行われます。

競技は全4種類。1対1(シングルス)の個人戦から、2対2(ペアーズ)、3対3(トリプルズ)、4対4(フォアーズ)のチームプレイまであります。競技する人数や使用するボウルの数が増えると、ただジャックに近づけるだけでなく、相手のボウルをはじいたり、ブロックしたり、ジャックを移動させたりするといった戦略も必要になります。

 

ルール

● 競技の進め方
A(黒)対B(赤)というシングルスのゲームを例にとって説明します。シングルスでは1プレーヤーが4球のボウルを使用します。

  1) トス(じゃんけん)などで先攻を決めます。例ではA(黒)が先攻とします。
  2) Aがジャックを転がし、目標球の位置を決めます。
  3) Aが1球目を投球。
  4) B(赤)が1球目を投球。
  5) Aが2球目を投球。
  6) Bが2球目を投球。

…以下同様にして、両者が4球ずつ投げ終えたら、1エンド終了です。ジャックの周囲のボウルの配置から、そのエンドの得点を数えます。

● 得点のつけ方
1エンド終了時点で、ジャックの周囲には下図のようにボウルが停止していたとします。黒い円はAのボウル、赤い円はBのボウル、白い円はジャックを表しています。


 

赤のほうが黒よりジャックに近い位置で停止しているので、得点権は赤にあると判定されます。

次に、得点権のない黒のボウルのうち、ジャックに一番近いボウルを探します。図では左端の黒ボウルになります。この黒ボウルよりもジャックに近い赤ボウルの数が赤の得点になります。この例では、赤に2点が入り、このエンドは、2対0で赤の勝ちとなります。

 

● 勝敗
国際大会では、シングルスでは21点先取したほうが勝ちとなります。また、ペアーズ、トリプルズ、フォアーズでは18エンド繰り返し、各エンドで獲得した得点の合計点で勝敗を決めます。長いときには1ゲームに約3時間かかります。国内競技会では1試合8~12エンドが一般的で、70~90分ほどかかります。

  • Lawn Bowls, Jack High 1997 Steve Glasson vs Rowan Brassey
    (世界トップ級Steve Glasson 選手対Rowan Brassey 選手の1997年の試合中継より)

道具、コート

● 道具
ボウル : 直径116mm~131mm、重さ=1.59キログラム以下、合成樹脂製、色は多種あり
ジャック: 直径 63mm~64mm、重さ=225グラム~285グラム、合成樹脂製、白または黄色
マット : 長さ600mm×幅360mm

●コート(グリーン)
・矩形または正方形
・長辺または1辺が31m~40m
・競技場表面は水平面でなければならない
・材質は天然芝、または人工芝(屋外)かカーペット(主に室内)
・周囲にディッチ(溝)が掘られている。ディッチは溝幅200mm~380mm、溝深さ50mm~200mm
・ディッチの外側にバンクがある。高さはグリーン表面より230mm以上必要。
・各リンクは幅4.3m~5.8m 長さ31m~40m


 

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