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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

カヌー

人々の移動手段からスポーツとして発展した水上競技

概要と歴史

カヌーは、何千年もの昔から、人々の移動手段として、また狩猟の道具として発達してきた水に浮かべる小さな乗り物です。最も古いカヌーは6千年ほど前のユーフラテス川近くにあるシュメール人の王墓から発見されています。

スポーツとしての近代カヌーは、19世紀にイギリスで芽生え、1866年イギリスのテームズ川で初めてレースが行われました。1924年に国際カヌー連盟(I.C.F)が設立され、第1回の世界選手権大会は1930年、オリンピックの正式種目として採用されたのは1936年の第11回ベルリン大会でした。

日本のカヌー競技は、1940年に開催が予定されていた東京オリンピックの準備のため、ベルリンからカヤック艇を持ち帰ったのが始まりです。1938年に日本カヌー協会が設立されましたが、第2次世界大戦の激化に伴い、その活動は自然に消滅し、東京オリンピックとともに幻と化しました。

戦後、国際カヌー連盟から離脱していた日本の復帰が認められ、1960年に再び日本カヌー協会が復活しました。1964年、第18回オリンピック東京大会でフラットウォーターレーシング(静水面で行う)が正式競技として採用された事から、国内におけるカヌー競技は普及と強化の両面で大きく躍進したといえます。

日本カヌー協会は、東京オリンピック開催後、日本体育協会に加盟し、1980年に社団法人日本カヌー連盟へと法人化されました。また、1982年の島根国民体育大会から正式競技として実施されています。

特徴と競技種目

カヌーの種類には、北方のイヌイット(エスキモー)が狩をするために作った舟が原型といわれるカヤック(K)と、カナダの原住民が木をくり抜いて作った舟が原型といわれるカナディアン(C)があります。

カヤックは、漕者が艇の進行方向に向かって座り、パドルの両端にある水かき(ブレード)で左右交互に水をかきながら艇を進め、舵(レーシングのみ)は足で操作して方向を整えます。カナディアンは、漕者が立膝の姿勢で、片側にブレードの付いたパドルで艇の片側だけをかきながら、同時に方向も操作して進みます。

ボートとカヌーの違いは、ボートではオールが艇に取り付けてあるのに対して、カヌーのパドルは固定されていないことです。また、ボートは後ろ向きに進みますが、カヌーは全て前向きに進みます。

カヌー競技は、1972年のミュンヘンオリンピックに、河川の激流で行うスラロームが種目に入ったこともあり、現在ではフラットウォーター、スラローム、ワイルドウォーター、ツーリング、カヌーポロ、ドラゴンカヌーとカヌー全種目が急激に普及しています。もともとカヌーは、人類の歴史とともに人々の生活の中で親しまれて来たものであり、豊かな庶民的要素をもっていることから、特に欧米各国での普及は目覚しく、一般大衆のスポーツとして盛んに行われています。

日本でも近年、レクリエーションカヌーの領域までその裾野を大きく広げ、自然と調和したクリーンなスポーツとしてますます普及・発展することが期待されています。

お問い合わせ先

(社) 日本カヌー連盟
〒150-8050 東京都渋谷区神南1-1-1 岸記念体育会館4階
TEL:03-3481-2400 FAX:03-3481-2401