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理事長挨拶



「未来に夢を描き、行動するシンクタンクへ」――。2010年、笹川スポーツ財団(SSF)は設立20年を迎えました。この言葉は20年史の制作にあたり、SSFのこれから進むべき道として、私が語ったものです。

その夢とは、日本に暮らす一人ひとりが、それぞれが望むかたちで、「する」「みる」「ささえる」スポーツを楽しみ、幸福を感じられる社会を形成すること。言い換えれば、スポーツ・フォー・エブリワン社会の実現となります。

2011年の公益財団法人への移行も手伝い、私たちSSFは「スポーツ分野のシンクタンク」という代名詞を掲げながら、研究調査、人材育成、自治体・スポーツ振興機関との連携を軸に、その活動を続けてまいりました。

一般的にシンクタンクというと、政策の立案や提言を担う頭脳集団、政策集団といったイメージが強いと思われます。まだまだ未成熟な私たちですが、目指すシンクタンク像は高い次元で定めています。地に足の着いた調査、客観的な分析・研究、実現可能性のある提言。そして、政策を執行する機関や組織と連携しながら、提言の実現に向けて協働することです。つまり、「Think」と「Do」の両機能を備えてこそ、真のシンクタンクとして社会に貢献できると考えています。
そのため、経営資源が豊かとは言えないSSFでは、全国の自治体、スポーツ振興機関、大学、スポーツボランティアなど、多様な組織や人と連携を図りながら、組織運営を進めております。

ところで皆さんは、2017年3月にスポーツ庁から発表された第2期スポーツ基本計画をご存知でしょうか。同計画の中長期的なスポーツ政策の基本方針には、スポーツで「人生が変わる」「社会を変える」「世界とつながる」「未来を創る」とあります。
また、その実現にはスポーツの価値を具現化し発信することが重要であり、スポーツの枠を超えて異分野と積極的に連携・協働することが必要です。

ここ数年、日本の未来予測を著した書籍をいくつも目にするようになりました。総じて、人口減少、少子化、高齢化、そこから浮かび上がる社会や経済、あるいは財政や社会保障に関する課題について論じられています。
戦後、日本は復興、成長の過程で都市化、核家族化が進み、現在では、単身世帯、空き家の増加という現象も顕著になってきました。そして、地域コミュニティの崩壊や無縁社会などという言葉すら普通名詞化しています。

これらの社会課題に対し、私たちSSFは「スポーツの価値」による解決を提案しています。スポーツには人生を変え、社会を変え、世界とつながり、未来を創る価値・能力が秘められていると考えるからです。スポーツがそういった解決能力を発揮するために大事なことは、その価値を多くの方に理解していただき、日常的な実践に繋げることです。それは結局、健康長寿社会、一億総スポーツ社会にも結びつくことでしょう。

私たちSSFは、スポーツの枠を超えた様々な組織や人と連携・協働しながら、現在横たわる社会課題、そしてこれからの社会課題に対し、スポーツの価値を「解決する力」に変え、社会変革を起こせるシンクタンクでありたいと思います。

未来に描くスポーツ・フォー・エブリワン社会の実現のために。

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