Search
国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

知る学ぶ
Knowledge

日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

スポーツボランティアに関する調査 2018

スポーツボランティアのきっかけとなった活動で、最も多かったのは「スポーツの指導」

2018年12月14日

公益財団法人笹川スポーツ財団は、全国の20歳代から60歳代を対象に『スポーツボランティアに関する調査』を、今年3月に実施いたしました。ラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピックを控える今般、我が国のスポーツボランティアの実施状況を改めてご報告いたします。

調査目的
スポーツおよびスポーツ以外のボランティアの実施状況に加えて、
ラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピック
のボランティアへの参加ニーズを明らかにする。
調査方法
調査会社の登録モニターを用いたインターネット調査
調査対象
全国の20歳代から60歳代(回収数:10,000サンプル)
調査時期
2018年3月
主な調査項目
スポーツボランティアの実施状況
スポーツ以外のボランティアの実施状況
大規模スポーツ大会のボランティア実施希望 他

POINT 1

過去1年間のボランティア実施状況

「スポーツ以外のボランティアを実施」が16.6%、
「スポーツボランティアとスポーツ以外のボランティアの両方を実施」が4.0%、
「スポーツボランティアのみ実施」が1.3%

POINT 2

ボランティアをするきっかけとなった活動

最も多かったのは「子どもを対象とした活動」の51.1%、
スポーツボランティアで最も多かったのは「【日常的な活動】スポーツの指導」(43.2%)

POINT 3

現在最も大切なボランティア活動

「【日常的な活動】スポーツの指導」が55.7%と最も多く、次いで、「子どもを対象とした活動」(31.0%)、「【日常的な活動】スポーツの審判」(25.0%)

研究担当者コメント

東京2020オリンピック・パラリンピックでは、締め切りを前に既に定員の8万人を上回るボランティアの応募があった。ラグビーワールドカップ2019、ワールドマスターズゲームズ2021関西と合わせて、2019年からの3年間は、全国で過去にない規模でスポーツボランティアが活動することになる。

スポーツボランティアのきっかけとなった活動は、地域のイベント、全国・国際的スポーツイベントの運営よりも、日常的なスポーツの指導の方が多い。これは、ボランティアにとって魅力的な大会が少ないことを示唆している。大規模国際大会のボランティアをレガシーとして残すためには、こうした大会で活躍したボランティアが参加したいと思える「受け皿」となる大会を全国各地に整備する必要がある。スポーツ関係者には、自発的なボランティアの参加満足度を高める大会運営の在り方が求められているといえる。

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 主席研究員 澁谷 茂樹

【調査のポイント】

1. 成人のボランティア実施状況(スポーツとスポーツ以外のボランティア)

過去1年間のボランティア実施状況についてみると、「スポーツ以外のボランティアを実施」が16.6%、「スポーツボランティアとスポーツ以外のボランティアの両方を実施」が4.0%、「スポーツボランティアのみ実施」1.3%であった。スポーツボランティア実施者の多くが、スポーツ以外のボランティアと「掛け持ち」して活動していることがわかる。(図表1)。

図表1 過去1年間のボランティア実施状況

図表1 過去1年間のボランティア実施状況

また、過去1年間にスポーツボランティア活動を「行った」者(スポーツボランティア実施者)は5.3%、であるが、「以前に行ったことがあるが、過去1年間は行っていない」者(スポーツボランティア過去経験者)は9.4%、「これまでに行ったことはない」者(スポーツボランティア未経験者)は85.3%であった。

2. ボランティアをするきっかけとなった活動

スポーツボランティアやその他のボランティアの実施者および過去経験者に対し、「ボランティアをするきっかけとなった活動」についてたずねた。活動に参加した者の総数に対して「きっかけになった」と回答した者の割合をみると、最も多かったのは「子どもを対象とした活動」の51.1%で、次いで「健康や医療サービスに関係した活動」(46.3%)、「【日常的な活動】スポーツの指導」(43.2%)であった。(図表2)

図表2 ボランティアをするきっかけとなった活動

【図表2 】ボランティアをするきっかけとなった活動

3. 最も大切なボランティア活動

スポーツボランティアやその他のボランティアの実施者に対し、「現在最も大切なボランティア活動」についてたずねた。「【日常的な活動】スポーツの指導」が55.7%と最も多く、次いで、「子どもを対象とした活動」(31.0%)、「【日常的な活動】スポーツの審判」(25.0%)であった(図表3)。

【図表3 】最も大切なボランティア活動

【図表3 】最も大切なボランティア活動

目次
テーマ

スポーツボランティア

キーワード
年度

2018年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者
共同研究者
  • 工藤 保子 大東文化大学
    スポーツ・健康科学部 准教授
  • 長倉 富貴 山梨学院大学
    現代ビジネス学部 教授