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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

青少年のスポーツライフ・データ2010

当財団では2001年から4年ごとに10~19歳を対象にした全国調査を実施しています。
「青少年のスポーツライフ・データ2010」では、全国10代(10~19歳)の男女3,000人を対象に実施しました。最新の結果の中からポイントをご紹介します。

調査結果

1. 10代の運動・スポーツ実施の二極化が進展

本調査では、10代の運動・スポーツ活動を「学校の部活動や休み時間の活動は含めるが、学校の体育の授業や学校行事のキャンプなどは含めない」と定義し、スポーツのみならず、広く「運動・スポーツ」活動としてたずねています。
わが国の10代は、どれくらい運動・スポーツを行っているのでしょうか。過去1年間の運動・スポーツの実施頻度(回数)をまとめたのが図1です。前々回の2002年調査、前回の2006年調査の結果とあわせて報告しています。
学校の授業以外で過去1年間に運動・スポーツを週7回以上実施している者が2006年調査の28.5%から31.4%に増加し、過去1年間に授業以外に全くからだを動かしていない「非実施者」が、11.7%から14.4%へと増加しています。2006年調査では二極化解消の兆しがみえていましたが、今回の調査では反対に実施頻度の二極化が進展する結果が確認されました。

図1

【図1】運動・スポーツ実施頻度の年次比較(頻度別)

資料:笹川スポーツ財団「10代のスポーツライフに関する調査」2010

※2009年のデータは過去の調査との比較のため、上位3種目のみを分析対象としている

2. 10代の人気種目はここ8年で変化なし

表1は性別に過去1年間における「よく行った」(実施頻度の高い)運動・スポーツ種目の上位20種目を過去2回の調査と比較したものです。男子では「サッカー」「野球」「バスケットボール」の種目が3回の調査すべてで上位に位置し、『御三家』といえるでしょう。また、女子では「バドミントン」「バレーボール」「バスケットボール」が順位は入れ替わりつつも、3回の調査すべてで上位に位置しており、こちらも男子同様、『御三家』といえます。10位までの種目をみると、「サッカー」「野球」は男子に、「バドミントン」「バレーボール」は女子にそれぞれ圧倒的な人気を誇る種目であり、「バスケットボール」「水泳(スイミング)」「筋力トレーニング」「ジョギング・ランニング」は男女ともに人気のある種目といえるでしょう。

【表1】過去1年間に「よく行った」運動・スポーツ種目の年次比較(性別:複数回答)

(%)

順位 2001年男子(n=622) 順位 2005年男子(n=829) 順位 2009年男子(n=909)
1 サッカー 28.9 1 サッカー 35.0 1 サッカー 34.8
2 野球 27.8 2 野球 27.1 2 野球 30.7
3 バスケットボール 22.3 3 バスケットボール 16.6 3 バスケットボール 18.7
4 筋力トレーニング 12.2 4 卓球 10.9 4 筋力トレーニング 12.2
5 水泳(スイミング) 11.6 5 筋力トレーニング 9.7 5 ジョギング・ランニング 12.0
6 ジョギング・ランニング 10.9 6 水泳(スイミング) 9.3 6 キャッチボール 11.4
7 卓球 8.7 7 キャッチボール 8.2 7 水泳(スイミング) 11.2
8 ボウリング 8.2 8 ドッジボール 8.0 8 卓球 10.7
9 バレーボール 5.8 9 ジョギング・ランニング 7.5 9 ドッジボール 8.5
10 バドミントン 5.6 10 テニス(硬式) 7.1 10 バドミントン 7.4
順位 2001年女子(n=559) 順位 2005年女子(n=765) 順位 2009年女子(n=749)
1 バドミントン 21.1 1 バレーボール 23.3 1 バドミントン 21.5
2 バレーボール 17.7 2 バドミントン 19.5 2 バレーボール 19.8
3 バスケットボール 14.7 3 バスケットボール 17.4 3 バスケットボール 17.8
4 ウォーキング 12.3 4 水泳(スイミング) 12.5 4 筋力トレーニング 12.8
5 水泳(スイミング) 11.6 5 ソフトテニス(軟式) 10.3 5 なわとび 12.0
6 なわとび 10.0 6 ドッジボール 9.2 6 ジョギング・ランニング 11.8
7 ジョギング・ランニング 9.1 7 なわとび 8.8 7 ウォーキング 11.5
8 ソフトテニス(軟式) 8.2 8 ジョギング・ランニング 8.2 8 水泳(スイミング) 11.0
9 ボウリング 7.2 9 卓球 7.5 9 ドッジボール 9.6
筋力トレーニング 7.2 10 筋力トレーニング 6.7 10 ソフトテニス(軟式) 8.6

資料:笹川スポーツ財団「10代のスポーツライフに関する調査」2010

※「よく行った」運動・スポーツ種目:過去1年間に行った運動・スポーツのうち、実施回数の多い種目
※2009年のデータは過去の調査と比較のため上位3種目のみを分析対象としている

3. 好きなスポーツ選手 男子は「イチロー」、女子は「真央ちゃん」

10代に好きなスポーツ選手1名とその種目を記入するように求めたところ、全体の74.4%にあたる1,480名からの回答が得られました。回答は多様で、284の選手名があげられました。
1位は「イチロー」17.2%で、2位以下を大きく引き離していました(表2)。次いで「浅田真央」9.4%、「北島康介」4.1%、「中村俊輔」3.9%でした。上位11名の種目の内訳をみると、野球が3名、サッカーが2名に続いて、フィギュアスケート、水泳、卓球、ゴルフ、バスケットボール、バレーボールが各1名ずつあげられました。男子からは野球とサッカーの選手が、女子からはフィギュアスケート、バレーボールの選手が多くあがりました。

【表2】好きなスポーツ選手(全体・性別)

(%)

順位 全体(n=1,480) 順位 男子(n=784) 順位 女子(n=696)
1 イチロー(野球) 17.2 1 イチロー(野球) 23.1 1 浅田 真央(フィギュアスケート) 19.5
2 浅田 真央(フィギュアスケート) 9.4 2 中村 俊輔(サッカー) 6.3 2 イチロー(野球) 10.5
3 北島 康介(水泳) 4.1 3 クリスティアーノ・ロナウド(サッカー) 4.7 3 北島 康介(水泳) 3.7
4 中村 俊輔(サッカー) 3.9 4 北島 康介(水泳) 4.5 4 福原 愛(卓球) 3.4
5 クリスティアーノ・ロナウド(サッカー) 2.7 5 松坂 大輔(野球) 1.9 5 栗原 恵(バレーボール) 3.2
6 福原 愛(卓球) 2.2 6 小笠原 道大(野球) 1.8 6 安藤 美姫(フィギュアスケート) 2.9
7 坂本 勇人(野球) 1.9 7 坂本 勇人(野球) 1.8 7 五十嵐 圭(バスケットボール) 2.7
8 石川 遼(ゴルフ) 1.8 8 金本 知憲(野球) 1.4 8 石川 遼(ゴルフ) 2.4
9 五十嵐 圭(バスケットボール) 1.6 ダルビッシュ 有(野球) 1.4 9 木村 沙織(バレーボール) 2.0
10 栗原 恵(バレーボール) 1.5 10 青木 宣親(野球) 1.3 坂本 勇人(野球) 2.0
ダルビッシュ 有(野球) 1.5 石川 遼(ゴルフ) 1.3 潮田 玲子(バドミントン) 2.0
リオネイル・メッシ(サッカー) 1.3 高橋 みゆき(バレーボール) 2.0

資料:笹川スポーツ財団「10代のスポーツライフに関する調査」2010


『青少年のスポーツライフ・データ2010』

仕様
A4判/184ページ
価格
2,000円+消費税
発行
2010年1月
データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2010年度