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国際情報

Sport News Canada

2018年03月16日

カナダBC州の車いすバスケットボールプログラム
 ~ BC Wheelchair Basketball Society 後編

前編より続く)

  LTADの他にも、BCWBS は以下のような事業やプログラムを行っている。

大会開催


  州のリーグ大会だけでなく、様々な地方、国内大会を毎年開催している。2009年にはアメリカゾーンの世界選手権予選も開催した。BC州の代表選手や育成選手の育成、ボランティアの育成、スポーツの認知度向上、地元のスポンサー企業からサポートを受ける機会を増やすことにつながっている。

車椅子貸出プログラム


  高額(約CAD2,000~5,000<約180,000~450,000円>)なスポーツ用車椅子は、スポーツを始めたいと思っても、その購入費用が障壁になってしまうことがある。BCWBSはスポーツ用車椅子を現在約150台所有しており、規定プログラム以外の練習で使いたい会員には年間CAD100(約9,000円)で貸し出している。様々なサイズの車椅子を取り揃えているので、多くの会員が自分の障害や体のサイズに合った車椅子を借りることが可能だ。

コーチ、審判養成


  BCWBSは州内のコーチや審判の育成も行っている。イベントや大会の期間中に、経験豊富なコーチ陣が経験の少ないコーチに助言をしたり、ミニクリニックや審判講習会の開催、審判長が評価指導するなど、育成をサポートしている。またコーチライセンスがとれるコーチクリニックを毎年開催している。BCゲームやカナダゲームでコーチをするには、規定のレベルのライセンスがなければならない。

クラブチームサポート


  現在BCWBSの会員となっているクラブチームは12ある。これらクラブの活動と発展をサポートするため、BCWBSは以下のようなサービスを提供している。

  • 助成金
    クラブの活動状況によって毎年CAD200~600(約18,000~54,000円)の助成金を提供している。会場費や大会開催費、用具費などに充てることが出来る。
  • スキルクリニック・体験会
    コーチを派遣してスキルクリニックや体験会を開催している。クラブが主催するイベントのサポートを行うこともある。
  • 用具サポート
    需要に応じて、スポーツ用車椅子やボールなどの貸し出しを無料あるいは低額で行う。
  • その他、練習メニューのアドバイス、クラブ運営のアドバイスやサポートなどを行う。

  BCWBSは少ないスタッフ数(フルタイム5名、契約スタッフ2~3名)ながらも様々なレベルでプログラムを提供したりイベントを開催しており、参加者の満足度も高い。ただスタッフが常駐していない地域では、定期的なプログラム提供が難しいため、レベルに関わらずプレーする場を提供するのはそれぞれの地域にあるクラブチームとなっている。逆に、スタッフが常駐しているバンクーバー近郊では、クラブチームが発展しにくく、参加者はBCWBSの提供するプログラムに頼るのが現状であり、それが課題でもある。ただ、州レベルでこれだけのプログラムや選手サポートを有給スタッフによって提供しているのはカナダの他の州には見られず、受け継がれてきた経験と強いリーダーシップが生んだ成果といえるだろう。

  これらの事業は州の助成金やスポーツ振興基金、地域の財団や地元企業からの助成金、寄付金などで賄われている。州の助成金においては州代表チームの成績や提供するプログラム内容が厳しく評価されるため、継続して資金を得るためには、質の高いプログラムを維持していく必要がある。また、寄付金を募るため、年に一回「Hoopfest」 というイベントを開催している。地元の消防団や警察、その他地元企業がチームを作って大会に参加し、そのチーム登録費や試合後に販売されるビールなどの売り上げ、オークションの売り上げがプログラム運営に還元される。

  BCWBSのFacebook ページでは様々なプログラムやイベントの写真を見ることができるので、是非見てみて欲しい。

  その他、12歳以下の障害を持つ子供たちを対象に、フィジカルリテラシーを養うための「Let's Play」 というプログラムを運営している。次回はこのプログラムについて紹介したいと思う。

文中、1CAD=約90円で換算

参考文献

レポート執筆者
原田 麻紀子

Manager of Program Development, BC Wheelchair Basketball Society
Partner Fellow, Sasakawa Sports Foundation

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