本文へスキップします。

国際情報

Sport News Germany

2018年2月21日

「SPORTDEUTSCHLAND(シュポルトドイチュラント)」*の目指すもの

*「SPORTDEUTSCHLAND(シュポルトドイチュラント)」は、ドイツオリンピックスポーツ連盟の造語です。

  ドイツオリンピックスポーツ連盟(Deutscher Olympischer Sportbund:DOSB)が毎週配信しているメールマガジンには、最近「SPORTDEUTSCHLAND」(シュポルトドイチュラント)*注1 という言葉が頻出している。では、「シュポルトドイチュラント」とは、ドイツのスポーツ、スポーツ国ドイツ…、こういう意味だろうか。

  なお、「シュポルトドイチュラント」について、DOSBのマーケティング課長にインタビューを行い、「シュポルトドイチュラント」を日本語に訳すとしたらどう表現するといいだろうかと尋ねたところ、「シュポルトドイチュラントはロゴ、固有名詞だから、『スポーツ国ドイツ』と言うのは良くない…、ドイツをドイチュラントと呼ぶことが日本人に馴染まないとしたら『スポーツドイツ』だろう!」とのことであった。

  DOSBのホームページを見ると、「ドイツはスポーツ国である。二人に一人は定期的にスポーツをする。グラウンドで、体育館で、森で、雪や氷の上で、競技場で。そして週末にはサッカー、ハンドボール、テニス、バレーボール、体操などの何万人という観客、そしてテレビの前には何百万人のスポーツファンがいる。『シュポルトドイチュラント』は、スポーツを愛する人、スポーツに生きる人、スポーツを振興する人、スポーツを使う人、スポーツから利益を得る人、社会参加を通じてスポーツを価値あるものにする人すべてである。社会全体、つまり私たち皆にとってスポーツは価値のあるものなので、『シュポルトドイチュラント』はドイツにおけるスポーツ以上の意味があり、『シュポルトドイチュラント』は現在と未来を形成する」とある。さらに「スポーツで鳥肌の立つような瞬間を体験する人、車で子どもたちを試合へ送る人、応援する人、成功する人、負けを受け入れる人、コミュニティの中で生きる人、身体を動かすことが好きな人、他所からやって来た人たちに新しい故郷を見つけるのを助ける人、忘れられない物語を書く人、すべてが『シュポルトドイチュラント』である。夏でも冬でも。草の根からトップまで。児童体操から高齢者スポーツまで。」

  この単語は、2015年3月から使用されている。いわば宣伝キャンペーンのための、モットー、ロゴ、主張と言える。DOSBが新しい言葉、概念を導入したのである。「ドイツオリンピックスポーツ連盟」という堅苦しい名称でなく、分かり易く、親しみやすい表現を使うことにより、より多くの人たちにスポーツを身近なものにしてもらおうという試みであり、マーケティング活動である。
「WIR SIND SPORTDEUTSCHLAND(私たちはシュポルトドイチュラント)」は、DOSBのパンフレット、ポスター、見本市のブース、インターネット、ソーシャルメディア等でも積極的に活用され、あらゆるところに登場するように、DOSB傘下の組織化されたスポーツの広報活動でもある。

DOSB提供の画像


  このような活動の背景にはDOSBのフィロソフィがある。DOSBは傘下の地域スポーツクラブ、加盟団体等のためにより良いスポーツ環境をつくることを使命としている。しかし、DOSBは約9万のスポーツクラブ、そこでスポーツをする2,700万人の会員、16の州スポーツ連盟、62の種目別競技団体、16の特別な課題をもったスポーツ団体のためにだけより良いスポーツ環境を実現することを目指しているのではない。スポーツに関連するすべての分野の改善を目指し、社会全体のためにスポーツのポテンシャルを使い、民間の代弁者と自認する。それを表すのが「シュポルトドイチュラント」である。その具体的活動を通じてスポーツの多様性・価値を伝えようというのである。

  「シュポルトドイチュラント」は、スポーツに関与するすべての人、すべての現象の代名詞である。人と人、スポーツを結ぶ架け橋でもあり、DOSBそして組織化されたスポーツそのものでもある。

注1)ドイツ語で、「Sport」はシュポルト、「Deutschland」はドイチュラントと発音する。「Deutschland」は国名(ドイツ)を意味する。

【画像提供、インタビュー】DOSBマーケティング課長 Florian Frank

【関連リンク】

レポート執筆者
高橋 範子

Correspondent, Sasakawa Sports Foundation


ページの先頭に戻る