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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

部活・サークル活動に関する調査

調査の結果、過去1年間に高校(高専を含む)の部活動において指導者や先輩から暴力行為(身体的暴力および暴言)を受けたことがある者は14.3%でした。その発生時期を尋ねたところ、昨年7~9月の72.1%から、本年4~6月では18.4%まで漸減していることがわかりました。一方、今年7月の1ヵ月間でも指導者から暴力行為を受けた者は11.7%にのぼりました。

8月9日に文部科学省が発表した「体罰の実態把握について(第2次報告)」においても、高等学校(国公私立)における体罰時の状況としては、「部活動」が41.7%と最も多いことがわかっており、今回の調査結果も踏まえ、指導者、上級生による指導の現状については、運動部系・文化部系の別なくその実態を正確に把握する努力が求められているといえます。

調査概要

調査名
部活・サークル活動に関する調査
調査時期
2013年7月25日~7月29日
調査対象
  1. 母集団:全国の16~19歳(高校2年生~大学1年生)の男女
  2. サンプル数:1,252人
調査方法
インターネット調査
調査内容
過去1年間に、部活動中に指導者および先輩から、以下の暴力行為を受けた経験、目撃した経験があるかを尋ねた
  1. 素手で殴られる
  2. 物(棒や竹刀、スリッパ、ペットボトルなど)で殴られる
  3. 蹴られる
  4. 物を投げつけられる
  5. 暴言を言われる
サンプルについて

(1)性別(n=1,252)

サンプルについて1

(2)運動部と文化部の割合(n=1,252)

サンプルについて2

本調査の特徴

  • 高校2年生から大学1年生までの本人による直接回答(指導者・保護者等による回答ではない)
  • 「運動部系」に限らず「文化部系」も含めた高校の部活動を対象
  • 暴力行為の「目撃体験」についても調査
  • 「指導者」からの暴力行為(身体的暴力および暴言)だけではなく、「先輩」からの暴力行為も調査

指導者から暴力行為を受けた時期

過去1年間に指導者から暴力行為を受けたと回答した者(14.3% 内、運動部8.4% 文化部5.9%)に対し、受けた時期を尋ねた。「2012年7月~9月」が最も多く72.1%であったが、「2013年4月~6月」では18.4%と、暴力行為を受けた割合は昨年から今年にかけて減少傾向にある。しかし、本調査を実施した今年の7月をみると11.7%が暴力行為を受けたと回答している。過去1年間に暴力行為を受けたと回答した者のうち、およそ1割の高校生が部活動において、今年の7月時点でいまだに指導者からの暴力行為を経験している状況には注目すべきである。

【図1】指導者から暴力行為を受けた時期(全体:n=179)

図1

【図2】指導者から暴力行為を受けた時期(全体:n=105)

図2

【図3】指導者から暴力行為を受けた時期(全体:n=74)

図3

暴力行為を受けた経験と目撃した経験の関連

指導者から「身体的暴力と暴言の両方」を受けたと回答した者のうち、51.9%が部員が受けている状況を目撃していた。指導者からの暴力行為を受けた経験がないと回答した者でも、およそ5%は指導者の暴力行為を目撃している。 先輩からの暴力行為の状況をみると、指導者と同様、半数以上の者が先輩から身体的暴力と暴言の両方を受けた経験をもち、かつ部員が受けている状況も目撃していた。

【図4】指導者から暴力行為を受けた経験と目撃体験

図4

【図5】先輩から暴力行為を受けた経験と目撃体験

図5

部活動に対する満足度

指導者から暴力行為(身体的暴力および暴言)を受けた経験の有無別に、部活動の満足度をみたところ、暴力行為を受けた経験のある者でも71.5%は「満足している」と回答した。

【図6】部活動に対する満足度

図6
テーマ

子どものスポーツ

キーワード
年度

2013年度