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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

(1)韓国の学校体育施設の状況

4. 学校体育の施設の状況と学校体育人材(教員・外部講師)の状況(1)

次に、学校体育を支える施設、人材の状況を確認してみたい。

(1)韓国の学校体育施設の状況

韓国の学校体育の施設の状況(2010年12月、韓国教育科学技術部調べ)は、下表の通りである。
(※日本のデータは、特記したものを除き、2008年10月の「体育スポーツ施設現況調査」(文部科学省)の数字を、2008年5月現在の学校数で除して求めたものである。したがって、統廃合などの可能性もあり、実際は、これより数値が高い可能性がある。また、日本の「高等学校等」には、中等教育学校、特別支援学校を含んでいる。)

○天然芝運動場設置率
小学校3.9%、中学校3.5 %、高等学校3.5%
(日本:小学校5.58%、中学校3.91%、高等学校9.17%)(文部科学省調べ)

○ウレタン運動施設(球場、トラック)設置率
小学校17.2%、中学校25.6%、高等学校33.2%

○体育館(専用、講堂兼用、簡易すべて含む)設置率
小学校68.4%、中学校75.3%、高等学校92.8%
(日本:小学校93.9%、中学校88.8%、高等学校等100.3%)

○水泳場設置率
小学校1.3%、中学校0.9%、高等学校1.5%
(日本:小学校84.3%、中学校64.4%、高等学校等46.9%)

特徴的なことは、日本と比べ、水泳場の整備が大きく遅れていることである。従って、教育課程においては、水泳指導を行う場合、近隣のスポーツ施設に引率したり、施設を有する学校に赴いたりする場合も多いようである。当然、水泳自体が行われず、水泳に触れないまま、初等中等教育を終える場合も少なくない。 ※

そのほか、下記のような興味深いデータもある。

○脱衣室設置率
小学校24.6%、中学校49.0%、高等学校41.5%

○ゴルフ練習場設置率
小学校4.6%、中学校8.1%、高等学校16.5%
日本:小学校、中学校はなし。高等学校等のみ15箇所設置(0.2%))

○フィットネス施設設置率
小学校5.0%、中学校21.4%、高等学校37.5%

○夜間照明灯設置率
小学校21.4%、中学校19.6%、高等学校25.8%
(日本:学校体育・スポーツ施設全体で11.9%。ただし、屋外が大多数の水泳プールを除くと、17.8%)

日本において調査が存在しないものも多いが、両者の調査が存在し、比較可能なものとしては、ゴルフ練習施設があるが、日本と比べて、韓国の設置数は多いと考えられる(日本は、高校・専修学校併せて19カ所(平成20年体育・スポーツ施設概況調査)しか存在しないとされる。)。また、脱衣室の整備も比較的進められているのではないかと考えられる。

※ ソウル特別市教育庁では、2012年より域内すべての小学校3年生に水泳授業を行う計画を立てている。