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ソチパラリンピック 現地レポート
星野 恭子 氏

3. 若い力がリードした、ボランティア

■ボランティアのモチベーションを高める工夫

会場外でもよく見かけた公式車

会場外でもよく見かけた公式車

ボランティア文化のないロシアで人材を確保するため、その待遇もかなり配慮されていた。食事や通勤用送迎バスの提供などは過去の大会も同様だが、ソチでは史上初めて競技会場周辺に「ボランティア村」を開設し、宿泊施設も提供したのだ。アスリート用の選手村のように、村内にはステージや音響設備、ビデオ室など娯楽設備もあったという。

大会1カ月前にはボランティアの過半数が「入村」を済ませ、パラリンピック特有の障害のあるアスリートに対するサポート方法や競技運営などを学ぶ最終の研修に臨んだという。大会前の「長期合宿」はボランティア同士の一体感や仲間意識を醸成することにも大いに役立ったと思われる。

他にも、自己負担とされていた、居住地からボランティア村までの交通費も、実際には各ボランティアセンターが全額、または半額~3割ほどを負担してくれたという話も耳にした。

ロシアではこうして、オリンピックとパラリンピックの開催を機に、「ボランティア」という新しい精神と文化を取り入れた。これからを担う若い世代に、改めて祖国への誇りを意識させ、それを外に向かってアピールするチャンスにもした。「ボランティア文化は、ソチ大会の遺産として最大のもの」という声さえある。

「私はオリンピックでもボランティアを務めた。オリンピックに比べてパラリンピックは選手も観客も数は少ない。でも、選手のパフォーマンスも応援する姿もオリンピックと同じように素晴らしい。だから、私も同じように誇りをもって活動しているし、素晴らしい日々を送っている。ボランティアという文化が、この国にもっと広まって浸透することを希望する」と話してくれたボランティアの言葉は、ソチ大会のボランティアを代表する意見のように思う。

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