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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

「スポーツ立市よこて」宣言でまちを元気にする 秋田県横手市 「健康の駅」を起点に市民の健康づくり

2013.10.18
「健康の駅」事業というユニークな仕組みで健康づくりを展開する秋田県横手市は今年の3月議会で議員提案による「『スポーツ立市よこて』でまちを元気にする条例」を全会一致で可決・制定した。4月には「スポーツ立市よこて」宣言を行い、スポーツによるまちづくりに乗り出した。初参加のチャレンジデーでは71%の参加率を達成し、市民の一体感をアピールした。

横手市は秋田県県南部に位置する日本有数の豪雪地である。2005年10月1日、旧横手市と旧平鹿郡に属する5町2村が合併し、県内第2の都市となった。緑豊かな田園地帯と雪まつりに加えて、B級グルメ「横手焼そば」で知られる。 秋田県横手市のHPへ
  • 【後半】健康づくりへの取り組みと課題
  • 【前半】スポーツで一体感あるまちづくりを
スポーツで一体感あるまちづくりを

チェレンジデー初参加で参加率71%

五十嵐忠悦市長
渡邉:
今年5月29日に開催された「チャレンジデー2013」で、秋田県横手市は兵庫県豊岡市と対戦され、熱戦の末に参加率71%対70%、僅か1%の差で横手市が勝利され、ともに金メダルを受賞されました。
また、勝敗とは別に、両市は開催に向けて互いの地元FMラジオ局を積極的に活用し、チャレンジデーの周知と対戦相手との交流を広く市民へ呼びかけました。エール交換のほか、チャレンジデー当日は各種プログラムの紹介、終了後は勝者の横手市の市歌を豊岡のFM放送局が放送しました。こうしたアイデアが評価され、両市はともにチャレンジデーを広く周知するためにユニークな広報活動を実施した自治体に贈られる「広報アイデア賞」(笹川スポーツ財団特別賞)を受賞されました。おめでとうございます。
五十嵐:
ありがとうございます。合併後の横手市としては初めての参加でしたので、当初は全市一体となってどこまでやれるのかなという思いもありましたが、皆さんからもいい意味でプレッシャーをいただいて取り組んだ結果、よもやの勝利でビックリしましたが、本当に喜んでいるのは市民の皆さんだと思いますね。
チャレンジデーの様子
チャレンジデーの様子
渡邉:
初参加にもかかわらず、人口9万5,000人規模の市レベルで71%もの参加率に達した例は、過去も数えるほどしかありません。これは驚くべき結果ですね。
五十嵐:
横手市は、2005年に旧横手市と平鹿郡の旧5町2村(増田町、平鹿町、雄物川町、大森町、十文字町、山内村、大雄村)が合併し、今年で8年目を迎えています。その中で大森地区など4つの地域がチャレンジデーの地区別カテゴリーでの参加経験があり、それぞれ好成績をおさめてきた経緯があります。
また、横手市は今年の3月議会で「『スポーツ立市よこて』でまちを元気にする条例」を全会一致で可決・制定し、4月には「スポーツ立市よこて」宣言を行い、スポーツによるまちづくりを推進しています。そうした背景もあって、市民と行政が一体となって開催するこのチャレンジデーは横手市にとっては最適のイベントであると考えました。
初参加にあたっては、4地域に学んで、各地域のスポーツ推進委員の皆さんや体育協会や各競技団体の関係者が懸命に市民に参加を呼びかけていただいたり、地域の方々も参加報告を送っていない近所の人に声をかけたり、市内の企業や店舗などの事業所、保育園・幼稚園・学校などでも積極的に取り組んでいただきました。その結果として、参加者が7万人を超える成果を生んだのだと思います。
渡邉:
チャレンジデーに参加しての率直な感想をお聞かせください。
五十嵐忠悦市長
五十嵐:
市民が日頃から健康を意識し、体を動かし、スポーツに親しんでいくうえで、チャレンジデーはよいきっかけになったと感じています。今後も市民が運動やスポーツを始める「きっかけ」をチャレンジデーで提供できるように、運動プログラムや運動施設を充実させていきたいですね。また、震災以降、災害時に大きな共助力を発揮するものとして、地域のコミュニティが見直されています。とかく人間関係が希薄になりがちな現代社会ですが、ここ横手ではチャレンジデーを通じて人と人とのつながりが強い地域であることを再認識し、誇りに思いました。
今回は「広報アイデア賞」という素晴らしい賞をいただきましたが、広報面にもさらに力を入れたいと思います。「チャレンジデー」も「スポーツ立市よこて宣言」も市民と行政が一体となって取り組むものなので、多くの市民へ情報が行き届くように、広報媒体を積極的に活用していきたいですね。
今後もチャレンジデーを通じて、地域間のコミュニティ機能の強化や明るく元気なまちづくりに向けてのポテンシャルがより一層盛り上がるものと、大いに期待をしているところです。

「スポーツ立市条例」の制定と「スポーツ立市」宣言

渡邉:
『スポーツ立市よこて』でまちを元気にする条例」の制定、「スポーツ立市よこて」宣言に至るまでの経緯についてお聞かせ下さい。
五十嵐:
もともとバレーボールやバスケット、野球などのスポーツが盛んな地域でしたし、市としても以前からスポーツを地域の元気なムーブメントの一つにしようと、スポーツ振興課が中心となって、大学などの合宿をターゲットに誘致活動を続けてきました。
昨年来から議員有志8名がスポーツでまちを元気にしようと「スポーツ立市条例策定検討会議」を立ち上げ、スポーツ関係機関と協議を重ねてきた結果、今年3月に条例が制定されたことを受け、スポーツをキーワードにして地域の皆さんと一緒になって地域を元気にしようと宣言したわけです。宣言後は各スポーツ団体が自主的にイベントを企画開催するなどの動きも始まっています。
そうした経緯もあり、チャレンジデーは本当にいいきっかけになりましたね。
横手市スポーツ行政組織図
渡邉:
横手市は8市町村が合併したわけですが、複数の自治体が一緒になるということは複数の文化を融合することになるため、難しい面も多いのではないでしょうか。一体感を醸成する部分と、各地域の個性ある文化や伝統を継承し、まちづくりに繋げていく部分があろうかと思いますが、一体感のあるまちづくりを進めている手応えはいかがでしょうか。
五十嵐:
そうですね。8市町村による「郡市一体合併」というのは全国的に見ても、あまり例がないそうですね。その意味ではいい面もたくさんありますが、8つの自治体がひとつになったわけですから、それ相応の苦労もあります。合併はそれぞれの自治体が育んできた歴史や文化的なものを、新しい市の中でどのように融合していくか、あるいはそれぞれの個性をどのように伸ばして花開かせるかという両面があります。一体感を持つことに重きを置いた部分もあれば、個性を発揮するように頑張ってもらった部分もありますが、うまくいかなかった部分もありますね。
スポーツの面では、もともとスポーツが盛んな地域でしたので、一体として取り組み易かった面はあります。各体育協会組織は早々に一緒になりましたしね。ところが歴史の重みがある文化や伝統芸能は、地域が違えば趣も違うわけです。これはやはり地域独自の歩みは絶対に欠かせないですね。
渡邉:
合併後の行政の組織機構は分庁舎方式を採用されたそうですね。
五十嵐:
新庁舎を建設する財政的余裕がなく、本庁機能を10か所に分散したため、行政組織としては大変に効率が悪かったのですが、その後、5か所に再編して意思疎通が図れるようになりました。
また、旧8市町村の旧庁舎を各地域を管轄する地域局庁舎として機能させています。次長級の局長の下に3人の課長を置いて3課体制で地域に必要な行政サービスを担っていますから、少ない所でも30人くらいの職員がいます。やはりその地域にお住まいの方がいる限りは身近な行政サービスは地域に拠点を置いたほうがいい。コストはかかりますが、当分は必要な仕組みではないでしょうか。

合併でスポーツ関連施設は8倍に

横手市スポーツ施設利用状況の推移
渡邉:
合併後の旧町村のスポーツ施設などの有効活用についてはどのようにお考えですか。
五十嵐:
8市町村の合併によって、市域が広域化するとともに、体育施設や文化施設等が増加して、その有効活用が求められております。8市町村の合併の結果、スポーツ関連施設の数が8倍になりました。野球場は大小9か所、体育館やテニスコートもしかりです。行革の一環でもありますが、施設の老朽化にも対応しながら、スポーツ施設を一体として管理運営し、スポーツをキーワードにしたまちづくりのために有効活用しようという方針でのぞんでいます。
一方で、各地域は公共温泉施設も抱えており、宿泊施設も充実しています。スポーツ施設と温泉宿泊施設を一体化して有効活用できれば、地域の活性化に非常に役立つ筈です。
そこで、一般的な観光とは異なるかたちで宿泊客を誘致する新たな事業展開が出来ればと考えています。
具体的には、大学・短期大学の部活動やサークル、同好会活動などの合宿をターゲットに、誘客を図っています。電光掲示板が備わった野球場が4か所もあり、どの球場も市の中心部から30分圏内と、交通の利便性も良く、県内外にも充分に誇れる施設ですので、合宿や大会誘致を積極的に推進していきたいですね。
今年度から立ち上がった「横手コンベンション協会」と協力し、「合宿誘致」や「各種大会誘致」を積極的に実施していくことで、横手の魅力、豊かな自然、豊富な食材、充実したスポーツ施設を継続的に売り込み、地域経済への波及効果、地域活性化に繋げていきたいと考えています。
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