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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

  • 【前半】市民のための環境整備
  • 【後半】今までにないものを作る
今までにないものを作る

固定観念にとらわれないアイデアで、ストリートスポーツの専用施設を整備

森雅志市長
渡邉:
今後は、ストリートスポーツの専用施設を造る計画があると伺いました。公共のスポーツ施設としてはとても珍しいですね。
森:
平成25年の着工予定で、さまざまな検討をしながら計画を進めています。確かに公共施設としては珍しいものですが、私自身はそれがまちの魅力にもつながると考えています。
例えば、繁華街の中心にガラスの天蓋で覆われた広場を設けました。商業床としては市内で最も地価の高い場所ですが、あえてその土地を市民みんなで使える全天候型の広場にしたのです。すると、人々が自然と集まって夕方からお酒を楽しんだり、子どもたちが遊びまわったり、そんな賑わいが生まれるんですね。これも当たり前のことではないのかもしれませんが、自然と人が集まることで賑わいや経済効果が生まれ、まちの魅力の一つとなっています。
渡邉:
固定観念にとらわれず、さまざまなアイデアを実行されている。
森:
ストリートスポーツの施設は、郊外にある土地を活用するものです。かつて、富山では土壌汚染による公害病が広がりました。今は完全に復旧したのですが、農地の土を入れ替える際、一時的に土を置く場所が設けられたのです。それが6ヘクタールという広大な土地で、中心部からそれほど遠くない場所にある。そこで、この土地を有効活用しようと3ヘクタールにはメガソーラー発電所を建設し、あとの3ヘクタールはストリートスポーツを楽しむ施設にしようと考えました。
グランドプラザ
渡邉:
ストリートスポーツを選んだ背景には、どんなお考えがあったのでしょうか。
森:
高齢化が進んでいることもあり、行政では、ゲートボール場の整備など高齢者向けのスポーツ振興が多く行われています。そこで、この広大な土地を活用するなら、若い世代が気兼ねなく、広々とスポーツを楽しむ施設を造りたいと考えました。
また、以前ポートランドへ視察に行った際に、若者が市街地でスケートボードに乗ったり、高架下でBMXを楽しんだりする様子を見かけました。それは日本でも同じだろうと考えたこともきっかけの一つです。
渡邉:
市街地から離れていれば、大きな音で音楽を鳴らすことも、スケートボードで自由に滑走することもできますね。
森:
スケートボードの施設としては国内最大級になる予定で、その他、ストリートダンスの練習場や、ボルダリング(岩を登るフリークライミングの一種)、BMX(競技用自転車)を楽しむ施設なども設けられる予定です。
渡邉:
これは非常に先駆的ですね。まちづくりの起爆剤になるのではないでしょうか。将来的には、ストリートダンスサミットやフェスティバルなどを開催できるといいですね。若い世代のスポーツが、まちの活性化にもつながっていくと思います。

地域の資源をさらに活かし、世代を超えたスポーツの可能性を

富山市スポーツプラン
渡邉:
最後に、平成23年6月に策定された「富山市スポーツプラン」についてお聞かせください。
森:
スポーツは、健康づくりや体力の維持向上、仲間づくり、生きがいづくりなどにつながり、人生をより充実したものにしてくれます。また、地域のふれあいが生まれる、子どもの健全な育成につながる、といった社会的役割も大きく、誰もが生涯にわたってスポーツに親しむことができる社会を形成することは大変の意義のあることです。
そこで、富山市では「健康で豊かに暮らす元気なまちづくり」を基本理念とし、今後10年を見据えて、より多くの人がさまざまな形でスポーツに参加できる生涯スポーツ社会の実現を目指し、「富山市スポーツプラン」を策定しました。
渡邉:
このプランを含めたスポーツ振興施策で、どのような成果があったとお考えですか。
森:
スポーツプランの基本目標に、スポーツ・レクリエーション拠点の整備・充実を挙げているのですが、これは一定程度準備が整ったのではないかと思います。富山市は雪が降るため、冬の屋外スポーツの実施が難しい。そこで、四季を通じて野球やサッカーを楽しめるよう十分な広さのある屋内グラウンドも整備しました。
また、市民のスポーツ参加という点では、地域に密着した体育協会などが中心となり、さまざまな競技のクラブ活動を行っています。今後はマッチングをどう促すかということが重要になると思います。
渡邉:
今後のスポーツ振興について、展望や課題などをお聞かせください。
森:
富山市には、実は活かされていない地域資源がまだたくさんあると考えています。今後、もっと幅広く、いろいろなスポーツを発展させていこうと考えると、例えばラフティングや渓流下りのボート、山やダム周辺などで楽しむスポーツバイク(自転車)など、まだまだ多くの可能性があると感じています。ところが、富山市は高等教育機関としての大学を含めたキャパシティが小さく、若い人は一度県外へ出ることが多い。そのため、こうしたスポーツの現場を担う、楽しむ、その中心となる若者層をどう確保し、動かしていくのかが課題になると考えています。
渡邉:
地域資源ということでは、富山市には海も身近にありますね。
森:
そうですね。富山湾に面しているので海はとても身近な自然です。夏は海水浴に出かける人も多いのですが、ダイビングやヨットといったマリンスポーツはそれほど活発ではありません。
富山湾は水深が急に深くなるのでスキューバダイビングには不向きなのですが、ヨットなどで海に出ると、立山連峰の壮大な山並みを見ることができてとても気持ちがいいんです。急流などの川を含めて、マリンスポーツをもっと発展させていくこともスポーツ振興の一つの課題だと考えています。
渡邉:
環境を活かして、スポーツの幅を広げていこうと。
アイザック スポーツドーム
森:
今後は新しいスポーツも積極的に検討しながら、さまざまなスポーツの可能性を広げていくことも重要だと思います。子どもから高齢者まで、世代を問わず多くの人が好きなスポーツを身近に楽しむ、さまざまなスポーツに興味を持ってチャレンジする、そんな生涯スポーツ社会の実現を目指したいと考えています。
渡邉:
個性あふれるまちづくりから、地域資源を活用した身近なスポーツ、斬新なストリートスポーツ施設まで、大変興味深いお話しを伺いました。既存の枠にとらわれない多彩なアイデアと、それを実現する実行力。これが、富山市の新たな魅力、未来への発展につながるのだろうと思います。時代を見据えたまちづくりとスポーツ振興で、富山市がより活力のあるまちになることを期待しています。
本日はありがとうございました。
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