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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

  • 【後半】今後の取り組みについて
  • 【前半】豊かな自然に恵まれた、伝統芸能のまち
今後の取り組みについて

全国の注目集めた、校庭の芝生化

渡邉:
次に、スポーツ施設についての取り組みなどを伺いたいと思います。まず、北広島では校庭の芝生化(鳥取方式®)を積極的に進められているようですが。
竹下:
芝生化については地域が自主的に進めていて、それを町がサポートしています。砂ぼこりやぬかるみなどを防ぐ芝生化は、子どもが積極的に外で遊ぶようになるなど、環境面でも健康面でもメリットが高い。ただ、これまでは費用や維持管理の面でハードルが高く、なかなか進まなかったんですね。そこに、簡単で費用も抑えられる新しい芝生があると学校や地域のPTAから話があり、町としても承諾しました。そこから導入を始めたわけです。
渡邉:
なるほど。学校や地域からの働きかけだったんですね。
竹下:
芝生化の第1号は6年くらい前。今では小学校だけで16校あるのですが、そのうち5校くらいではだいぶ芝が育ち、校庭が全面芝生化しきています。町外や県外の学校に対しても芝生を植える事業を進めています。単に予算をつけて芝生化するということではなく、民間レベルでこの取り組みが始まり、教育にも生かされている。これはまちの誇りなんですよ。
校庭の芝生化
渡邉:
住民と行政による共同のまちづくりですね。他の地域の学校にも転用されているというのは、すばらしいことだと思います。
竹下:
ありがとうございます。行政費用を殆んどかけずに地域レベルで進めたという点でも、この芝生化の取り組みは手法として先進的なものだったのかもしれません。全国でも注目を集め、興味を持った関係者の方が現場の視察に訪れたり、やり方の研究をしたり、そういったこともありました。
渡邉:
芝生化は民間主導ということですが、総合体育館といった建物になると、やはり修繕なども町が先導して行う必要がありますね。
竹下:
改修繕については、実際には先手を打って行うということはなかなか難しいのですが、指定管理者制度に切り替えたり、体育館の新しい使い方を考えたり、そういった取り組みはすでに始めています。町には3つの総合型スポーツクラブもあり、体育館も含め、このような充実した施設をもっと幅広く利用してもらおうと。少しずつではありますが、そういった展望も出てきています。

町民運動会とチャレンジデー。町民のスポーツ参加を目指す

渡邉:
町長の強い思いから、町民運動会も開催していると伺いました。現在の北広島町は平成の大合併で誕生したまちですが、合併後のまちを一つにまとめ上げるという意味では、町民運動会は効果的なのでは?
竹下:
そうですね。このまちは神楽をはじめとする地域の行事も盛んです。最初の頃は、それに加えて運動会というと、準備などもまた大変ということで喜んではもらえなかった。けど、やろうじゃないかと。すると、豊平地域が最初にやりますと手を挙げてくれて。苦労も多かったのですが、実際に開催してみると運動会はすごく盛り上がりました。今では各地域が参加して開催していますが、これは実現できて良かったですね。
渡邉:
ところで、今日は大朝、豊平、芸北の3地域のチャレンジデーを回らせていただきました。大朝、豊平は、すでに9回目の実施だそうですね。このチャレンジデーのような取り組みを、人口の一番多い千代田地区でもやってみると、また地域がまとまるような環境が生まれるのではないでしょうか。町民運動会とチャレンジデーをつなげることもできるかもしれませんね。
竹下:
なるほど。チャレンジデーにはスポーツごみ拾いという種目もありますよね。あれはすごくおもしろい。ライバル地域に打ち勝つためにはどうするか、そんな団結や盛り上がりもあるようなので、地域のまとまりを生むという点でも興味深いですね。
目標としては、千代田地域も含めまち全体でチャレンジデーに参加していこう、総合型スポーツクラブを充実させていこう、そういった方向性を掲げています。そこにどれだけ喜んで積極的に参加してもらうか、どう盛り上げていくのか、その仕掛けづくりがこれからの課題ですね。
渡邉:
そうですね。チャレンジデーで考えても、やはり住民が主体的に取り組むまでには5年ほどかかります。一番大切な初年度に、首長や教育関係の方が積極的に参加を呼びかけると始めから盛り上がることもありますので、やはり周知の徹底がカギになるのでしょうね。
竹下:
秋の町民運動会とからめたプロモーションなど、作戦を練りながら、来年はぜひまち全体で参加することを目標にしたいと思います。

“スポーツ合宿のまちづくり”を見据えて

渡邉:
最後に、今後のスポーツ振興に関する町の展望や町長のお考えなどをお聞かせください。
竹下:
まず、北広島には「体・徳・知」の教育を進めるという学校教育目標があります。「体」が最初に来るのですが、これにはやはり意味があって、小学生の段階から体力をしっかりと作り上げていくことは非常に大切だと私は考えています。基本的な体力を身につけ、運動能力を高めていく。学校では、このことを徹底して行っています。
渡邉:
近年は子どもの体力低下が指摘されています。その点でも、学校教育での体力向上の取り組みは非常に重要ですね。
竹下:
また、2年前からまちの全小学校を一堂に集めて、5、6年生の陸上記録会を始めました。今、この種目別の体育能力が県内で3番目くらい。今年はこの順位を広島県トップに持っていこうという大きな目標を立てています。これは教育委員会として明言していますから、その熱意を信頼したいですね。
渡邉:
高い目標を掲げるとモチベーションも上がります。広島県トップ、ぜひ実現していただきたいですね。
竹下:
もう一つ、“スポーツ合宿のまちづくり”を地域の基本にできないかと、昨年からリサーチを始めています。北広島は、交通の利便性も高く、運動に適した高原地帯でもある。スポーツをするには非常に優れた環境なので、それをぜひ生かせればと。そのためには、施設などハード面も含めた受け入れ体制の整備が必要です。それが地域活性化のビジョンになり得るのかどうか、まずはその見極めが課題ですね。
渡邉:
合宿誘致は経済効果も見込めますし、合宿で町外から来た人との交流も生まれます。さらには、町民が触発されてスポーツ実施率が高まるかもしれません。複層的な効果が期待できるのではないでしょうか。
竹下:
まさに地域雇用の拡大や活性化、そういったことを実現できるようにしたい。そのために、どういった構想が成り立ちうるのか、既存施設の活用も含めてしっかり検討したいと思います。
渡邉:
2月に鹿児島県指宿市長にインタビューしたのですが、スポーツ合宿、キャンプを積極的に誘致して、アジアとのスポーツ交流のメッカにしたい、と話されていました。
これは、地理的にアジア各国に近く、温暖な気候、温泉、食文化、あるいはおもてなしの心といった地域の財産を組み合わせることで、魅力的な場所として誘致を実現できると考えているからです。
北広島町も、指宿市に負けないくらい地域資源が豊かですし、中国地方の交通の要衡という利点もありますから、そのポテンシャルは非常に高いと感じます。町民一人ひとりの健幸生活、まちの活性化にもつながる夢の実現、楽しみにしています。
本日はお忙しいなか、興味深いお話をありがとうございました。
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