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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

サッカー界も地域も盛り上げる 大阪府堺市 後半

スポーツで地域の絆を深める

市民のつながりを深めるスポーツの力

竹山修身市長

渡邉 もう一つ堺市の特徴的なスポーツイベントに堺市民オリンピックがあると思いますが、その効果を教えてください。

竹山 市民オリンピックは、当日だけではなく準備期間も堺市内の各地域で盛り上がります。市民オリンピックをきっかけにたくさんの方々が関わり合うことで、住民同士の絆を深め、地域スポーツを盛り上げています。

渡邉 人間関係の希薄化や地域コミュニティの崩壊が深刻化するなか、市民オリンピックがその歯止めとなっているのですね。

竹山 市民に身近なスポーツ大会であることが大切です。以前は、競技種目にグラウンドゴルフが含まれていなかったのですが、高齢者の方同士が絆を深めるきっかけになればと思い、新たに種目に加えます。グラウンドゴルフを通じて、隣近所の方との交流の機会が増え、健康づくりにもなればと願っています。今後も競技種目については、連携を深められるようなものを取捨選択しながら採用していく方針です。

堺市民オリンピック地域貢献活動の様子 ©堺ブレイザーズ

地域によっては、市民オリンピックの開催後に打ち上げなどをやっています。そのような機会が、地域のつながりをより一層強めています。来年の作戦をたてたり、地域のなかで1等賞を獲った人をお祝いしたりと、大変盛り上がるようです。市民オリンピックでは、どんな競技も各地域で自主的に出場選手を決めてもらっていて、より多くの市民が参加できるシステムになっています。そもそもオリンピックは、参加することに意義があるのです。市民の方が楽しんで参加できることが、最も重要なのです。

渡邉 続いて、堺市を代表するスポーツチームである、バレーボールチームの堺ブレイザーズについて伺いたいと思います。

竹山 堺ブレイザーズは、市内でたくさんのスポーツ教室を開催していただいています。この事に大変感謝しています。一流のバレーボール選手が小中学校の子どもたちに、直に指導してくださるのは非常にありがたいことです。子どもたちがトップアスリートと身近に接することができる貴重な機会です。堺ブレイザーズは市民クラブですから、市民の皆さんの盛り上げようという気持ちが非常に強いです。スポーツを通じて、ともに喜びを味わい、ともに汗を流すことで、仲間としての意識が強まっていくものだと思います。

堺市民オリンピックとは

参加方法
  • 5月~8月 各校区における予選
  • 8月 参加申し込み締め切り、組合せ抽選会
  • 10月 本大会
参加資格
  1. 堺市民で当該校区に居住し、ルールを遵守するアマチュア競技者であること。
  2. 出場できる競技種目は一人一種目一種別に限る。ただし、陸上競技においては、400mリレーとその他の種別を兼ねることができる。
  3. 年齢の計算は本大会日を基準とする。
大会全体での参加人数

選手団員数 6,456人(応援団等を含めると約1万人)

参加校区数

94校区(小学校区)

競技種目
  1. ソフトボール(25歳以上の男性)
  2. バレーボール(25歳以上の女性)
  3. 卓球(15歳以上の男女(中学生を除く))
  4. 陸上
    • 100メートル(小・中学生の男女及び一般男女)
    • 3000メートル(15歳以上の男女(中学生を除く))
    • 400メートルリレー(小・中学生の男女及び一般男女)
    • 走り幅跳び(15歳以上の男女(中学生を除く))
  5. ゲートボール(55歳以上の男女)
  6. 綱引(20歳以上の男女)

堺市民の証・堺っ子体操

堺っ子体操堺っ子体操

渡邉 他に堺市で盛んなスポーツには、どんなものがありますか?

竹山 少年野球が盛んで、なかでも長曽根ストロングスという少年野球チームは、2011年に行われた高円宮賜杯第31回全日本学童軟式野球大会で見事優勝しました。

また、堺市独自のユニークな取り組みとして、堺っ子体操があります。体操を親しみやすくするために、音楽に振りをつけたのがはじまりです。今の30歳代後半より若い人は、誰でもできます。小学校の体育の時間や全市の小学6年生が参加する連合運動会で行われていて、給食の時間のときにも堺っ子体操の映像が流されているようです。市外や府外で堺市民が集まると、皆で堺っ子体操をすると聞いたことがあります。

渡邉 それはにぎやかで楽しいですね。最後に、市長が考えるスポーツに対する思いを教えてください。

竹山 柔道に「精力善用・自他共栄」という言葉があるように、スポーツには、いろんな意味で人間教育の作用があると思います。子どもをバランスのよい大人に育てるには、学力も大事ですし、目上の人や高齢者を敬う心を養う徳育も大切です。そして、体育で心身を鍛えて健康を保持していくことも重要です。子どもも、そして大人も、誰もがスポーツに親しめるまちづくりをこれからも推進していきたいと思います。

渡邉 今後も堺市のスポーツをもっと盛り上げていただき、南大阪に堺市あり、と全国にアピールしていただければと思います。本日は、ありがとうございました。

地域密着のバレーボールチーム 堺ブレイザーズ

日本製鐵八幡製鐵所バレーボール部、新日鐵バレー部を経て、2000年より堺ブレイザーズとして活動。2010/11 V・プレミアリーグ 男子優勝。地域密着のスポーツクラブとして、青少年健全育成活動や地域貢献活動に力を入れており、年に一度、ブレイザーズカップスポーツ大会を開催している。サポーターズクラブの会員数は現在約2,000。2010年9月に完成した本拠地の新日鐵堺体育館はバレーボール専用体育館で、床が二重構造になっており、クッション性が高い。建材として新日本製鐵の製品が使用されている。

地域貢献活動例

Jr.ブレイザーズ

堺・北九州・佐賀で展開するジュニアチーム。堺は通学する中学校に男子バレー部のない生徒を対象にクラブチームを結成し、活動している。

キッズバレーボールスクール

堺市内の各所で展開している小学生を対象としたバレーボールスクール。楽しい運動と個々の能力に応じた技術指導で健康と体力づくりを行う。また、スクール生を対象にチームを結成し、ブレイザーズキッズとして大会参加もしている。

ブレイザーズ柔道クラブ

2003年創設の柔道クラブは、柔道を通じて人格の形成と相互の親睦を図り、地域に根ざした柔道活動により、スポーツの振興・普及とコミュニティづくりを目指している。

スポーツによるまちづくり