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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

スポーツが市民の誇り・財産となる 栃木県宇都宮市 自転車がまちづくりの鍵 スポーツでつくる100年続くまち

宇都宮市は、アジア最高峰の自転車競技レース・ジャパンカップサイクルロードレースの開催地であり、公共交通網および地理的特徴から自転車を愛用する市民が多いまち。自転車が主役のまちづくりを推進することになった経緯と、佐藤市長が推進するスポーツによるまちづくり構想について聞いた。

栃木県宇都宮市とは 人口:513,369人(2011年11月1日現在) 特長:北関東の中核都市。自然豊かなまちである一方、優れた文化施設や工業団地、大学、研究機関など高度な都市機能を持つ。餃子が地域文化として根づいている。 宇都宮市のHPへ
  • 【前半】自転車のまち宇都宮市
  • 【後半】スポーツは誇り・財産である
スポーツと市民をつなぐ架け橋として

アジア最高峰の自転車競技レースを開催

佐藤栄一市長
渡邉:
「自転車のまち宇都宮」を推進することになったいきさつについてお聞かせください。
佐藤:
もともと宇都宮競輪場があり、それに加えて普段から自転車を利用する市民が多かったことがあります。宇都宮市は、関東平野のなかでも高低差があまりない地形です。通学や買い物など、市街も郊外も比較的自転車で走りやすい環境なのです。
 
1990年、世界選手権自転車競技大会が、宇都宮市で開催されました。そのロードレース部門のメモリアルとして、1992年に第1回ジャパンカップサイクルロードレースが開催されました。宇都宮市森林公園で行われたのですが、そのコース<がロードレースに適したコースであると好評を得て、2011年で第20回大会を数えるほど息の長い大会になりました。
宇都宮市の交通分担率 ※クリックすると拡大します

栃木県の地形 ※クリックすると拡大します

しかし、公園は市街地から離れた山の中です。初期の頃は、全国から自転車競技ファンの方が集まる一方で、市民は開催されていることすら知らないといった状況でした。開催には資金がかかるので、大会を継続するかどうか非常に悩みました。周囲からはもう止めた方がいいのではという声も上がるほどでした。
しかし私は、宇都宮市が全国に自慢できるものが必要だと考え、まずは市民に大会の魅力を感じてもらうにはどうすればよいか考えました。そこで、レースのスタート/ゴール地点を、市街地にしようと考え、警察の方をはじめ、関係者の方々と協議を進めました。
協議を開始した当時は、安全・安心を第一義とする警察の方々と、まちを活性化して良いまちをつくることを目的とする私たち宇都宮市の間で、良いまちは必ず安全・安心なまちであるという認識を共有しようというところから、話し合いを始めました。

ジャパンカップサイクルロードレース
ジャパンカップクリテリウム
渡邉:
当財団は東京マラソンの立ち上げに関わっていましたので分かりますが、道路使用許可を得るには相当なご苦労があったのではないかと思うのですが。
佐藤:
警察の方にも、本省との折衡を行っていただきましたので、非常に大変だったと思います。しかし、協議を進めている間に、ジャパンカップサイクルロードレースを、アジア最高位に昇格すると国際自転車競技連合(UCI)から直々に指名を受けたのです。それで一気に全国はもちろん世界からも注目される大会になりました。
ロードレースのスタート/ゴール地点を市内に移動することはできなかったのですが、その代わり、大会前日に大通りを封鎖して周回レースを行うことでまとまりました。2010年、ジャパンカップクリテリウムとして第1回大会を開催することができました。警察、交通事業者、地元の方々、競技関係者、市の職員、関係者の全員で力を合わせた結果です。高速レースを目の前で体感していただくことで、市民にとってジャパンカップそして自転車の競技レースそのものがぐっと身近になりました。
ジャパンカップ観客動員数の推移

自転車を活用したまちづくり

宮サイクルステーション
「自転車の駅」に設置されている工具
渡邉:
競技レース以外でも、自転車を活用したまちづくりを行っていらっしゃると伺っています。
佐藤:
自転車のまちというからには、自転車が安全・安心に乗れるまち、サイクリストにやさしいまちである必要があります。現在、市では、自転車レーンをはじめとした自転車走行空間の確保を進めているほか、2010年10月には宮サイクルステーションをJR宇都宮駅前に開設しました。今や、サイクリストの聖地であるわがまちには、週末になると市外から多くのサイクリストがやってきます。自転車の組み立てや修理ができるスペース、シャワーを浴びて着替えられるスペースを提供するために開設しました。さらに、2011年10月から、コンビニエンスストアや市民センターなどの市内16カ所を「自転車の駅」とし、簡単なメンテナンス道具を設置いただいています。今後は、36カ所に増やしていく予定です。
渡邉:
市民にとっての、交通手段としての自転車という点ではどのような取り組みをされていますか?
佐藤:
現在、市では公共交通や自転車交通の充実を図るべく、さまざまな交通戦略を立てています。ネットワーク型コンパクトシティという考え方なのですが、既存の公共交通のさらなる充実に加えて、中心地以外の地区でも、その地区に応じた交通の強化を図る取り組みです。そのなかで、市内を走る宇都宮環状線という道路を東西に横断するかたちで新交通システム(LRT)を走らせることを目指すとともに、さらに将来的には都内の山手線のように市内をぐるりと一周させる構想も必要だと考えています。その新交通システム(LRT)には、自転車を乗り入れることができる車両を作りたいと考えており、そうすれば、新交通システム(LRT)や電車、バスが通っていない場所にも移動しやすくなります。
つなげるつながるネットワーク化の促進 ※クリックすると拡大します

自転車による通勤風景
渡邉:
ヨーロッパの都市構想に近い発想ですね。
佐藤:
この交通戦略で目指しているのは、かっこいいまちづくりではなく、何歳になっても自分が行きたいところに移動しやすいまちづくりです。外出したり、歩いたり自転車に乗ったりすることは、健康に好影響を与えます。もちろん、誰もがいつまでも自転車に乗れるわけではないので、バスの路線などを充実させる施策も進めています。
 
ジャパンカップの開催や交通戦略にもとづく公共交通の充実、自転車施策の推進など、いずれの事業も宇都宮市の財政に見合った規模で行っています。財政を無視してやみくもに夢を語っているわけではありません。事業内容について市民からご意見をいただいたときには、話し合いの場を設けて市民の皆さんと一緒に理想のまちづくりについて考えていきたいと思っています。
自転車は日常生活の中で健康づくりができる乗り物
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