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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

序章 まちづくりとしてのスポーツ、市長の思いと次代への展望 大分県豊後高田市

2011.05.24
2011年、大分県豊後高田市は岩手県陸前高田市に物資や義援金を提供した。スポーツが生む絆を大切にし、さまざまなスポーツ事業に熱心に取り組む豊後高田市に、その狙いや思いを聞いた。

大分県豊後高田市とは 人口:24,336人(2011年4月末現在) 特長:仏教の町として歴史があり、国宝・富貴寺、熊野磨崖仏、真木大堂が有名。2001年から、地方都市再生の成功例として全国的に注目される。 豊後高田市のHPへ
  • 【前半】スポーツの立体的な取り組み
  • 【後半】最先端のまちづくり
スポーツの立体的な取り組み

チャレンジデー参加で目覚めたスポーツ熱

渡邉:

まちづくりにおいて、スポーツは欠かすことのできないファクターです。ましてや、3月の大震災から今まさに復興しようという街では、健康増進やコミュニティの活性化においてスポーツの役割は非常に大きいと私は考えています。チャレンジデーに3回出場しているほか、独自のスポーツ活動を推進している豊後高田市では、スポーツはどのような位置づけなのでしょうか。

永松:

私どもがスポーツによるまちづくりに目覚めたのは、チャレンジデーがきっかけです。初めて参加したとき、高齢者も子どもたちも含めた市民全員が参加できる素晴らしいイベントだと感動しました。こうした活動をずっと続けていきたいと思っていたところ、「当市でもチャレンジ週間をやりませんか?」と市の職員から声があがったのです。
チャレンジ週間を実施したところ、とても評判が良かったので、今度は10月をチャレンジ月間にしようということになりました。正規のチャレンジデーと同じように、自治会に参加登録してもらい、自治会間で参加率などを競いました。参加率の高い自治会への表彰状の授与も実施しました。

渡邉:

本来は年に一度行われるチャレンジデーを独自に増やして、市民の健康増進を図られた。積極的で、とても素晴らしいですね。

永松:

チャレンジデーではさまざまな種目を行いますが、中心は手軽にできるラジオ体操とウオーキングです。ラジオ体操は、市内30カ所に設置してあるスピーカーでラジオ体操の音楽を流します。既にそういった設備面が整備されていることもあり、市内全域にラジオ体操クラブをつくることになったのです。豊後高田市には、約160の自治会があるのですが、現在はそのうち40自治会計650人の市民の方がそれぞれの地域でラジオ体操を行っています。ラジオ体操に加えてウオーキングを普及するために、市役所では健康づくりを推進する係を設立しました。
広々とした芝生がある中央公園では、毎朝自動的にラジオ体操の音楽が流れます。中央公園には、思い切って約5億円を投じ、さまざまな設備を整えました。今年からチャレンジデーの中心施設にする予定です。私が住んでいる地区グループは、92歳のご夫婦と89歳のご夫婦2組を含めた20名です。現在は気候の関係もあり7名の参加ですが、気候が良くなれば、皆さんが参加します。ラジオ体操を行わないのは、1年のうち10日間程度です。私が参加すると「市長、あれはどげなるんかい」と市政に関する質問をされたりして、貴重な意見交換の場にもなっています。

渡邉:

ラジオ体操ですと、夏休みには子どもたちの参加も増えるでしょうから、世代間交流の場にもなりますね。

永松:

コミュニケーションが活発に行われる場になればと思っています。チャレンジデーは、もっと広い意味での、交流も生みました。豊後高田市は、昨年のチャレンジデーで岩手県陸前高田市と対戦しました。チャレンジデー後も交流を続けていて、今年も対戦しましょうかという話を市長同士でしていた矢先に、東日本大震災が発生。早く支援物資を送りたいと思い、一週間という短期間で豊後高田市民に支援を募ったところ、10トントラックと4トントラック各1台分もの多くの支援物資が集まりました。さらに、約20名のボランティアにも現地に向かってもらいました。

毎朝中央公園で行われるラジオ体操
渡邉:

チャレンジデーというのは、人づくりまちづくりはもちろんですが、そういった友好関係の構築にも役立っていることを聞くと非常に嬉しいです。

チャレンジデー参加率

2008年豊後高田市58.6% VS 岩手県大槌町58.3%
2009年豊後高田市62.4% VS 宮城県七ヶ浜町57.7%
2010年豊後高田市67.7% VS 岩手県陸前高田市64.6%
2011年豊後高田市69.1%

※2011年は対戦形式ではありません。

スポーツは、活力の証

ゲートボール大会
渡邉:

豊後高田市では、チャレンジデーとラジオ体操以外でのスポーツによるまちづくりも行っていらっしゃるのでしょうか?

永松:

県民体育大会という国体のミニ版のようなものが大分県でも開催されているのですが、豊後高田市は人口の少ない市ですから、成績はいつもビリの方だったんです。しかし、小さいからといって、どうにもならないわけではないと思い、選手の強化に力を入れました。近年では、ビリではなくそれなりに良い成績を残せるようになりました。良い成績は、豊後高田市の活力のアピールになります。「俺たちは小さいけれど、ここまでできたんだ」というアピールを、市民そして県全体の方たちにもできるのです。
また、県内一周駅伝の大きな大会もあるのですが、それもずっと最下位でした。そこで、隣の杵築市出身のマラソン選手、安部友恵さんを中学時代に指導した先生に来ていただき、豊後高田市の駅伝選手をきたえていただきました。さらに、大学トップレベルの選手を投入してチームを強化し、C部からB部へ定着しました。

渡邉:

競争要素のあるものですと、万年最下位では選手のモチベーションが上がりませんし、街の活性化にもつながらないですよね。

永松:

さらなる強化を図るために、市役所の職員採用において、スポーツ特別枠を設けるようにしました。スポーツ特別枠で採用した職員は、運動能力はもちろん気力もあるので、一般枠の採用のときにもスポーツ経験や実績をみるようになりましたね。

渡邉:

今、わが国では引退したスポーツ選手のキャリアトランジッションが課題になっています。そんななかで、スポーツ特別枠を設けていらっしゃるのは、プロスポーツ界に対する大きな貢献になります。豊後高田市では、チャレンジデーやラジオ体操といったすそ野の拡大と同時に、県総体や駅伝といった競技スポーツの強化も行っていて、立体的な取り組みに非常に感心しました。

市内の商店街と、昔ながらの車の展示

第53回県内一周大分合同駅伝競走大会成績(2010年)

順位都市名記録
1大分市20時間38分26秒
2別府市21時間22分15秒
3日田市21時間24分30秒
4豊後大野市21時間39分14秒
5佐伯市21時間40分00秒
6竹田市21時間46分26秒
7臼杵市21時間49分41秒
8玖珠郡21時間51分28秒
9由布市21時間58分14秒
10宇佐市21時間58分45秒
11豊後高田市22時間00分13秒
12国東市・東国東郡22時間32分13秒
13杵築市22時間35分50秒
14中津市22時間36分27秒
15速見郡22時間52分35秒
16津久見市23時間24分08秒
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