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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

  • 【前半】スポーツの立体的な取り組み
  • 【後半】最先端のまちづくり
最先端のまちづくり

「昭和の町」というブランドづくりで知名度アップ

渡邉:

まちづくりにおいて、市長が課題とされていることはありますか?

永松:

まず、豊後高田市が抱える深刻な問題に人口の減少があります。今の時代、人口を増やすのはとても困難ですが、あえてそれに挑戦しようと思っています。

渡邉:

どういった施策があるのですか?

永松:

豊後高田市には、国宝・富貴寺があります。年間約30万人の観光客が訪れるのですが、街中には来ていただけなかった。そこで、古き良き街並みを生かして、「昭和の町」づくりを遂行し、昭和の面影を残した建物を生かしながら、いくつか新しい店舗も開店させました。県内外にPRした結果、たくさんの人に来ていただけるようになりました。以前は、大分県のなかでも豊後高田市は認知度が高い街ではありませんでした。もちろん、全国的には無名の街でした。ところが今は、テレビや新聞でたくさん報道されましたので「昭和の町なら知ってる」と言っていただけるようになりました。そうすると、市民もわが街に自信と誇りを持つようになったのです。
豊後高田市には工業団地があるのですが、街の知名度が上がったことで、企業移転の候補地として見に来てくださる企業が増えました。「昭和の町というので名前を知り、来てみました。活気ある街ですね」という声もありました。現在では、工業団地に13企業約1,000名の従業員の方が働いています。
実は、大分県内で唯一豊後高田市だけ個人所得が上がっているのです。それは、企業誘致の影響だと考えています。

親子ヨガ教室
渡邉:

歴史、風土、文化といった地域資源を基盤にしながら、そのうえに人づくりや暮らしづくりが必要になってくるのだと思いますが、そういった面での取り組みはいかがでしょうか?

永松:

工業団地で働く約1,000名の半分は、豊後高田市出身ではありません。知り合いも、親せきもいない土地なので、子育ての不安解消や子育て支援を充実させるためにNPO法人を設立しました。役所からは資金面で支援しましたが、運営はできるだけお母さん方にお願いしています。自らで考えながらお互いに協力しあい、子育てしやすい環境を自分たちの手でつくっていただいています。私自身は、お子さんが生まれてから中学校を卒業するまで、豊後高田市が県内で一番過ごしやすいと思っています。

わが街一番の自慢は教職員と、市役所の職員たち

渡邉:

子どもたちに必要なのは、学力と体力だけではなく、人間力であるともいわれていますが、教育分野での取り組みはいかがですか?

永松:

昨年の全国模試の結果でみると、大分県は小学校が全国で40位、中学校が41位と低いです。しかし、豊後高田市の成績だけでみると、小学校は全国2位の県と同じ、中学校は全国4位の県と同じなんです。これは、教育委員会が必死になって学力の向上に取り組んでいるからです。市としても、2002年に「学びの21世紀塾」を開塾しました。「学びの21世紀塾」は、「いきいき土曜日事業」「わくわく体験活動事業」「のびのび放課後活動事業」の3つの取り組みを実施しています。「いきいき土曜日事業」では、毎月第1・3・5土曜日の午前中、英会話や算数を教える寺子屋講座と、パソコン講座を開講しています。
「いきいき土曜日事業」の一環として、市のケーブルテレビ(2010年末、加入率約88.6%)を利用して「テレビ寺子屋講座」を開講しています。「テレビ寺子屋講座」では、市内の中学校の先生に出演いただき、事前に配布された講座用プリントに基づいて授業を行っていただきます。学習塾に通わなくても、ケーブルテレビを見ながら自分で学習でき、受講料もかかりません。さらに、現場の教諭に出演いただくので、教諭自身の授業力アップやプレゼンテーション能力の向上につながることも期待しています。先生方は大変ですが、生徒や保護者の方からは好評です。私にとって、わが街の一番の自慢は教員の先生方と、我が市役所の職員たちです。
「わくわく体験活動事業」では、子どもたちの自主性、創造性、社会性を育むことを目的とした教室や、スポーツレクリエーション活動、宿泊体験スクールを実施しています。「のびのび放課後活動事業」では、放課後を利用して、少年野球、少女バレー、ソフトテニスなど31の登録団体がスポーツ活動を行っています。

渡邉:

ちなみに、生徒たちの部活動の加入率は何パーセントですか?

永松:

中学校では、ほとんどの生徒が部活動に所属しています。小学生は、市内のスポーツ少年団やさまざまなスポーツ団体に参加しています。学業の成績が上がるにつれて、スポーツで優秀な成績をおさめるようになってきました。特に、中学校の柔道部、空手道部、陸上部、水泳部が九州大会に出場し、柔道部と空手道部は全国大会にも出場しました。スポーツだけではいけませんから、中学校では先生にすぐ質問できるように職員室の前に机を設置し、クラブ活動後にそこで宿題をさせています。

渡邉:

まさに、文武両道ですね。それでは最後に、これからの展望を教えていただけますでしょうか。

永松:

私は、まず第一は市民の健康だと思っています。健康であれば楽しい人生を送れます。それにはやはり、ラジオ体操やウオーキングといった軽い運動が非常に重要です。豊後高田市では、高齢者のためのまちづくりも行っていて、高齢者のためのお店づくりをサポートしています。老人会にも協力してもらって、情報発信基地として活動してもらっています。いかに高齢者の方に家の外に出るきっかけをつくるかが課題なのですが、チャレンジデーとラジオ体操クラブは、コミュニケーションの場、世代間交流の場、そして健康づくりの場になっています。

渡邉:

今日のお話を聞いて、豊後高田市ではスポーツ振興における活動が多角的に行われていて、点と点が線になっている印象を受けました。さらに、総括的な街づくりという意味では、最先端だと思います。非常に高いポテンシャルを持つ街ですから、市長が目指す人口3万人構想も夢ではないと思います。

平成22年度全国学力・学習状況調査の比較

(平均正答率:パーセント)

調査対象学年小学校第6学年中学校第3学年
教科国語算数国語数学
主として知識
(A)
豊後高田市平均87.580.681.270.5
大分県平均82.173.375.162.4
全国平均83.574.475.264.8
主として活用
(B)
豊後高田市平均81.852.370.147.3
大分県平均76.348.064.942.2
全国平均78.049.665.543.5
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