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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

「日本オリンピックミュージアム」見学レポート

~オリンピックを“自分ごと化”する~

新国立競技場の目の前にある日本オリンピックミュージアム。コンセプトは「みんなのオリンピックミュージアム」。

2020年東京オリンピック・パラリンピック大会は、4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典です。楽しみ方は人それぞれでありますが、オリンピックとは何か?もしかすると自分に何かできることがあるのではないか?と、オリンピックをより身近に感じることができる施設です。

日本オリンピックミュージアム

日本オリンピックミュージアム

施設は、1FがWELCOME AREA(無料)、2FがEXHIBITION AREA(有料)。また屋外にMONUMENT AREAがあります。

■1F:WELCOME AREA

さまざまな視点でオリンピック・ムーブメントを発信しています。
エントランスを通ると、まず目に飛び込んでくるのが大型モニター「WELCOME VISION」。オリンピックの世界観を鮮やかに表現していますが、迫力あるアスリートの姿に気分が高揚する映像と、アスリートの動きの"影"に焦点を当てた、美しさに目を奪われる映像、2つのオリンピックの魅力を早速体感できます。

WELCOME VISION:迫力あるアスリートの姿

WELCOME VISION:迫力あるアスリートの姿

WELCOME VISION:アスリートの影

WELCOME VISION:アスリートの“影”

すぐ隣には、小中学生がワークショップで制作した、多数の五輪のオブジェが色鮮やかに並び、WELCOME VISIONとともに来場者を歓迎します。

奥に進むと右手には、オリンピックに関する教育や研究の拠点となる「OLYMPIC STUDY CENTER」があります。書籍が並びオリンピックの歴史などを学べ、ワークショップなども行われます。

小中学生が制作した五輪のオブジェ

小中学生が制作した五輪のオブジェ

ワークショップなどが開催される学びのスペース

ワークショップなどが開催される学びのスペース

なお、WELCOME AREAの天井や椅子で使用されている木材は、1964年の東京オリンピック大会に参加した各国の代表選手団が持ち寄った母国の木の種のうち、北海道遠軽町で育った樹木を利用しています。
こういった取り組みは、オリンピックの勝ち負けだけではない魅力であり、レガシーとも言えるはずです。

木の温かみに包まれたこの空間では、企画展のほか、オリンピアンが参加するイベントも開催されます。憧れのアスリートと触れ合える時間は、同施設の大きな特徴であり、来場者にとって特別な思い出になることでしょう。

1964年 東京大会ゆかりの木

1964年 東京大会ゆかりの木

■2F:EXHIBITION AREA

EXHIBITION AREAは有料で、入場料は500円ですが高校生以下は無料となっています。「オリンピックを知る、学ぶ、感じる、挑戦する、考える。」という目的のもと、多様なコンテンツが用意されています。

EXHIBITION AREAの第一歩は、「オリンピックってなんだろう?」というナレーションの問いかけから始まります。鮮やかな映像が展開され、オリンピックの歴史を分かりやすく説明するINTRODUCTIONは、続けて、大会の起源から人類最大の祭典になるまでのストーリーを教えてくれます。

古代ローマ時代に使用されていた円盤など貴重な展示のほか、女性のオリンピック参加者や参加国が増えていった変遷、オリンピックが時代時代で世界にどんな影響を及ぼしてきたかなどを、聴覚・視覚的に知ることができます。
そして、改めて「オリンピックができる平和と幸せ」ということを感じるはずです。

オリンピックの歴史を学べるINTRODUCTION

オリンピックの歴史を学べるINTRODUCTION

古代ギリシャ時代から始まるオリンピックの歴史

古代ギリシャ時代から始まるオリンピックの歴史

オリンピック参加国の変遷

オリンピック参加国の変遷

過去大会の聖火リレートーチ

過去大会の聖火リレートーチ

次に、日本人の挑戦にスポットをあてた「日本とオリンピック」コーナーがあります。ここでは、さまざまな資料・記録から、日本とオリンピックの関わり・歴史について学ぶことができます。

日本とオリンピックの関わり・歴史を学べる

日本とオリンピックの関わり・歴史を学べる

ウサイン・ボルト氏の歩幅。約2.4m。

ウサイン・ボルト氏の歩幅。約2.4m。

TRY(挑戦する)コーナー「オリンピックゲームス」では、競技に共通する動きを体験できます。何より、100mオリンピック記録保持者のウサイン・ボルト氏をはじめとした一流アスリートの歩幅とスピードや、アスリートの超人的な跳躍力などの、テレビで観る迫力と凄さを、興奮とともに体験できるコーナーとなっています。

オリンピアンの躍動や開会式の感動を臨場感あふれる映像と音響で体感する「オリンピックシアター」では、迫力の映像に圧倒されます。

驚愕するアスリートの跳躍力

驚愕するアスリートの跳躍力

臨場感あふれる映像と音響

臨場感あふれる映像と音響

ほかにも、オリンピアンのインタビューやエピソードからオリンピズムについて考える「オリンピズムストーリー」、パラリンピックに関する展示などがあり、最後に「あなたにとってオリンピックとは?」というゴールが待っています。
それぞれが思い、考えるオリンピックが存在するはずです。この日本オリンピックミュージアムは、本来の意義とともに、「自分ならでは」のオリンピックを考え、見つけることができる場所になるのではないでしょうか。

自分にとってのオリンピックとは何かを考えさせられる

自分にとってのオリンピックとは何かを考えさせられる

1964年東京大会聖火台レプリカ

1964年東京大会聖火台レプリカ

■屋外:MONUMENT AREA

オリンピック・ムーブメントを体験しレガシーを継承する広場です。
オリンピックシンボルに、オリンピック創設者、「近代オリンピックの父」と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン像、1964年東京大会聖火台レプリカなど、貴重な展示が目白押しです。

オリンピックの歴史、オリンピックが世界に与えた影響、日本の挑戦、アスリートの言葉などから、きっと今までとは違った視点でオリンピックを迎え、来たる2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に、それぞれの想いを胸に「参加」できるはずです。

日本オリンピックミュージアム

【施設概要】

施設名:日本オリンピックミュージアム

所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町4番2号 JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE 1・2F

アクセス:東京メトロ銀座線「外苑前駅」(3番出口)より徒歩約5分、都営大江戸線「国立競技場駅」(A2番出口)より徒歩約10分

電話番号:03-6910-5561

開館時間:10:00~17:00 (最終受付16:30)

休館日:月曜日(月曜が祝日または休日の場合、翌平日休館)他、年末年始及び展示替期間等

入場料:1F:無料/2F:一般500円、シニア(65歳以上)400円、高校生以下が無料

公式HP:日本オリンピックミュージアム https://japan-olympicmuseum.jp/jp/

スポーツ歴史の検証