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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

フィンスイミング

秒速3メートルのスピード。人をイルカに近づける水上・水中スポーツ

歴史と概要

フィンスイミングとは、文字どおり、足ヒレ(フィン)を装着して水面・水中を泳ぐことです。

フィンの歴史は、紀元前885年頃の古代アッシリア兵士のレリーフの中に、足ヒレらしきものを履き水中を移動している姿が描かれています。これが歴史上みられる最古の記録です。ルネッサンス期にはレオナルド・ダ・ビンチが「水掻き」を考案し、そのイラストが残っています。

フィンスイミングは1950年代に、スクーバ(SCUBA)ダイビングの発達とともに広がっていきました。ヨーロッパを中心に様々なフィンが考案され、競技会を通して改良が加えられました。1970年代には、旧ソビエトで考案された両足をそろえて履く「モノフィン」によって推進力は飛躍的に向上しました。このモノフィンの開発により競技会だけでなく、人間は水の世界でより一層、水生哺乳類に近づくことが可能になったのです。

フィンには、先に述べたモノフィン(両足をそろえて履く1枚フィン)とビーフィン(片足ずつ履く2枚フィン)があります。

ビーフィンは、簡単に楽しめる利便性と自由度の高い機動性が特徴です。初心者でもすぐに始められ、4泳法(クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ)のコンビネーションなら、推進力は30%アップするといわれています。ビーフィンは水中ゲームでは欠かせないフィンです。水中ホッケーや水中ラグビーではビーフィンしか使えません。

モノフィンは、イルカの尾びれのような形状をしています。泳ぎ方もイルカと同じように体全体をうねらせ、両手を前方に突き出して組み、抵抗を減らして泳ぎます。推進力はビーフィンよりはるかに大きく50mを14秒台、100mは33秒台で泳ぎきり、秒速3メートルを上回ります。まさにイルカか人魚です。

競技方法(フィンスイミングの種目)

●サーフィス(水面泳)
呼吸法としてスノーケル(長さ48センチ以内)の使用も可能です。スタート、ターン時を除き、身体の一部が水面から出ていなければなりませんが、腕のかき方は自由です(スタートおよびターン時の潜水は15mまで)。プールでの公認種目は50m、100m、200m、400m、800m、1500mがあります。

●アプニア(息止泳)
息を止めて一気に50m泳ぎます。顔を水面に出すことはできません。
競技は50mのみで行われます。

●イマージョン(水中泳)
スクーバ器材(空気ボンベ、レギュレーター使用)を使い水中でのスピードを競う競技です。顔を水面に出すことはできません。公認は100m、400m、800mの3種目です。

●ビーフィン競技
日本国内でフィンスイミング普及のため、大会等で実施されている競技。50m、100m、400m、1500mで争われます。国際競技としては認知されておらず、通常のサーフィス種目の範疇に含まれます。

●水中ラグビー
ビーフィンを履いて、飛び込み用に使われる水深のあるプール(3.4m~5m)で行われます。水中でのパスが可能なボールを使い、両端に置かれた網のゴールにボールを入れるというラグビーとバスケットを合わせたような水中ゲームです。息を止めていられる時間だけしかプレーができないので、息止め能力も要求されます。非常にエキサイティングなゲームで、世界選手権等の国際大会では水中映像を大型映像装置に映し出し、水中でのゲーム内容が観戦できるようになってきました。2年に一度、世界選手権が開催されています。

●水中ホッケー
こちらもビーフィンを履いて行う水中ゲーム。プールの両端にゴールを沈めて、小型の団扇(うちわ)のようなスティックを使い、プールの底でゴム製のパッドをパスしあってゴールを目指します。これも、息を止めている時間だけしかプレーができないので、息止め能力が要求されます。しかし、水深が浅く、足の立つところでも練習できるため、世界では急激に競技者人口が増えています。2年に一度、世界選手権が開催されています。

●水中ターゲットシューティング
フィンを履き、息を止めてプールに潜り水中銃で標的を撃ちます。撃ち終わったら矢を抜いて元の位置まで潜って帰ってこなければなりません。水中バイアスロンのようなゲームですが、世界中に大勢の愛好者がいます。世界選手権は2年に一度開催されています。フィンはビーフィン、モノフィンを問いません。

●オープンウォーター・ロングディスタンス
海・川・湖などでの競泳です。モノフィン、ビーフィンを問わず人気のある競技です。公認種目は男女ともロングディスタンス6kmと20km、それに2km×4人のリレー種目があります。このロングディスタンスも2年に一度、世界選手権が行われています。

●水中オリエンテーリング
スクーバ器材を装着し、コンパス・測量機などを使用して、水中に設定されたポイントをオリエンテーリング競技のように、いかに短い時間で周り終えるかを競うゲームです。非常に知的な競技のわりに、安全のために体に結び付けられたブイ状の浮きが、水面をちょこまかと動き回る様はコケティッシュで、観ていても大変楽しめる競技になっています。これも2年に一度、世界選手権が開催されています。

お問い合わせ先

一般社団法人 日本水中スポーツ連盟