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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

パドルテニス

大人から子どもまで、誰もが安全に楽しめる生涯スポーツ

パドルテニスの歴史・発祥

パドルテニス発祥地のアメリカは、100年以上の非常に長い歴史をもつ。1898年、ミシガン州で親と一緒にテニスクラブに来た子どものために、コートを二等分して遊ばせたことが始まりとされている。現在のアメリカでは、西海岸地区で特に盛んにプレーされているが、パドルを使用する他競技(卓球やビーチテニスなど)と区別するために、パドルテニスを「ポップテニス」という競技名に変更し、普及しようとつとめている。また、ヨーロッパやアジアの一部でも行われ、かの豪華客船クイーンエリザベス号や飛鳥Ⅱにもパドルテニスコートがあることで、世界的に知られるようになってきている。

日本国内では1975年頃から導入され始め、1979年の日本パドルテニス協会設立以降、パドルテニスという特化した競技名で知られている。現在は、財団法人日本レクリエーション協会の加盟団体として、全国大会の主催、パドルテニス教室や指導者講習会・検定会の開催などの普及活動に力を入れている。そのため、2018年現在、競技人口は日本全国で約6万人といわれており、年々その輪が広がってきている。

パドルテニスの概要

パドルテニスは、サッカーに対するフットサルのような、テニスの縮小版スポーツ。テニスを小さくアレンジした競技は数多く存在するが、板状のラケット(パドル)やフェルト付きの柔らかいボールを使用すること、コートがテニスの約1/3であることなど、いくつかの点を除き、基本技術やルールはほとんどテニスと同様。万人に親しみやすく、しかも安全なラケットスポーツである。

パドルテニスのルールはシンプル。パドルというラケットで、ネットで仕切られた相手コートにボールを入れ合い、勝負を競い合う。最近では、体育館にバドミントンコートがあればパドルテニスコートを簡単に設営することができることから、体育の授業に取り入れる学校や、体験パドルテニス教室をきっかけにサークルができる大学なども増えてきている。

パドルテニスのルール

①コインやパドルを回してトスを行い、サーバー・レシーバーとエンドを決める。

②通常の試合方法の場合、第1ポイントはサーバーが右サイド(デュース)コートの後ろからサービスを行い、その後は1ポイントごとに左サイド(アドバンテージ)と右コートの後ろから交互に行う。1ゲームが終了するまでは、同じプレーヤーがサービスを行う。

③コート内にボールが正しく入らなければ、相手のポイントとなる。

・レシーブの場合のみ、必ずボールをバウンドさせてから打たなければならないが、レシーブ以外はノーバウンドでも打てる。
・ダブルスの場合、パートナーとのレシーブサイドは、同一セット内で変えてはならない。
・レシーバーがサーブを返球した後は、どちらのプレーヤーが返球してもよい。
・ラインに触れたボールは、コート内に正しく入ったものとみなす。
・テニスと同様、ポイント ⇒ ゲーム ⇒ セット ⇒ マッチ(試合)という構成。

パドルテニスのコート・用具

バドミントンコートを利用してコートをつくることができる。ネットの高さは78.7cm。たるみがあっても中央部で76.2cm以上が必要である。
ベースラインから4.5m、サイドラインから3.3m以上のスペースを確保しなければいけない。

パドルテニスの現在とこれから

現在、登録会員の最高齢は101歳。毎年、元気に大会にも参加されている。パドルテニスは、地域における生涯スポーツ・レクリエーションとして普及しているため、そのほとんどの活動場所は、それぞれの地域の学校体育館開放や市町村が運営する体育館やスポーツセンターなどだ。

地域の友人や婦人会、シニア仲間のサークルといったグループや団体で取り組むケースが多いが、なかには職場や家族単位で楽しんでいる人もいる。また、三世代にわたる家族ぐるみで総合型地域スポーツクラブに入会し、家族や地域社会とのコミュニケーションの場として役立てている人もいるという。

パドルテニスは、生涯スポーツの1つとして、これからも日本の地域社会で普及・発展していくことだろう。

公式サイト

日本パドルテニス協会