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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

サイクルサッカー

スピーディーでトリッキーなボールコントロールによる、自転車の格闘技

サイクルサッカーの歴史・沿革

サイクルサッカーの歴史・沿革

「サイクルサッカー」は自転車に乗って行うサッカーで、元になったのは、1891年頃、アイルランドで自転車愛好家たちがポニー(馬)を使った「ポロ」競技から考案した「サイクル・ポロ競技」と言われている。1897年にはイギリスで「サイクル・ポロ協会」が発足。第一次世界大戦による消滅を経て、1929年に「サイクル・ポロ協会」が再設立後、イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ、フランス、ドイツに広まり、国際試合も始まり、本格的にサイクルサッカーの普及が始まった。

英語ではサイクルボール、ドイツ語ではラドバルと呼ばれている。1チーム2人制の屋内競技と5人制の屋外競技がある。

片手で自転車に乗り、スティックでボールを操る面白さは、より高レベルな自転車の乗りこなしとスピードを求めたサイクリストにより、「芝サイクル・フットボール」へと発展。ドイツ、フランス、ベルギーなどにも広がり、1930年には「芝地サイクルボール」として競技規則が制定された。

普及が進む中で、芝の上での自転車操作は天候に左右されやすいことから、室内でも練習されるようになった。制約された狭い空間での少人数による攻防練習は、室内でしか味わえないスピードのある細やかなプレーを生み出し、「室内2人制サイクルボール」が考案された。時代の流れの中で発展してきたサイクルサッカー。近年の競技人口は世界約20カ国で約2万人以上となっている。

サイクルサッカーの日本での歴史をみると、全国で約200チーム・競技人口約500名程が活動しているといわれているが、その歴史は1957年、日本学生自転車競技連盟によるサイクルボールの普及活動に始まる。1967年には日本自転車競技連盟内にサイクルサッカー開発研究委員会が発足。「サイクルサッカー」という名称は、サイクルボールの競技様式が日本でもなじみのあるサッカーに似ていることから日本独自の競技名として名付けられている。1チーム2人制の屋内競技が日本では主流である。

国内初の大会開催は1969年、東西8大学が参加した「全日本大学サイクルサッカー選手権大会」。2001年には世界選手権大会(鹿児島県加世田市)、2002年にアジア選手権大会(千葉県沼南町)など国際大会も多数開催され、認知度も高まっていった。また、日本代表チームは世界選手権大会に1972年大会から毎年出場し、2007年にAグループに初昇格、2008年はAグループ(世界上位6カ国)で5位という結果だった。これは、名実ともに日本のレベルの向上を証明した。

サイクルサッカーの概要

サイクルサッカーは、2人制の屋内競技と5人制の屋外競技があり、日本で主に行われているのは、2人制の屋内競技。競技で使用される自転車は、ブレーキがなく、固定ギアなので、後ろにこげばバックも可能。鹿の角に似たハンドルは360度回転し、素早いターンや鋭いシュートを打てるように設計されている。

サイクルサッカーのルール

基本的なルールはサッカーとほぼ同じだが、競技時間は7分ハーフの合計14分と非常に短い。コートの広さは長さ14m幅11mで、コートの周囲はフェンスで囲まれている。ボールは直径17~18cm、重さ500~600gの布製で中にパンヤ綿などを詰めて、あまり弾まないように作られている。

【試合時間】
前半7分:休憩2分:後半7分

【試合方法】
・主審のコイントス、または、ジャンケン等で先攻チームを決める。
・プレーはセンターマーク上に置かれたボールを、主審の合図(ホイッスル)で先攻側の1人がボールをキックして始まる。
・プレー中はハンドルから手を、ペダルから足を離してはいけない。
・自陣のペナルティーエリア内に前後輪とも入っているときは、キーパーとして自由に手が使え、パンチングやキャッチもできる。
・ペナルティーエリア内に同時に2人が入ると反則となる。
・転倒、または足がペダルから離れて床に着くと、落車と見なされ、プレーを続けると反則となる。
・その他のルールは普通のサッカーとほぼ同じ。

【競技資格の回復】
落車した選手は、自陣のエンドラインまで後退し、ライン外の床へ車輪を出すことで再びプレーに戻ることができる。

【反則となる行為】
特に難しいものはなく、相手を押す、押さえる、危険な行為、大声を出す、などが反則となる。

【フリーキック】
ペナルティーエリア外での反則に対して相手側に与えられる。その場合、反則をとられたチームの競技者は、ボールから4m以上離れていなければならない。

【ペナルティーキック】
次のような重大な反則に対して課せられ、反則を受けたチームが直接ゴールを狙ってキックできる。
1・自陣のペナルティーエリア内で反則を行ったとき。
2・自陣のペナルティーエリア外でも重大な反則を起こしたとき
(例:自転車から離れて相手のプレーを妨害したり、ボール制したりすること。自転車を投げつけるなどの危険な行為、他)

【コーナーキック】
普通のサッカーとほぼ同様に行われるが、ボールを置く位置が少し異なる。

サイクルサッカーのコート・用具

【サイクルサッカー用自転車】
特徴として、ハンドルの形状は上向きで、サドル位置も一般の自転車に比べてはるか後方にあり、前輪を持ち上げてキックやシュートがしやすく設計されている。また、前後のギア比はほとんど同じになっている。

【競技用コート】
試合中、ボールが外に出ないようにコートの外周に専用のフェンスを設置する。高さは30㎝、角度は60度。

公式サイト

日本室内自転車競技連盟