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国際情報
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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

アメリカンフットボール

球技と格闘技の要素を兼ね備え、情報戦略が勝敗を決する「ファイナルスポーツ」

歴史と沿革

イギリスで、イングランドサッカー協会(1863年)やラグビー・フットボール・ユニオン(1871年)が設立された頃、アメリカの大学でも独自のルールでフットボールが盛んに行われていました。1869年11月3日、プリンストン大学とラトガーズ大学が行った試合を契機に大学間で対抗戦が盛んに行われるようになり、ルールを統一する動きが生まれました。1882年、エール大学の主将であったウォルター・キャンプが、選手数を11名とすること、スクリメージライン(*1)の規定、フィールドの長さを110ヤードとすること、さらにはアメリカンフットボール最大の特徴である「ダウン」のルール導入を提案しました。これは、3回の攻撃(ダウン)で5ヤード前進しないと攻撃権を失う(後に、「4回の攻撃で10ヤード」に変更)というものです。このルール改革でアメリカンフットボールの原型ができあがり、ウォールター・キャンプは「アメリカンフットボールの父」と呼ばれています。

日本におけるアメリカンフットボールの起源は1934年にさかのぼります。10月28日、立教大学、明治大学、早稲田大学にチームが結成され、立教大学教授ポール・ラッシュ氏を中心に東京学生連盟が設立され、11月29日に日本で初めてのアメリカンフットボールの試合が20,000人の観客を集めて行われました。前述の3大学から選抜された日本チームが横浜カントリーアンドアスレッチククラブと対戦し、26対0で日本チームが勝利をおさめました。12月には、日本で最初の大学リーグ戦(東京学生リーグ)が開催され、関西では1935年に関西大学にチームが誕生しました。

第二次世界大戦後、大学を中心にチームが増え、現在では学生と社会人を合わせて約400チームが活動しているほか、プライベートチーム(同好会チームなど)を含めるとフットボール人口は30,000人を超えると言われています。

  • (*1)スクリメージライン : 各ダウン(4回の攻撃権のそれぞれ)の攻撃開始地点を示す仮想の線。正確にはセットされたボールの先端を通り、ゴールラインと平行に両サイドラインを結ぶ(フィールドを横切る)線。

競技方法

ここでは、アメリカフットボールの競技方法の基本をご紹介します。アメリカンフットボールは、ラグビーと野球を合わせたようなスポーツといえます。

楕円形のボールを使い、2チームが陣取り合戦をしながら試合を進める形式はラグビーに似ていますが、ラグビーでは反則となる、ボールを前方に投げる「フォワードパス」がアメリカンフットボールでは認められています。

また、攻守交替の方法は野球に似ています。つまり、野球の場合は攻撃側に3回の攻撃権(バッティング)が与えられ、3アウトで相手チームに攻撃権が移動しますが、アメリカンフットボールも攻撃側に4回の攻撃権(ダウン)が保証され、4回の攻撃中にボールを10ヤード進めることができないと相手側に攻撃権が移動します。

逆にもし、4回の攻撃中に10ヤード以上前進することができれば、新たに4回の攻撃権が与えられます。これを「ダウンの更新」といいます。このようにして徐々にボールを進め、相手チームのエンドゾーンにボールを持ち込むと「タッチダウン」となり、得点(6点)が与えられます。

一方、守備側はタックルやインターセプト(攻撃側が投げたボールを空中でキャッチする)などによって、攻撃側がボールを前に進めることを阻止します。

ルール

試合時間は4つのクォーターに分かれており、1クォーター15分で合計60分です。ただし、フォワードパス不成功、アウト・オブ・バウンズ(*2)、反則発生などで時計が止まるため、実際の試合時間は2時間半から3時間程度になります。競技大会によっては1クォーター12分で試合をすることもあります。

激しくぶつかっても怪我をしないようにヘルメットなどの防具をつけているので、「誰でもタックルしていい」と誤解されがちですが、タックルしていいのはボールを持っている選手に対してだけで、相手にぶつかる「ブロック」では相手をつかんだりしてはいけません。選手の安全を確保するために多くのルールが設定されており、ルールは毎年変更されます。また、フィールド上では7人の審判が22人の選手の行動を注意深く見守っているのも大きな特徴の一つです。

*ルールの詳細についてはルールブックをご参照ください。

  • (*2)アウト・オブ・バウンズ : ボールまたはボールを持った選手がフィールドの外に出ること。

道具・コートなど

フィールドのサイズは縦方向が120ヤード(約110m)、横方向が160フィート(約49m)の細長い長方形。エンドゾーンにボールを持って入ればタッチダウンとなります。

激しい衝突から身を守るため、ヘルメット、ショルダーパッド、腰・腿・膝を守るパッド類を身につけて試合をします。

お問い合わせ先

社団法人 日本アメリカンフットボール協会
〒140-0001 東京都品川区北品川1-6-1 舟正ビル2F
TEL:03-3450-9360 FAX:03-3450-9361