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国際情報
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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

ジョイアスロン

“競わない” 楽みながら健康増進を図る市民スポーツ

ジョイアスロンの歴史・沿革

ジョイアスロンの歴史・沿革

まず、ジョイアスロンとはなにか。ジョイアスロンは、「トライアスロン」の「3」を意味する「トライ」を、「Try (挑む)」と読み替え、それを「Joy (楽しみ)」にしたスポーツである。具体的には、ウォーキング・サイクリング・スイミング(スイムウォーク)の3種目を実施する。競うという概念がなく、あくまで遊び・楽しみながら健康のために行う。そのため、年齢・性別に関係なくだれでも楽しめる。

その歴史をみると、1968年のドイツに原型がある。「勝ち負けを競わないスポーツ=市民スポーツ」の推進団体である国際市民スポーツ連盟(International Volkssport Verband,略称IVV)が、ウオーキング・水泳(水中ウオーキング)・サイクリング・歩くスキーの4種目で、世界共通の個人記録の認定(回数と合計距離)を行っている。

国際市民スポーツの認定種目である「スイミング」と「サイクリング」がトライアスロンと重なり、「ウオーキング」がランニングにおきかえられることで、「タイムや記録を競わずに、それぞれを楽しむ3種目」としてジョイアスロンは誕生した。

日本では、1993年に日本市民スポーツ連盟が組織され、アジアで初めてIVVに加盟した。日本市民スポーツ連盟が国内の行事や個人記録の認定を行っている。近年はアジア大会も開催。普及が海外に及び、ジョイアスロンは市民スポーツとして認知度を高めている。

ジョイアスロンの概要

ジョイアスロンの概要

基本的に、ウオーキング10km、水泳300m、サイクリング25kmとなっているが、タイムの測定や順位付けは行わない。ここにジョイアスロン最大の魅力がある。タイム測定や競うことがないからこそ、自然とのふれあい、四季の変化の体感など、それぞれの楽しみを目的に参加できる。知らない街のウォーキングは、観光気分になり、より楽しみ甲斐がある。また、参加者は、自分の好きなスポーツ、距離、ペースを自由に選ぶことができる。

記録や順位の表彰はなく、代わりに参加通算回数を顕彰するなど、「競わない・誰でも楽しめる」点に重点が置かれることから、普段運動習慣のない方や高齢者、家族で楽しみたい方などから支持されている。

こういった、競わないスポーツが及ぼす様々な楽しみ方があり、かつ気軽に参加できる点もあり、長続きが可能になっている。

ジョイアスロンのルール

ジョイアスロンは前述通り、タイム測定も順位もない。そのため、会場や参加年齢によって距離の変更にも柔軟性を持って対応し、競技としての決まりごとより、「無理をせず、楽しむこと」「季節や風景、参加者同士のふれあい」に重点がおかれている。

ウオーキング大会に併催されることも多い。2009年には富士山麓で行われた「第11回IVVオリンピアード(23ヶ国から、4日間でのべ26,401人が参加)」でも開催されたように、大規模ウォーキング大会でも併催される。