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研究レポート

平成29年度 スポーツ庁 『地域における障害者スポーツ普及促進事業(障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究)』 報告書

2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を成功に導き、日本各地において障害の有無にかかわらずスポーツを行うことができる社会を実現するためには、地域における障害者スポーツの普及促進が喫緊の課題となっている。しかしながら、現在、障害者(成人)の週一日以上のスポーツ実施率が19.2%にとどまり、各地域においても、スポーツ施策として障害者スポーツに取り組むための方策や体制等は、必ずしも十分な状況ではない。本事業では、地域において障害者が継続的にスポーツに参加できる環境の整備を促進するため、障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究を実施する。

主な調査結果

  • 週1日以上のスポーツ・レクリエーションの実施率は、7~19歳が29.6%、成人が20.8%。成人の運動・スポーツ実施率は18.2%(平成25年度調査)、19.2%(平成27年度)、20.8%(本調査)と微増。非実施率は58.2%(平成25年度)、60.2%(平成27年度)58.9%(本調査)で推移。
  • 過去1年間に実施したスポーツ・レクリエーションの上位種目は、7~19歳が「水泳」、「散歩(ぶらぶら歩き)」、「体操」、成人が「散歩(ぶらぶら歩き)」、「ウォーキング」、「水泳」
  • スポーツ・レクリエーションを行う主な施設は、公共スポーツ施設の体育館、プール(屋内)、グラウンド
  • 半数の障害児・者がスポーツ・レクリエーションに関心がない
    障害者のスポーツ・レクリエーションに関心がない割合は、48.7%(平成25年度)、51.9%(平成27年度)、51.5%(本調査)であり、約半数が無関心である。

■研究担当者コメント

障害のある成人の週 1 日以上の運動・スポーツ実施率は、平成25年度から微増であった。スポーツする施設は、障害種問わず、公共スポーツ施設(体育館・グラウンド・屋内プール)や通所介護施設、通所リハビリ施設、病院、自宅などの利用が多かった。

今後、障害児・者の日常生活の拠点となる児童発達支援センター、放課後等デイサービス施設、通所介護施設、通所リハビリ施設などを会場として、地域の障害者スポーツ協会と協働して身体を動かすプログラムを開発・提供、さらには自治体で導入している健康マイレージ制度や貯筋運動プロジェクト等と連動して、楽しく身体を動かす仕組みづくりを提案したい。加えて地域の障害者スポーツ協会には、既存事業・体制の活用、地域の福祉団体・組織とスポーツ団体・組織をつなぐ役割を期待したい。

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 主任研究員 小淵和也】

【主な調査結果】

  ① 過去1年間にスポーツ・レクリエーションを行った日数

  過去1年間にスポーツ・レクリエーションを行った日数について、7~19歳と成人に分けて集計した。7~19歳では、「週に3日以上」が13.2%、「週に1~2日」が16.4%と、週1日以上の実施者が29.6%であるのに対して、「行っていない」が約4割であった。成人では、「週に3日以上」と「週に1~2日」を合わせた週1日以上の実施者が20.8%、「行っていない」が約6割を占めた。 詳細:図表1(報告書 p.20「図表1-18」)

  スポーツ庁が全国の18歳以上を対象に実施している「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(平成29年度)では、週1日以上の実施者は51.5%となっており、障害者のスポーツ実施頻度が低いことが分かる。また、平成27年度調査では、週1日以上の実施者は7~19歳が31.5%、成人が19.2%だった。

図表1 過去1年間にスポーツ・レクリエーションを行った日数(報告書 p.20 「図表1-18」)

図表1 過去1年間にスポーツ・レクリエーションを行った日数

注)スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(平成29年度):全国18~79歳の男女が対象。

  ②現在のスポーツ・レクリエーションへの取組

  現在のスポーツ・レクリエーションへの取組については、「特にスポーツ・レクリエーションに関心はない」(51.5%)が最も多く、次いで「スポーツ・レクリエーションを行いたいと思うができない」(18.8%)であった。 詳細:図表2(報告書 p.40 「図表1-39」)


  「スポーツ・レクリエーションを行っており、満足している」のは14.9%であった。笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」(2012)と比較すると、「特にスポーツ・レクリエーションに関心はない」無関心層が多かった。過去1年間のスポーツ・レクリエーションの実施有無別に見ると、非実施者において、「特にスポーツ・レクリエーションに関心はない」無関心層が 81.7%となり、実施者の約4倍の無関心層がいた 詳細:図表3(報告書 p.40 「図表1-40」)

図表2 現在のスポーツ・レクリエーションへの取組(報告書 p.40 「図表1-39」)

図表2 現在のスポーツ・レクリエーションへの取組 報告書p.40「図表1-39」

注1) スポーツ・レクリエーションへの意識に関する設問のため、対象を回答者本人が障害児・者である場合に限定した。
注2) 笹川スポーツ財団「スポーツライフ・データ」(2012):成人を対象とした全国調査。


図表3 現在のスポーツ・レクリエーションへの取組(スポーツ・レクリエーションの実施有無別)(報告書 p.40 「図表1-40」)

図表3 現在のスポーツ・レクリエーションへの取組(スポーツ・レクリエーションの実施有無別)

注1) スポーツ・レクリエーションへの意識に関する設問のため、対象を回答者本人が障害児・者である場合に限定した。
注2) 非実施者の中に、「スポーツ・レクリエーションを行っており、満足している」「スポーツを行っているが、もっと行いたい」と 回答した人がいる。
矛盾した回答であるが、比較の参考として、そのまま掲載した。

平成29年度 スポーツ庁『地域における障害者スポーツ普及促進事業(障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究)』

  • 調査期間
    2017年9月
  • 調査方法
    無記名式のインターネット調査
  • 調査対象
    ・障害児・者本人あるいは同居する家族で障害児・者がいる
    ・障害児がいる場合、7歳以上である
  • 回 収 数
    回答者5,909人、回答者及び同居家族内障害児・者総数8,094人
  • 調査内容
    (1)障害児・者のスポーツライフに関する調査
    全国の障害者及び障害者を家族にもつ方々を対象に、障害に関する基本情報、スポーツ・レクリエーション活動実施状況(実施種目、頻度、目的)、スポーツ実施における障壁、今後行いたいと思うスポーツ・レクレーション、スポーツクラブや同好会・サークルへの加入、過去1年間のスポーツ観戦などの実態を調査

    (2)障害のある人とない人が一緒に行うスポーツ大会に関する調査
    障害のある人とない人が一緒に参加できる地域のスポーツ大会の開催状況と運営体制の実態を調査
スポーツ庁『地域における障害者スポーツ普及促進事業(障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究)』
全文(PDF:2.93MB)
目次
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  • Ⅰ. 調査概要

    • 1 事業の目的

    • 2 調査の内容

    • 3 事業の実施体制

  • Ⅱ. 調査報告

    • (1)障害児・者のスポーツライフに関する調査

      • 主な調査結果

      • 1)調査概要

      • 2)調査結果(インターネット調査)

    • (2)障害のある人とない人が一緒に行うスポーツ大会に関する調査

      • 1)調査概要

      • 2)調査結果(ヒアリング調査)

      • 3)調査結果(海外事例)

      • 4)調査結果(大会一覧)

  • Ⅲ. まとめと考察

  • Ⅳ. 参考文献・付録

注)「しょうがい」の用語は、「障がい」「障碍」などがあるが、本報告書では、法律上の「障害」を使用した。

  • 著作権者
    スポーツ庁 健康スポーツ課 障害者スポーツ振興室
    (問合せ先)〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
    TEL 03-5253-4111(代表)
  • 発行元
    公益財団法人 笹川スポーツ財団
    〒107-6011 東京都港区赤坂1-2-2
    TEL 03-6229-5300

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