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国際情報
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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

第2章 検証と問題提起 ~5.種目別スポーツ実施状況の分析~

国民が生涯を通じて、それぞれが望むかたちでスポーツを楽しみ、幸福を感じられる社会の形成

近年の運動・スポーツ実施率の増加傾向が、ウォーキングを中心とした運動・エクササイズ系種目によってささえられていることをデータに基づいて示した。一方で、オリンピックの実施種目に代表される近代スポーツ(競技系スポーツ種目)の実施率の推移をみると、サッカーなど一部の種目を除き、年1回以上の実施率、週1回以上の実施率ともに横ばいか減少傾向にあることが過去10年間の調査の二次分析から明らかになった(図表2-4)。

図表2-4 成人の種目別スポーツ実施率の推移(2000~2010)

図表2-4

注)週1回以上の実施率上位20種目の中から、(公財)日本オリンピック委員会加盟団体の4種目を抽出

SSF「スポーツ活動に関する全国調査」(2000~2010)より作成

これは、「スポーツ振興基本計画」(2000)に基づいて国や地方自治体が進めてきたスポーツ政策が、運動・エクササイズ系種目の普及に貢献した一方で、スポーツ種目を底上げするまでには至らなかったことを示すデータとも読み取れる。

図表2-5は主な競技系スポーツの種目別実施率を実施頻度別にみたものである。年1回以上の実施率上位5種目は「ボウリング」「ゴルフ(コース)」「水泳」「バドミントン」「登山」であるのに対し、月2回(年24回)以上では「水泳」「ゴルフ(コース)」「テニス(硬式テニス)」「サッカー」「野球」となり、さらに週1回以上では、「水泳」「テニス(硬式テニス)」「バレーボール」「野球」「サッカー」へと変動する。不定期な参加者が多いボウリングや登山、実施者の半数以上が月2回以上の頻度で行っているテニスやバレーボールなど、種目ごとに特徴がみられる。これらの競技系スポーツ種目を週1回以上実施するのは、現在の労働環境やスポーツ施設整備状況を考えると簡単なことではなく、種目によって「定期的」の目安となる実施頻度は異なると考えられる。

図表2-5 成人の種目別スポーツ実施率(2010)

図表2-5

注1)年1回以上の実施率上位30種目の中から、(公財)日本オリンピック委員会加盟団体の12種目を抽出
注2)ゴルフは(コース)と(練習場)に分けて調査しているが、「ゴルフ(コース)」の実施者のみを掲載
SSF「スポーツ活動に関する全国調査」(2010)より作成

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