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国際情報
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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

第2章 検証と問題提起 ~6.スポーツ振興策は「量から質へ」~

国民が生涯を通じて、それぞれが望むかたちでスポーツを楽しみ、幸福を感じられる社会の形成

SSFは『週2回以上、1回30分以上、主観的運動強度「ややきつい」以上』の運動・スポーツ実施者を「アクティブ・スポーツ人口」と定義し、この割合をわが国のスポーツ振興の指標のひとつとして提示してきた。また、文部科学省はスポーツ振興基本計画において週1回以上のスポーツ実施率を、さらに「スポーツ立国戦略」(2010)からは週1回以上と週3回以上のスポーツ実施率の向上を政策目標としている。

しかし、SSF調査の二次分析は、運動・スポーツの実施頻度を高めることを目指してきた現在のスポーツ振興策を支持する結果を提示していない。健康・体力づくりの面からは、ウォーキングや体操などの運動・エクササイズを定期的に実施する人が増えることは望ましいが、週1回には満たない頻度で競技系スポーツを楽しみ、満足している層の実施頻度を高めることは、最優先のスポーツ振興策ではないだろう。多くの国民にとっての豊かなスポーツライフが、「競技系のスポーツを楽しみながら、健康のための運動を織り交ぜて週1回以上の実施頻度を維持する」といった定型に都合よくはまるとは考えにくい。「量から質へ」、わが国のスポーツ振興策は方向転換が必要な時期にきているのではないだろうか。

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