本文へスキップします。

研究レポート

わが国のスポーツ予算の検証
~スポーツ予算とスポーツ基本計画~

本研究では、国が担うスポーツ政策全体の現状を把握、整理することを目的とし、次の3点から報告書を作成した。1点目は、国はどのような事業をどの程度の予算で実施しているのかについて過去3年度分を網羅的に把握している。2点目は、スポーツ基本計画に記載されたすべての具体的施策展開について、2014年度時点で国が実施しているどの事業が該当するのかについて確認している。3点目は、2017年頃に予定されているスポーツ基本計画の見直しに向けて、目標値や実態調査、特徴的な事業への指摘を行っている。

主な調査結果

  • わが国のスポーツ予算は年々増加しているが、
    国際競技力の向上」に関する経費の増額の影響が大きい
    わが国の近年のスポーツ予算の合計額は、2012年度が235億4,269万3,000円、2013年度が243億2,784万9,000円、2014年度が255億2,784万9,000円となっており、年々増加している。中でも「国際競技力の向上に必要な経費」の増加額が大きく、2012年度から27億円以上増加している。また、2013年度から予算化された「社会体育施設耐震化事業」(10億4,140万円)の影響も大きい。一方で「子どもの体力の向上に必要な経費」は2012年度が11億2,468万円、2014年度が11億3,360万5,000円とほとんど変化がない。「生涯スポーツ社会の実現に必要な経費」は2012年度が15億1,896万円、2014年度が22億3,578万1,000円であり、7億円程度の増額となっている。ただし、これは2014年度から「日本障がい者スポーツ協会補助」および「全国障害者スポーツ大会開催事業」の合計10億6,737万7,000円が厚生労働省から移管されたためであり、これらを除くと2012年度よりも減額となっている。
  • スポーツ基本計画に基づく今後の指針と実際の事業の対応状況をみると、
    競技スポーツ」では多くの事業が実施されているのに対し、
    生涯スポーツ」では実施されていない事業が多数見受けられた
    2012年度にスポーツ政策立案の根拠となるスポーツ基本計画が策定され、「具体的施策展開」として今後の指針が示されているが、現在実施されている文部科学省の事業がどの「具体的施策展開」に該当するかを明らかにした資料は存在しない。本研究では独自にその照合を行い、一覧化した。
    「具体的施策展開」に示された指針と文部科学省が実施するスポーツ関連事業との対応状況をみると、国が実施主体とされたものは多くが事業化され実施されていた。しかし、2014年度現在で実施されておらず、指針に対応する事業がないケースもあった。子どもの体力向上や若者・高齢者のスポーツ機会の拡充、地域住民のスポーツ環境の整備といった「生涯スポーツ」の分野で実施されていない指針が多く、国際競技力の向上、国際競技大会の招致・開催、ドーピング防止といった「競技スポーツ」の分野では実施されている指針が多かった。

わが国のスポーツ予算の検証
~スポーツ予算とスポーツ基本計画~

  • 研究目的
    わが国のスポーツ予算について、その詳細を把握すること。あわせて、スポーツ基本計画に記載された具体的施策展開について、2014年度時点で国が実施しているどの事業が該当するのかについて確認すること。
  • 研究対象
    文部科学省スポーツ・青少年局が所管するスポーツ予算
  • 研究担当者
    藤原 直幸 笹川スポーツ財団スポーツ政策研究所 研究員
  • 発行
    2015年3月
全文(PDF:3.7MB)
目次
目次を全て開く
  • 研究の概要

  • はじめに

  • 1. わが国のスポーツ予算

    • 1-1 わが国のスポーツ予算の推移

    • 1-2 スポーツ予算の詳細

  • 2. スポーツ基本計画の構造

    • 2-1 政策目標

    • 2-2 施策目標

  • 3. スポーツ基本計画とスポーツ関連事業の照合

    • 3-1 柱1:学校と地域における子どものスポーツ機会の充実

    • 3-2 柱2:若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等ライフステージに応じたスポーツ活動の推進

    • 3-3 柱3:住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備

    • 3-4 柱4:国際競技力の向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備

    • 3-5 柱5:オリンピック・パラリンピック等の国際競技大会等の招致・開催等を通じた国際交流・貢献の推進

    • 3-6 柱6:ドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上

    • 3-7 柱7:スポーツ界における好循環の創出に向けたトップスポーツと地域におけるスポーツとの連携・協働の推進

    • 3-8 2014 年度時点における未実施事業

  • 4. スポーツ基本計画の見直しに向けて

    • 4-1 体力・スポーツに関する世論調査

    • 4-2 総合型地域スポーツクラブに関する実態調査

    • 4-3 地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト

  • 5. まとめ

  • 発行者
    公益財団法人 笹川スポーツ財団

ページの先頭に戻る