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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

『子どもの運動・スポーツ指導者の意識等に関する調査』中間報告書

中間報告書

本調査の目的は、子どもの運動・スポーツ活動に関する指導者の意識や考え方の実態を把握し、問題点を明らかにすることにより、指導者に求められ、高められるべきリテラシーについて考察し、子どもが生涯を通じて運動・スポーツ活動に親しむことができるような指導のあり方を追究しようとするものである。

調査時期
平成23年6月から12月を予定
(中間報告の調査日は、平成23年6月19日(日)であった)
調査対象
全国のスポーツ少年団指導者
(中間報告の対象者は、第17回スポーツ少年団指導者全国研究大会に参加した指導者275人)
調査方法
無記名式の質問紙調査法
(調査目的や個人データの未公表などの内容を事前に紙面上で説明し、同意を得た上で実施)
目次

1. 調査対象の属性

アンケートの回答が得られた指導者(275人)についての属性を以下に示した。

対象者の性別は、「男性」が214人(77.8%)、「女性」が58人(21.1%)と男性が8割近くを占めていた。平均年齢±標準偏差は57.7±11.5歳であり、年代の内訳は、「60代」が最も多く113人(41.1%)であり、次いで「50代」が64人(23.3%)、「40代」が40人(14.5%)であった。また、「70代(12.4%)」も多くみられ、「20代(2.5%)」、「30代(4.4%)」をあわせた割合より高く、年齢層が高い傾向がみられた。

【図1】対象者の性別

対象者の性別

【図2】対象者の年代

対象者の年代

対象者の平均指導経験年数±標準偏差は23.5±12.5年であった。その内訳は、「36年以上」が最も多く48人(18.4%)であり、次いで「26~30年」が36人(13.7%)、「31~35年」が34人(12.9%)、「1~5年」・「16~20年」・「21~25年」が33人(12.5%)、「11~15年」が27人(10.3%)、「6~10年」が19人(7.2%)であった。今回の対象者の年齢層が比較的高い傾向にあったことが、指導経験年数の長さに影響していると考えられる。

【図3】対象者の指導経験年数

対象者の指導経験年数

2. スポーツの指導基準

子どもにスポーツを指導する上で参考としているものに関して、「自分のスポーツ経験」と回答した者が195人(70.9%)と最も多く、7割以上にのぼった。次いで「取得後に開催される資格に関する研修会等」が157人(57.1%)、「機関誌(スポーツジャスト)や資格取得時の講習のテキスト」が146人(53.1%)、「専門書や指導参考書等」が141人(51.3%)、「他の指導者の実践内容」が125人(45.5%)、「指導者同士の自主的な勉強会等」が107人(38.9%)、「専門のビデオやDVD」が69人(25.1%)、「インターネットによる情報収集」が49人(17.8%)、「その他」が10人(3.6%)であった。ほとんどの対象者が子どもにスポーツを指導する際、自らのスポーツ経験だけでなく、テキストや他の指導者との交流等も参考にしていることが伺えた。

【表1】子どもにスポーツを指導する上で参考にしているもの
子どもにスポーツを指導する上で参考としているもの 人数
自分のスポーツ経験 195 70.9
取得後に開催されている資格に関する研修会等 157 57.1
機関紙(スポーツジャスト)や資格取得時の講習のテキスト 146 53.1
専門書や指導参考書等 141 51.3
他の指導者の実践内容 125 45.5
指導者同士の自主的な勉強会等 107 38.9
専門のビデオやDVD 69 25.1
インターネットによる情報収集 49 17.8
その他 10 3.6

【図4】子どもにスポーツを指導する上で参考にしているもの

子どもにスポーツを指導する上で参考にしているもの

3. 「外部指導者」の実態

学校の授業や部活動の指導およびその補助のために登用される学校外の人材である「外部指導者」に関して、「知っている」が215人(80.3%)、「聞いたことがある」が36人(13.4%)、「知らない」が17人(6.3%)であり、9割以上の人が外部指導者について認知していた。しかし、「外部指導者」の経験に関して、「経験がある」と回答したものは78人(31.7%)、「経験がない」と回答したものは168人(68.3%)であり、外部指導者について認知はしているが経験がない人が7割近くを占めていた。

【図5】「外部指導者」についての認知

「外部指導者」についての認知

【図6】「外部指導者」としての経験の有無

「外部指導者」としての経験の有無

「外部指導者」としての活動場所に関して、「部活動」が57人(81.4%)、「体育授業」が13人(18.6%)であり、部活動が8割以上を占めていた。指導している子どもの学年は、「中学1年生」および「中学2年生」が48人(18.1%)と最も多く、次いで「中学3年生」が46人(17.3%)であり、中学生が半数以上を占めていた。また、「小学5年生」が18人(6.8%)、「小学6年生」が16人(6.1%)、「小学4年生」が15人(5.6%)と小学校の中・高学年が続いた。「年少」・「年中」・「年長」といった幼稚園・保育園の未就学児ではそれぞれ2人(0.8%)と、他の学年に比べて低い傾向がみられた。

【表2】外部指導者が指導している子どもの学年
学年 人数 学年 人数
年少 2 0.8 中学1年生 48 18.1
年中 2 0.8 中学2年生 48 18.1
年長 2 0.8 中学3年生 46 17.3
小学1年生 9 3.4 高校1年生 12 4.6
小学2年生 10 3.8 高校2年生 12 4.6
小学3年生 12 4.6 高校3年生 12 4.6
小学4年生 15 5.6      
小学5年生 18 6.8      
小学6年生 16 6.1      

【図7】外部指導者が指導している子どもの学年

外部指導者が指導している子どもの学年

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本事業は、ボートレースの交付金による日本財団の助成金を受けて実施しました。

テーマ

子どものスポーツ

キーワード
発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

共同研究者
  • 中村 和彦 山梨大学
    教育人間科学部 教授