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「協働によるまちづくり」を推進 山口県山口市 後半
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スポーツボランティアの支援にも今後注力
渡邉:
スポーツ推進計画にも書かれていましたが、市のスポーツ大会などに欠かせないボランティア活動を支える基盤づくりも進展するといいですね。私どもの調査でも、スポーツボランティアをやりたいけれど、なかなかできないという方が多いのです。その理由は情報が少ないからなのです。やりたいという気持ちを持っている方は潜在的に多く、きちんと情報が提供されればスポーツボランティアの参加率は高まるはずです。私どもは東京マラソンに立ち上げから3年間かかわり、ボランティアリーダーの養成や、大会当日のボランティア1万人のオペレーションなどをすべて行っていましたから、それを実感しています。現在も、ボランティアバンク的な活動を行っていて、スポーツボランティアを求める情報を登録ボランティアに公開しますと、すぐに埋まってしまうイベントが幾つもあります。こちらの市でも、スポーツボランティアを求めている人とやりたい人をうまくマッチングして、ボランティア活動の基盤づくりが進むといいと思います。スポーツの大会では、競技の運営だけでなく、救護活動なども含めて幅広いボランティアが必要になりますから。
渡辺:
大事なことですね。スポーツではありませんが、このたび山口県は大きな水害に見舞われまして、当市でも災害復旧を行っているところですが、多くのボランティアの方にも来ていただいている中で、ボランティアを必要とされる人とボランティアをしようとする人のコーディネートが非常に大事だと実感しています。双方の情報をうまくつなぎ合わせる、これが非常に重要ですね。
スポーツで見ると、当市ではいろいろな地域マラソンを行ったり、
十種ヶ峰
という山で山岳マラソンを行ったりしていますが、やはり駅伝やマラソンは大会を支える多くのボランティアを必要としますから、そうした基盤づくりをしっかり進めていきたいと思います。
協働で成果を収めた初参加のチャレンジデー
渡邉:
山口市では「協働によるまちづくり」という方針を大きく掲げていらっしゃいますね。県内最大の面積を持ち、21の地域があるなかで、それぞれの住民の方の自主性を大切にされているということですが、地域差があったり、リーダーとなっていく人材の確保など課題もあると思います。そうしたなかで、スポーツの果たす役割をどう感じていらっしゃいますか。
渡辺:
スポーツは健康増進や体力の保持に役立つだけでなく、地域の交流を促進して一体感や活力を生み出すものとして、その役割も多様化してきていると実感しています。そのなかで、本市においては、まず21の地域が特色を育んでいけるよう、地域自治の強化や地域内のさまざまな団体が連携・協力して地域づくりに取り組む
「地域づくり協議会」
の組織化に注力してきました。こうした「協働によるまちづくり」を進めるうえで、スポーツを通じたコミュニティづくりや、地域再生などスポーツが果たす役割に期待しています。実際、各地域においては、昭和30年にボストンマラソン大会で優勝された秋穂地区出身ランナー、故浜村秀雄さんの偉業を称えた
「浜村杯秋穂ロードレース大会」
や、「名田島田園マラソン大会」「十種ヶ峰登山マラソン大会」など、スポーツや健康づくりに関する行事が年間約250件開催されています。スポーツとは少し離れますが、遠浅の干潟に放した車えびを素手で捕まえその数を競う
「えび狩り世界選手権大会」
というイベントも20年行われています。今後も、地域、スポーツ関係団体、行政が一体となり、市民の皆さまが気軽にスポーツに親しみ、楽しむことを通じて「地域」や「まち」が元気になっていくような取り組みを進めていきたいと考えています。
渡邉:
素晴らしいですね。そして今年は
「チャレンジデー」
に初めて参加されました。これは、日常的なスポーツの習慣化に向け、そのきっかけづくりやスポーツによる住民の健康づくり、地域の活性化を目的に世界中で行われている住民参加型のイベントです。平日に15分運動をするというところに意味があって、土日に行うと単なるイベントで終わってしまうからなのですね。市長も朝早くから参加されて、千葉県市原市との参加率を競う対戦では、残念ながら敗れはしましたが、これだけ広い市域があり21の地域に分かれているなか、初参加で29.8%と約3割もの市民の方々が参加したのは大きな成果だと思います。
渡辺:
チャレンジデーへの参加は、スポーツ推進計画で「18歳以上の市民が週1回以上スポーツ活動を実施する割合」を、2011年度の30.2%から、2017年度には50%以上に引き上げるという大きな目標を掲げている取り組みのひとつです。おっしゃられたように、山口市は大変市域が広く、一つの会場に大勢の市民が集まってイベントを行うことはなかなか難しいのですが、チャレンジデーは子どもからお年寄りまで誰もが自分のペースでどこでも参加できるところが良いですね。初参加ではありましたが、多くの学校や企業、地域などでさまざまなスポーツを企画していただき、目標に向かって一丸となったことに大きな成果を感じております。私もオープニングイベントに参加しましたが、朝早くから約300人の方にご参加いただき、1級ラジオ体操指導士をお招きして皆さんと気持ちよくラジオ体操を実施いたしました。
渡邉:
参加率では敗れましたが、実は、チャレンジデーを実施した自治体の中で、報道機関から最も多く取り上げられた自治体として、山口市が「ベストPR賞」を受賞されました。初参加ながら31件の報道実績がありまして、先ほど記念の楯をお贈りさせていただきましたが、市長や市の職員の方々をはじめ、各地域の地域交流センター、学校、企業などの協力により、非常に良い成果を挙げられたと思います。
渡辺:
ありがとうございます。目標の参加者10万人は達成できませんでしたが、チャレンジデーの認知度が高まったことで、来年は今年以上の参加者数になると思います。また、来年度からは参加率・参加者数などの比較ができるようになりますので、毎年市民を対象に実施しているまちづくりアンケートの結果なども含めて、目に見える成果が出ることを期待しています。
今後は、チャレンジデーの開催目的の周知や、チャレンジデーをきっかけに自主的な取り組みが拡大するような仕掛けを検討して、最終的にはチャレンジデー開催の有無にかかわらず市民の皆さんが習慣的にスポーツや運動に取り組まれ、各地域でスポーツ活動が日常に定着することを目指していきたいと考えています。
まちづくりに貢献する「スポーツ推進計画」
渡邉:
市民のスポーツ推進という視点から見ていきますと、文部科学省が進めている総合型地域スポーツクラブの育成も今後進展するといいですね。山口市ではまだクラブ数は少ないようですが、総合型地域スポーツクラブは、子どもからお年寄りまで参加できますし、初心者からハイレベルな方まで、それぞれのレベルに合わせて参加できます。また、地域住民により自主的に運営されるクラブですので、21の地域で育ってきたら素晴らしいと思います。
渡辺:
そうですね。協働によるまちづくりでもスポーツは重要な要素です。市政を担当していて非常に気になるのがお年寄りのひきこもりなのですが、1日に15分でもいいから高齢者が外に出てこられるようになり、ひきこもりがなくなってくると、本当に長寿で健康になるのですね。そういう視点に立っても、スポーツはいいきっかけになると思います。私自身も、小学校のころは剣道をやり、中学校では陸上競技で県の大会に出たり、高校ではラグビーをやったりと、いろいろなスポーツに親しんできました。
渡邉:
そうですか。今回初参加した、チャレンジデーも、1年に1度の行事ですが、それが年間を通した活動につながってくるといいですね。山口式のチャレンジデーに育っていったらいいと思います。よく、子どもの遊びには「3つの間」といって、「時間」「空間」「仲間」が必要だといわれますが、高齢者の方々も、手軽にできるスポーツなどで仲間と外に出る機会が増えるといいでしょうね。
渡辺:
おっしゃる通りですね。これからも、「スポーツ推進計画」に沿って、多面的な役割を持つスポーツの意義や価値がひろく市民の皆さんに共有され、心身ともに健康で文化的な生活をするために定着していってほしいです。そして、「いきいきと子どもが育ち、人がよりよく生きる、文化をはぐくむまち」を目指し、「だれでも」「いつでも」「どこでも」「いつまでも」スポーツに親しむことができる社会を実現したいと考えています。
渡邉:
チャレンジデーも含め、スポーツの推進が「ずっと住み続けたいまち」山口市のまちづくりに貢献し、ますます発展されることを願っています。本日はありがとうございました。
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