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スポーツの力で日本を元気に! スポーツによるまちづくり

  • 【前半】災害対応とまちづくり
  • 【後半】スポーツが果たす役割
スポーツが果たす役割

コミュニティの醸成にスポーツが

渡邉:
復興計画を拝見しますと、住民自治の基盤は地域コミュニティ=自治力にあるとして、住民と行政は対等の立場で協働して課題を解決していくことが強く謳われています。地域コミュニティを再生する中でスポーツの役割をどのようにとらえていらっしゃいますか。
阿部:
スポーツ振興は、基本的には競技者の育成と健康づくりが主な目的ですが、コミュニティの形成にも大変効果がありますね。東松島市はソフトボールが盛んですが、土壌を培ってきたからこそです。平成2年のインターハイ・ソフトボール少年男子(高校生)会場の誘致をしたことがきっかけで、その後は実業団などの大会を誘致し、平成11年に鷹来の森運動公園屋外運動場を整備し、平成13年の宮城国体の少年男女のソフトボール会場になりました。プレ大会にインカレを開催したり、国体後もいろんな大会を誘致しました。相乗効果でソフトボールは各地区コミュニティ単位でも盛んに大会が行われるようになりました。スポーツは地域住民の親睦や融和といったコミュニティづくりに大変寄与しているといっても過言ではありません。
平成2年 全国高等学校男子ソフトボール大会
平成13年 宮城国体ソフトボール競技開会式
渡邉:
ソフトボールが平成2年のインターハイや平成13年の宮城国体のレガシーとして定着しているわけですね。
阿部:
平成2年、13年の大会では、コミュニティ単位で大会の出場チームを民泊方式で受け入れ、引き受けたチームの応援もしています。震災時はそうしたつながりで救援物資を送っていただきました。スポーツを通しての絆はインターハイや国体の時から実感しています。
渡邉:
震災後にアスリートが慰問されて一緒に体を動かしたり、スポーツイベントが行われ、一時の心の開放になったのでないかと思いますが、スポーツの影響力は感じましたか。
阿部:
そうですね。アスリートはしがらみがないじゃないですか。震災直後、本当によかったのは、ワールドカップ女子サッカーの金メダルですね。あの時はみんな元気をもらった。そしてロンドンオリンピックは団体競技の良さを実感させられたオリンピックだったと思います。オリンピックデー・フェスタでアスリートがこられて、これまで全く新体操に興味がなかったのに、テレビの前で応援する自分がいた。アスリートの爽やかさ、ひたむきに努力する姿に心を動かされ、自分たちも頑張んなきゃという元気をいただきました。子どもたちもアスリートから激励をいただいたことが力になっていますね。
復旧復興の対応では子どもたちを最重要視し、避難所になっていた学校を、早く子どもたちに返しました。家庭の明るい声はやっぱり子どもなんです。
私の持論ですが大人になるといつの間にか、子どもの夢が自分の夢になる。子どもの成長を願い、夢を叶えてあげたいと思うようになります。オーバーに言えば夢と希望なんでしょうね。
オリンピックデー・フェスタ
復興支援 ドリームソフトボールクリニック 宇津木妙子氏
渡邉:
復興計画の中で教育環境の充実と、今、市長がおっしゃったように学校を子どもたちにいかに早く返せるか。被害を受けた地域では学校も使えず他の学校を使っている状況です。学校施設の整備・再編と児童生徒の心のケアサポートが掲げられていますが、市長の目には小中学校の児童生徒はどのように映っていますか。
阿部:
子どもたちも感じていると思いますが、震災直後から国内外より大きなご支援をいただき、子どもたちの代表がデンマークに、そして数組の親子が黒姫のアファンの森に招待を受けました。
市と教育委員会が情報を共有し、平常時の教育環境をとり戻そうと連携して取り組んでいますが、ハード面はまだ難しいです。校舎が被災し、プレハブ仮設校舎や共同で使ったりしているので、復興を機会にこれまで理想としたものとか、統合することで部活動が増えるといった教育効果も視野に入れ、子どもたちの環境づくりという視点でとらえていきたいと思っています。被災で大きなマイナスを負ったので、復興はプラス思考で取り組んでいます。
渡邉:
校庭の使用が制約を受けたり、仮設があって使えない状況の中で、12年度の小中学校の運動会の様子はどのようにご覧になっていましたか。
阿部:
子どもたちも工夫して元気に取り組んでいましたが、ただ、1点気になることは、確かに運動不足がありますね。理由は二つ、スクールバス登校で運動量が少なくなった反面、12年4月に新しい学校給食センターがスタートし、給食がバラエティに富み、給食を残す子どもが少なくなった。食べ物が美味しく、運動量が少し減ってきた。それを補完するために教育委員会でいろいろな運動や楽しめるイベントを行っています。

再生可能エネルギーと産業再生に見通しが

市報ひがしまつしま2012年10月1日号
渡邉:
復興まちづくり計画ができて、まだそんなに時間はたってないんですが、手ごたえはどうでしょう。
阿部:
絵に描いた餅にはしたくない。今のところ計画通りに進んでいます。企業誘致、リーディングプロジェクト、さらに再生可能エネルギーとして、三井物産が600世帯分の使用電力量に相当する約210万キロワット/時のメガソーラー(大規模太陽光発電所)を13年10月までに稼働します。
一番大事な教育面では、C.W.ニコルさんのアファンの森財団の皆さん、住友林業などの企業のご支援をいただき、野蒜地区で被害を免れた高台に、地域の自然を活かした復興の森づくりと森の中に木造の教室が点在する学校づくりを目指しています。
新たな教育環境を作っていこうというのは子どもたちにとっても夢のあること。復興は単なる震災から元に戻すだけでなく、新たな理想の教育にトライでき、やりがい、楽しみもあります。
日本型の再生可能エネルギーとして、日本では雇用が生まれる木質バイオに可能性があります。木質バイオは熱と電力が得られるので、この地域のハウス栽培にも使えます。ハウス栽培は野菜工場と言われるように、1ヘクタールのハウスで20人くらいの雇用が生まれます。復興交付金で木質バイオの調査費3,000万円が認められました。
渡邉:
既存の水産業や農業の復旧復興の見通しはいかがでしょうか。
チャレンジデー
チャレンジデー
阿部:
水産業は海苔の生産が盛んで、6年連続、皇室に献上していましたが、津波で壊滅状態になりました。でも、2年ぶりに復活しました。個人経営だった海苔漁師が数人のグループとなって協業することで、いわゆるグループ補助金(注)を受けることができました。約1カ所10億円くらいで生産加工施設など3カ所を復興しました。
農業はあと2年はかかりそうです。塩害と農機具、ハウスが全部やられましたが、国で水産業と同様に初期投資の少ない施策を出していただき、機械のリース方式などいろいろなメニューを作っていただきました。その他にも除塩して効率的な農業ができるような形になりましたので、農業もほぼ見通しが立ちました。
渡邉:
12年5月30日開催のチャレンジデーは「スポーツの力で元気で笑顔」をスローガンに、参加者数が1万4,359人で全人口の35.3%、2年前の数を上回りました。仮設住宅での「おらほのラジオ体操」や各地区の「530(ごみゼロ)ウォーキング」に参加された方は、「みんなと一緒に体を動かすことができて、楽しかった」と話をされてました。来年もチャレンジデーに参加されるということですが、日常生活でも何かスポーツにつなげるような工夫があるといいですね。
阿部:
「530ウォーキング」は最初、市民協働のまちづくりとして環境美化を始めようと、海岸清掃や花づくりがきっかけでした。
市民協働のまちづくりの波及効果として学校でも掃除に力を入れ、挨拶運動をしっかりやるようになった。何か一つ始めると、必ず相乗効果が生まれます。今回チャレンジデーをやって本当によかったなと思うのは、何かやろうよと、きっかけがあれば、みんながひとつになることができたからです。スポーツができない人は、市民協働のまちづくりの原点である「ごみ拾い」をしましょうと、地域ぐるみで参加していただきました。
渡邉:
そうですね。コミュニティ単位でウォーキング大会やラジオ体操などの取り組みが定着していますが、そのほかには?
阿部:
東松島市の復旧復興には、内外からたくさんのご支援をいただいておりますが、皆さんが応援したくなるような復興のまちづくりを進めていきたいと思っています。サッカーでもマラソンでもそうですが、皆さんの声援を受けて、私たち自身でゴールできるチームをめざしています。
渡邉:
復興まちづくり計画がよい方向に進むように地域コミュニティを醸成する中で、スポーツはいい意味でツールとなり触媒になると思いますので、当財団がお手伝いできることがあれば何なりとお申し付け下されば幸いです。

グループ補助金
海苔養殖

復興対策事業では、個人経営者が生産者組合などを結成し、機材を共同利用する場合には、調達費の3分の2の補助が受けられる。

●海苔養殖漁業

国県などの「養殖施設災害復旧事業」「共同利用漁船等復旧支援対策事業」「水産業共同利用施設災害復旧事業」「がんばる養殖復興支援事業」を利用。
・養殖筏は「養殖施設災害復旧事業」
・作業船は「共同利用漁船等復旧支援対策事業」
・海苔加工施設(建物や乾燥機器など)は「水産業共同利用施設災害復旧事業」
で補助を受けている。

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3/19開催 東松島市阿部市長講演「SSFセミナー2013 SPRING ~スポーツとまちづくり~」

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