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SSFが振り返る2016年重大ニュース

1. リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック開催

ブラジル・リオデジャネイロで、8月5~21日にオリンピック、9月7~18日にパラリンピックが開催された。オリンピックで日本選手団が獲得したメダルは金12、銀8、銅21の合計41個で史上最多を更新。女子レスリング58kg級で伊調馨選手が4大会連続で優勝するなど、大いに盛り上がりを見せた。パラリンピックでは金メダル獲得はならなかったが、銀10、銅14の計24個のメダルを含め90人が入賞する活躍を見せた。


SSFの主な取り組み

リオ大会の現地情報を発信、東京大会も視野に調査活動

リオオリンピックでは、笹川スポーツ財団が支援するNPO法人日本スポーツボランティアネットワーク(JSVN)所属のボランティアが現地で活動し、その様子をブログを通じて発信。パラリンピックでは、ライターの星野恭子氏による現地レポートをホームページで紹介した。
2020年東京大会に向けては、インタビューシリーズ「歴史の検証」において、オリンピアンを中心にスポーツ界の次世代をけん引するリーダーたちの話をうかがった。また、パラリンピックに関連する事業としては、障害者スポーツ振興の取り組みについて全国調査を実施。障害者専用・優先スポーツ施設が増加傾向にあることが分かった。
また、当財団理事長の小野清子に、国際オリンピック委員会(IOC)より、五輪運動の発展に寄与したことをたたえるオリンピック・オーダー(功労章)が贈られた。

2.大リーグで活躍の日本人選手、記録的快挙

米メジャーリーグ(MLB)マーリンズのイチロー選手が8月7日(日本時間8日)、ロッキーズ戦で3塁打を放ち、メジャー通算3,000安打を達成した。MLB史上30人目、米国出身者以外では4人目の偉業となった。
一方、日本のセ・リーグで25年ぶりに優勝を決めた広島カープでも、MLB帰りの黒田博樹選手の活躍が欠かせなかった。MLBドジャース、ヤンキースに所属し、今夏には日米通算200勝の記録を打ち立てていた黒田選手。2015年に古巣・広島に復帰して2年目の快挙だった。

SSFの主な取り組み

好きなスポーツ選手、イチロー選手1位

全国18歳以上の男女を対象に「好きなスポーツ選手」のアンケート調査を実施した。イチロー選手が、MLB通算3,000本安打達成などの活躍もあり1位に輝いた。2位はテニスの錦織圭選手、3位はフィギュアスケートの浅田真央選手だった。

3.スポーツ施策、新計画へ

スポーツ庁 鈴木大地長官

6月、鈴木大地スポーツ庁長官の諮問により、2017~2021年の5年間のスポーツ施策の指針となる第2期スポーツ基本計画の策定議論が始まった。スポーツ実施率の低い層への働きかけや、中学・高等学校の部活動指導員の制度化などが掲げられ、2016年度中にまとめる方針となっている。
一方、スポーツ庁発足1周年にあたり、鈴木大地長官が今後の取り組み方針として「鈴木プラン」を発表。2020年の東京大会で日本選手が最大限活躍できるよう環境整備・支援体制を構築する。日本選手の活躍を通して日本全体のスポーツ人口増加につながることも期待するとしている。

SSFの主な取り組み

第2期スポーツ基本計画策定議論に参画

スポーツ庁のスポーツ審議会メンバーに、当財団専務理事の渡邉一利が選出(昨年12月)され、第2期スポーツ基本計画の策定議論に加わることとなった。7月には同審議会のスポーツ基本計画部会による関係団体ヒアリングにも出席し、スポーツ人口の拡大、健康増進、地域活性化の観点から、意見を述べた。また、当財団では本件に関しての政策提言も予定している。

4.東京オリ・パラ組織委、大学や地域と連携進む

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会では、大学やホストシティ連合との連携を進めている。792大学と連携協定を締結(12月1日時点)。各校は大会全般や障害者への理解を促す講義や研究、地域スポーツ大会へのボランティア派遣などの活動に取り組んでいる。
地域との連携では、東京大会で来日する海外選手と日本各地域の相互交流を促進する国の事業「ホストタウン構想」に、各自治体が申請した138件の計画を登録しており(12月9日時点)、今後も増やしていく方針だ。

SSFの主な取り組み

スポーツ政策学生会議「SPJ」、スポーツ振興事業「チャレンジデー」開催

10月に大学3年生が日本のスポーツについて政策提言発表する大会「Sport Policy for Japan2016」を開催(今年で6回め)。今年は、過去最多の20大学53チーム291名が参加した。発表の質が年々向上する中、立教大学松尾ゼミナールB班が最優秀賞に選ばれた。
また、スポーツ振興の取り組みとして地域と連携し、自治体単位で住民のスポーツ参加率を競うイベント「チャレンジデー」を今年も開催(5月)。128自治体、290万人以上が参加し、青森県新郷村が131.0%の参加率で大賞を受賞した。

5.バレー・水泳・ボート・カヌー会場 4者協議を経て決定

2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場について、見直し対象となっていた水泳、ボート・カヌー、バレーボールの3会場が決定した。国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会、政府の4者会合で、水泳は「オリンピックアクアティクスセンター」、ボート・カヌースプリントは「海の森水上競技場」、バレーは「有明アリーナ」にそれぞれ新設することで決着。当初案と同じ場所ながら、座席数減などで費用を削減する案で合意した。

SSFの主な取り組み

オリンピック施設の活用状況に関する研究がクローズアップ


「オリンピックのレガシー」の研究を行っている吉田智彦副主任研究員

オリンピックをはじめとするメガスポーツイベントのレガシー研究を担当する副主任研究員の吉田智彦が、報道機関に対し、シドニー(2000)、ロンドン(2012)のオリンピック施設の大会後の活用状況を踏まえながら、東京の施設の有効活用についてもより広角な議論が必要とコメント。スポーツ施設の新設や後利用について、国民の関心が高まっている今を好機ととらえ、スポーツ界全体で知恵を絞っていくべきだと説明した。この内容は、NHKをはじめ広く伝えられた。

2016年を振り返りー「未来に向かう大事な一歩を踏み出す」

2016年は「未来に向かって大事な一歩を踏み出した1年」だったと総括できる。そのけん引役を果たしたのがスポーツ庁だ。他省庁からの出向者も集まったスポーツ庁が昨年10月に発足したことにより、省庁の縦割りに横串が通された。これにより、スポーツ政策のさまざまな青写真を描くことができるようになった。

 大きなところでは日本の喫緊の課題である、健康寿命の延伸、健康格差の是正において、スポーツ庁と厚生労働省が協力関係を築くことができたのは重要な一歩といえよう。
 スポーツ施設の有効活用、いわゆる公共施設マネジメントは、国土交通省とスポーツ庁が協力して取り組まなくてはいけない課題である。国と地方自治体の協力関係も重要だ。またスポーツ産業の育成なら経済産業省との連携が不可欠であることはいうまでもない。
 障害者スポーツの発展、ひいては共生社会の実現においてもスポーツ庁の果たす役割は大きい。2016年リオデジャネイロ・パラリンピックを契機に障害者スポーツへの理解が深まり、車いすバスケットボールなどを体験する機会が増えた。企業の障害者スポーツへの支援も厚くなってきている。加えてスポーツボランティアへの関心は、企業においても、大学においても高まってきた。
 2016年リオ大会では日本選手が多数のメダルを獲得した。この結果は、競技力の向上、選手の強化において、国のサポートと競技団体の選手育成施策が融合したと評価できる。ここでもスポーツ庁がハブとなり推進するスポーツ政策が一定の成果を上げつつある。
 第一歩を踏み出した2016年をベースに、2017年以降は第二歩目を踏み出さなければならない。2016年に描いた青写真を実行に移すことが今後の課題だ。

 2019年にはTAFISA(国際スポーツ・フォー・オール協議会)のワールドコングレスが東京で開かれる。これを起爆剤とし、健康長寿社会の実現に向けて大きく飛躍したい。2019年はラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック、2021年にはワールドマスターズゲームズが関西で開催される。こうしたビッグイベントと生涯スポーツを結びつけ、未来に向かって点を線にしていくことが理想的ではないだろうか。

 少子高齢化が進む中、地域存続のポイントのひとつといわれる共助社会。この実現には、運動やスポーツが触媒として大きな役割を果たす。人口動態から危惧される社会課題の解決に繋がるような、価値あるレガシーを2020年以降に残すために、2016年の経験を起点とした来年以降の努力が重要になるだろう。
  笹川スポーツ財団としても、関係組織と連携し、スポーツ・フォー・エブリワンの実現に向け努力を惜しまないつもりだ。

笹川スポーツ財団 専務理事 渡邉一利

笹川スポーツ財団 専務理事
渡邉一利

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