東京2020大会の実態からみて、今後のオリンピックに経済効果は期待できるか
そもそも経済効果を算出する理由は、その事業を実施することによって地域内に経済的な価値をもたらすかどうかを見極めることにある。オリンピック・パラリンピックをはじめとする大規模イベントはその経済的価値が高いことも招致に際しての地元企業や地域住民へのアピールポイントになっていた。ただ、経済波及効果が期待できるという点を過度に重視して、オリンピック招致を進めても、これから先のオリンピックはその期待に応えてくれないかも知れない。
執筆者:三﨑 冨査雄 View more
オリンピックと映像〜記録と芸術のドラマ
数々の公式オリンピック映画が常識を打ち破ってきたように、これからのオリンピックにも旅立つべく新たな地平は広がっている。新しいオリンピックとともに、スポーツ映像が次へ進む。今が最大の機会なのだと思う。
執筆者:高橋 周平 View more
スポーツと音楽
オリンピックにおいては、スポーツと芸術は切り離せない関係にあり、なかでも音楽はスポーツと非常に高い類似性を示している。ここではスポーツと音楽がいかに似ているかを述べていくことにする。
執筆者:大野 益弘 View more
オリンピック代表と栄光を支える企業日本のスポーツ選手、とりわけトップ選手を支えているのは企業である。物心両面からの支援と簡単に言うが、生活支援や活動資金の提供に加えてサポート人材の確保、競技によっては練習施設や合宿施設の確保や応援など、活動は多岐にわたる。なぜ企業はスポーツを支えるのか。
執筆者:佐野 慎輔 View more
大学スポーツを支えるNCAAと未来を志向するUNIVASUNIVASが今後、大学スポーツをどのように変えていくか、まだ未来形は見えていない。オリンピック選手養成をめざす組織ではありえないが、一方でNCAAがスポーツ王国アメリカを支えていることと同じような発展形をたどることもありうるだろう。UNIVASを通して、大学スポーツ及び日本のスポーツの活性化を図り、スポーツの価値を浸透させていくことは「する」「みる」「支える」スポーツの醸成につながる。それが日本のオリンピックムーブメントの拡大につながれば、より意義が大きいといえよう。
執筆者:小林 至 View more
大学スポーツの発展に期待2019年3月にスポーツ庁が大学スポーツの統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS)」を発足させた。その役割の3本柱は、安全なスポーツ環境整備、学業との両立、大学スポーツの振興。施設、人材など計り知れない大学のスポーツ資源を、将来に対する明確なビジョンの構築、中央行政、自治体、他大学、企業等との連動・連携、などの的確な施策で活用を図り、大学スポーツの活性化につなげて欲しいと考える。
執筆者:松原 茂章 View more
オリンピック代表選手に対する栄養サポート日本オリンピック委員会(JOC)は初めて1991年にユニバーシアード大会に出場した日本代表選手135人の栄養実態調査を行った。エネルギー、たんぱく質、ビタミンなどの摂取量は一般人の必要量にさえ達しておらず、栄養バランスの取れた食事をしていた選手はわずか1.5%だったことが記載されている。これでは到底世界と戦う身体づくりはできない。そこでこの頃から選手の栄養状態の改善とそれによるパフォーマンス向上を目指して、トップ選手は栄養サポートに着目するようになった。
執筆者:田口 素子 View more
記録や技の進化は用具とともにスポーツの記録更新や驚異的なパフォーマンスは、道具や用具の進化にも支えられている。それは間違いのない事実だ。だが、道具や用具を使いこなすのは鍛え上げた人間の体力と技術であり、その進化を導くのは限界を超えようとする人間の意思である。できないと思ったときに限界が生まれる。アスリートが可能性を信じている限り、記録や技の進化は止まることはないのだろう。
執筆者:北川和徳 View more
インターネットは、オリンピック放送を変える!?あなたは「2020東京オリンピック・パラリンピック」を何でみますか? 目下、テレビの地位は揺るぎないものの、若年層でのスマートフォンの伸びは著しく、今後の同様の調査ではさらに高い数値をしめすだろう。総務省の『令和2年版情報通信白書』によると、2019年におけるスマートフォンの世帯保有率は83.4%。初めて8割を超えて、パソコンの69.1%を圧倒した。スマホ個人保有率も67.6%で携帯電話・PHSの24.1%を43.5ポイントも上回っている。
もはやスマートフォンを無視できないというよりも、中心に据えた対応が求められる。ICT(情報通信技術)の進化とともに放送・報道のあり方も大きく変えつつある。
ミューズとオリンピックの美術ベルリンオリンピックには、「芸術競技」があり、2人の日本人画家が銅メダルを獲得した。1992年第25回バルセロナ大会から「芸術展示」は「文化プログラム」となり、「カルチュラル・オリンピアード(文化のオリンピック)」と呼ばれ、芸術だけでなく開催国の文化なども含めて紹介されるようになった。
執筆者:太田 圭 View more
企業にとってオリンピック・パラリンピックの意義とは……
オリンピック・パラリンピックを通じた平和な社会の構築、スポーツを通じた健全な身体の育成、長寿の社会の形成が指摘されて久しい。スポーツは人間にとってなくてはならないもの、オリンピック・パラリンピック開催の意義だとも言われている。それはスポーツ、アスリートを支える企業にとって同様、だからこそ持続可能なオリンピック・パラリンピック開催を願うものである。
執筆者:上治 丈太郎 View moreラジオの誕生を1895年、イタリアのマルコーニによる無線通信の発明から考えるとすれば、世界に開かれるラジオ放送への道は、近代オリンピックのタイムラインとほぼ並行になっている。しかしこの両者の歩み寄りにはそれなりの年月を必要とした。
執筆者:山本 浩 View more
新聞が果たすべき役割オリンピックにとって、メディアの働きは絶対に欠かせないものだ。大会の結果を世界中に知らせるためにも、オリンピック運動の意義をあらゆる地域に広めていくためにも、メディアの力が必須なのは言うまでもない。そして、近代オリンピックがスタートを切って以来、20世紀の後半まで、その役割を一身に背負っていたのが新聞である。
執筆者:佐藤 次郎 View more
テレビ放送技術の進歩とオリンピックオリンピックは選手だけの競争の場ではない。放送局と技術者も世界の第一線であるこの場で競争しているのだ。歴代のオリンピック大会は、テレビ放送に画期的な技術を開発・実用化する機会を与え、放送技術の進歩の一里塚として、現在に至っていると言える。
執筆者:藤原 庸介 View more
メディアの勃興とオリンピック日本におけるラジオ放送の始まりは1932年ロサンゼルス大会。ただし、実況中継は1936年 ベルリン大会から。河西三省アナウンサーの「前畑ガンバレ」で有名になった大会である。
オリンピックのテレビ中継はそのベルリン大会から。ナチスドイツの威信をかけて、競技場内限定で
テレビ映像を流した。日中戦争で返上を余儀なくされた1940年東京大会もテレビ中継が構想された。
計画通りに実施されていたら、日本の放送史は変わっていた。
オリンピック・パラリンピックの延期開催に経済効果は期待できない
現在の世界をとりまく状況を鑑みるに当初想定していた形での大会開催は絶望的だが、そのような状況にあっても、多くの日本人が「経済効果を期待して」2021年夏のオリンピック・パラリンピックの延期開催を支持している。しかし実のところ、規模を縮小した大会では経済効果はさほど期待できない。
コロナ禍克服のメッセージを世界に発信し、人々の記憶に残すことこそが開催の大義なのではないだろうか。
新国立競技場を真のレガシーとするため1964年の東京オリンピックでメインスタジアムとして使用された旧国立競技場は、当時は競合するスタジアムが他になかったので“自動的に”日本スポーツの「聖地」となった。だが、2020年大会のために建設された新国立競技場はそのままの形で「聖地」となれるわけではない。このスタジアムをレガシーとして活用していくためには「後利用」について様々な知恵を出し合うことが不可欠なのだ。
執筆者:後藤 健生 View more過剰なビジネス優先の姿勢が生んだ数々のゆがみ、そこから生まれたオリンピック離れにどう対応するか。全世界を覆ったウイルス蔓延をどう乗り越えるのか。危機の二乗は、近代オリンピックが直面する最大の難問である。
執筆者:佐藤 次郎 View more世界反ドーピング機関(WADA)のドーピング防止規定では、以下の行為をアスリートの厳格な責任として定められている。
①自ら摂取するものについて責任を負う
②医師の選定および医師に禁止物質を投与しないよう伝達すべき責任を負う
③自己の飲食物へ接触を許している人の行為について責任を負う
オリンピックやパラリンピックの現場、あるいはスポーツイベントを通して「価値」や「意義」を伝えていく。
小学生から大学生、いや社会人まで、楽しみながら学ぶ環境を整えられるか。2020年から未来に向けた課題のひとつである。
冬季五輪が札幌で開催され、高まった市民のスポーツへの欲求が、なぜ冬季スポーツ実施率の向上につながらなかったのか。北海道新聞 東京報道センター編集委員の渡辺徹也氏に執筆いただきました。
執筆者:渡辺 徹也 View moreオリンピックのレガシーとは競技施設や技術革新という形のあるものだけではない。
若者に発想の転換をもたらし社会の形を変える原動力となった精神的なものを最大のレガシーと呼びたいと私は思っている。
安倍政権の掲げる「地方創生」の推進と相俟って、競技の開催はなくても、2020年大会の経済効果の恩恵にあずかろうとしている地方自治体は多い。
執筆者:三﨑 冨査雄 View moreスポーツ・メガイベントが都市を再生するという神話が生まれたのは、1992年の夏季オリンピック・バルセロナ大会だ。
記念碑的なメインスタジアムはもちろん、交通インフラがアップグレードされ、街並みは綺麗に生まれ変わる。
それに釣られて観光客も投資も集まって、都市の経済成長が約束される。これが「神話」だというのは、バルセロナ以降同じストーリーで語ることのできる都市はひとつも現れていないからだ。
高校野球選手権大会歌「栄冠は君に輝く」の作曲など、スポーツ音楽において数多くのレガシーを残した古関裕而。
最大の仕事と考えたのが、1964年東京オリンピックの「オリンピック・マーチ」であった。古関裕而の軌跡を辿る。
ここ30年ほどのオリンピックの中で、リレハンメルは最も印象に残った大会のひとつだったと言えるだろう。
1994年の第17回冬季大会は、環境面でかつてなく強いアピールを打ち出し、オリンピック運動にとって環境問題がきわめて重要な要素であることをあらためて示す役割を果たしたのだ。
我が国の企業、とりわけ中小企業が、収益力や企業価値をさらに高めるための一つの方策として、海外での事業展開を積極化していくことが望ましいわけだが、世界的に注目度の高いイベントであるオリンピック・パラリンピックに製品やサービスを提供した企業が、これをきっかけに国内のみならず海外での事業を拡大していければ、そのことが2020年東京大会の貴重なレガシーの一つであったと位置づけられるだろう。その後押しのためにも、ロンドン大会でのSRSと同様の取り組みが我が国でも進められることを期待したい。
執筆者:三﨑 冨査雄 View moreロンドンに倣うならば、まず必要なことはボランティアを認識し、大会を支える人材として最高のリスペクトを示す文化を構築することであろう。ボランティアという言葉と同時に「無償性」ばかりが引き合いに出され、「無償の労働」などの議論が飛び交っているようでは、ボランティアに真剣に取り組む人たちに大変申し訳なく思う。
執筆者:二宮 雅也 View more高校野球選手権大会歌「栄冠は君に輝く」の作曲など、スポーツ音楽において数多くのレガシーを残した古関裕而。
最大の仕事と考えたのが、1964年東京オリンピックの「オリンピック・マーチ」であった。古関裕而の軌跡を辿る。
パラスポーツ、障害者スポーツの真の魅力は、目をこらして見つめなければわからない」を念頭に、義足や車いすを使いこなす難しさや、それを乗り越えて磨かれた驚異の技などを紹介。
さらに、理解促進に欠かせない「メディア」の在り方などを検証しました。
大学連携プログラムというのは、全国の大学・短期大学と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が各校個別に協定を結んで2014年に始めたプログラムである。これまでに日本にある大学や短大のおよそ800校が組織委と協定を結んでおり、連携校は全国に広がっている。
執筆者:藤原 庸介 View moreロシアによる国家ぐるみのドーピング事件の混乱に終息の兆しさえも見えないなかで、2016年のオリンピック・パラリンピックリオデジャネイロ大会は開催された。
国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)がロシア選手団の参加の可否について異なる判断を示したことについては、スポーツ界を超えて社会全体からの注目を集めた。
長野のボランティアが残したレガシーは、はたして2020年東京大会にあてはめることができるのだろうか。
前述したように、長野のボランティアは“手作り”からはじまった。世界的な大都市で行われる2020年大会は、長野大会とは規模が全く違う。そこでは極めて都市化されたボランティアのあり方が求められるのであろう。
また1998年と2020年とでは時代が変わっている。人々の考えや社会のあり方も変化している。しかし都市の規模や時代が違っていても変わらないのは、ボランティアは“お金”や“経済”とは異なる価値観で動くということではないだろうか。ボランティアを動かすのは“思い”や“感動”なのである。主催者はそこから目を離してはいけない。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、レガシーとして施設を残せばよいということではないと思う。スポーツ実施率が高まり、運動習慣を身につけ、健康で長生きする人が増えること、つまりレガシーとして「健康な国民」を残せればよいのではないだろうか。
執筆者:後藤 忠治 View moreテレビの発達がスポーツのあり方を変えたのは何故なのだろうか。テレビ放送権料がなぜ増加し、どのようにスポーツやオリンピックの商業主義化を促したのだろうか。
執筆者:藤原 庸介 View more一校一国運動は日本で考案され、広がりをもった国際運動である。
小出さんは「そこまで意識していなかった」と話すが、日本発のレガシーとして未来に語り継ぎたい。
八方尾根スキー場で行われたアルペンスキー男子滑降のスタート地点をめぐり、引き上げを求める国際スキー連盟と、それを拒む長野オリンピック組織委員会(NAOC)の対立と自然保護団体
執筆者:川越 一 View more2020年東京大会の招致が決定した2013年からの開催までの7年間の経済波及効果をシンクタンクや調査機関などでは30兆円から35兆円と試算し、更に大会終了後の二次波及効果を2兆円規模と予測している。
執筆者:上治 丈太郎 View more国連環境計画(United Nations Environment Program :UNEP)は北京オリンピックに関する最終環境評価報告書の中で、「北京は環境のハードルを上げ、オリンピックは北京市に永続的な遺産を残した」と結論づけた。
執筆者:川越 一 View more1992年、国連は「環境と開発に関する会議(地球サミット)」で環境原則を採択、国際オリンピック委員会(IOC)は94年のパリ・オリンピックコングレスで「環境」を「スポーツ」「文化」に続くオリンピック・ムーブメントの3本柱と定める。
執筆者:佐野 慎輔 View more国際身体障害者スポーツ大会、すなわち東京パラリンピック開催当時、一人で外出もかなわず、ましてスポーツなどとはまったく縁がないというのが、当時の障害者たちが置かれた状況だったのだ。
日本の障害者スポーツとパラリンピック運動は、ここから前進を始めたのである。
スポーツ少年団こそ、1964年東京オリンピックが残した大きな遺産、レガシーである。
日本スポーツ少年団の未来を構想することこそ、新たなレガシーの創出になり得るのではないか。そう信じてやまない。
高度成長期の入り口で経済は上向きとなっており、とはいえ戦争が終わってまだ間がなく、人々は何より復興を願っていた。敗戦が、世界に追いつきたいという思いをより強めていた。そこにやって来たオリンピックである。
復興のためにも、国際社会で認めてもらうためにも、スポーツ界は否応なく世界と戦う準備をしなければならなかった。そこで、何より価値あるレガシーが残ることとなったのだ。
リオでは史上初めて難民選手団が組織された。混乱の母国を離脱、生きる道を探る人たちは少なくない。
彼らの中のスポーツに秀でた人材にオリンピックという舞台を与える。IOCの英断はきっと夢をつなぐ。一方でIOCが微妙な立場に立たされたオリンピックも、そうはなかったろう。