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パネルディスカッション「スポーツ基本法制定後、日本のスポーツはどう変わる」

笹川スポーツ財団シンポジウム「日本のスポーツのこれからを考える」の第1部では、パネルディスカッション「スポーツ基本法制定後、日本のスポーツはどう変わる?」を開催した。登壇いただいた友近氏、増田氏、中竹氏からは、それぞれの視点でスポーツ基本法そして日本における今後のスポーツのあるべき姿を述べていただいた。

7 スポーツ基本法制定後、日本のスポーツはどう変わる?

増田:

アスリートの立場からお話しますと、スポーツ基本法ができてスポーツ関連の予算が下りてきますと、競技スポーツの強化などが充実してくると思っています。そうなると、アスリートも、より責任を負う立場になると思うのです。選手たちは競技力を向上させるだけではなくて、社会にメッセージを送れるような、社会の中で尊敬されるようにならなければいけないと思っています。

今回の震災のあと、アスリートの皆さんが、競技の枠を超えて協力し合い、被災地で子どもたちにスポーツを指導しています。こういう活動がこれから大事ではないかと思います。そうすると、スポーツがより身近になってきて、社会的にも良い影響を与えることができます。このような活動が、どんどん増えればいいなと思います。
今日は本当にどうもありがとうございました。

中竹:

今日はどうもありがとうございました。最後にですね、先ほど壁を壊すというか、枠を壊すという話をしましたけれど、そのひとつのヒントとして、たぶん多様性を認めること、要するに自分の枠を超えた、自分と違う人を認めるということを具体的にやっていくことがすごく大事だと思っています。
じつは私、指導者の指導をやっていますが、同じスポーツ団体の同じコーチの人たちでさえ、普及の、要するに小中学生の普及のコーチと、高校のトップレベルのコーチたちが、勝利主義が駄目だとかですね、もっと楽しませないといけないとかっていうような議論をしてですね、同じ競技団体の同じコーチでさえ衝突しているわけです。認めていないわけですね。

でも彼らは、たとえばラグビーはサッカーと比べるとどうかっていうと、「やっぱラグビーのほうがいいんだ」って言って、サッカーを批判したりするんですね。それじゃあサッカーとラグビー、同じフットボールですっていったときに、全然違うフットボールじゃない競技団体と話すと、「やっぱりチームスポーツはいいんだ」とか言うわけですよ。で、じつは目の前に違う目標というか、高いレベルの話がくると、今日もいろんな競技の方がけっこういると思いますけど、ふだんと全然違う設定で会うと、その競技はあんまり認められないとか、こいつはあんまり認めたくないというようなことが日常生活にあると思いますけど、目標設定が変わると、スポーツ全体をどうしようってなると、仲間になってしまう。人間の心理はもうそうできていて、違う目標、要するに手を組まなければ、勝てない相手が出てくると、殺し合ってた相手が手をとり合うんですね。
というような感じで、じゃあそんなことわざわざしなくても済むようにするためには、皆さんがふだん日常生活の中で、1個目線を上にして、多様性を認めることができれば、たぶんどんどん競技の枠を超え、スポーツの枠を超え、スポーツ界でない人が自然に集まってくるスポーツ社会というか、そういうものができてくるんじゃないかと思ってますんで、今日の帰り道、スポーツ嫌いな人にぜひ話しかけてですね、スポーツの良さを伝えていただければなと思います。

友近:

本日はありがとうございました。2019年には、日本でラグビーのワールドカップがあります。それに向けて国のほうでも今活動を進めている最中です。

本日はありがとうございました。2019年には、日本でラグビーのワールドカップがあります。それに向けて国のほうでも今活動を進めている最中です。

私は、スポーツで最大幸福社会を作れたらいいなあと思っています。何かを成し遂げようとするとき、人は信じられないエネルギーを発揮すると思います。その力信じて、日本に元気を取り戻したい、元気づけたいという思いがございます。

国会議員の役目には、大きく分けて二つあります。ひとつは、法律を作ることです。そしてもうひとつは、皆さまからお預かりした税金の使い道を考えることです。今年のスポーツ予算は228億円ありますが、国民が約1億人と考えれば、皆さんがスポーツに対して納めているお金というのは、228円しかないのです。「WBCやワールドカップの試合に、チケット代をいくら払いますか?」と聞いたら、3,000円、5,000円、1万円、なかには3万円払ってもいいという方もいらっしゃいます。スポーツにはそれだけの価値があるのです。けれども国民の皆さまには、そこまでスポーツに予算を回していいというご理解をいただけないんだという認識をしています。その意味では、もっとスポーツの多様性を認められ、そしてスポーツの価値を認められるように財源を増やしていかなければならないというのが、私の大きな責務だと思っています。

大きな柱として、サッカーくじtotoの財源があります。昨年、858億円の売り上げがありましたが、その中でもスポーツに回せる財源、これは法律改正も必要ですが、3分の1が国庫に納付されています。こういったものをもっとスポーツに回せないかということも検討していかなければならないと思っています。

そして今の228億円も、学校体育の予算というものを除けば、158億円しか残りません。結局はスポーツの中に体育があるので、体育とスポーツは予算的には一緒になっています。そういったことも考えながら、力を尽くして参りたいなあというふうに思っております。

文化庁の予算が、1,000億円程度あります。先般の国会質疑の中でも質問させていただきましたけれども、文武両道というように、まさに予算も文武平等にしていただきたいということも大臣に要望させていただきました。じゃあ武がスポーツなのかというご質問には、また今度の機会にお答えさせていただきたいと思います。 本日はありがとうございました。

工藤:

今日のパネルディスカッションが、私たちがスポーツ基本法とともに一歩前進するきっかけとなればと思います。今日の議論を通じて、皆さまの心になにかひとつでもメッセージが届いていれば幸いです。ぜひ次回は、会場の半分くらいにスポーツが好きではない人に参加いただき、議論を進めていきたいと思います。ありがとうございました。

プロフィール

友近聡朗氏(参議院議員 民主党スポーツ議員連盟事務局長)
早稲田大学人間科学部卒業後、ドイツへサッカー留学。2001年に愛媛FCに入団、主将としてチームを率いJリーグ昇格へ貢献。2007年7月に参議院議員初当選。以来、「スポーツ基本法」の策定に取り組んできた。また、現在も地域でサッカー教室を開催し、子どもたちの育成に取り組んでいる。

増田明美氏(スポーツジャーナリスト・大阪芸術大学教授)
成田高校在学中、長距離種目で次々に日本記録を樹立する。1984年のロス五輪に出場。1992年に引退するまでの13年間に日本最高記録12回、世界最高記録2回更新という記録を残す。現在はスポーツジャーナリストとして活躍中。2007年7月には初の小説「カゼヲキル」(講談社刊)を発表。厚生労働省健康大使。

中竹竜二氏(財団法人日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター)
1996年早稲田大学ラグビー蹴球部主将。卒業後、英国留学にて社会学修士課程修了。2006~09年度、母校ラグビー部の監督を務め、大学選手権優勝2回・準優勝1回。杉並区三谷小学校学校運営協議会初代会長、文部科学省「熟議」委員、内閣府「新しい公共」委員など務める。

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