第3期スポーツ基本計画では、障害者の週1回以上のスポーツ実施率を40%程度(若年層は50%程度)、年1回以上のスポーツ実施率を70%程度(若年層は80%程度)とする目標を掲げています。
「障害児・者のスポーツライフ調査」(スポーツ庁)の結果
■20歳以上の運動・スポーツ実施率
令和4年度(2022年度)/週1回以上30.9%、年1回以上54.1%
令和3年度(2021年度)/週1回以上31.0%、年1回以上58.7%
令和2年度(2020年度)/週1回以上24.9%、年1回以上46.4%
■7~19歳以上の運動・スポーツ実施率
令和4年度(2022年度)/週1回以上35.3%、年1回以上64.0%
令和3年度(2021年度)/週1回以上41.8%、年1回以上73.1%
令和2年度(2020年度)/週1回以上27.9%、年1回以上50.6%
笹川スポーツ財団の2021年度『障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究』では、施設で実施されている教室やイベントへの障害種別ごとの参加状況を把握。障害者が実施するスポーツの詳細が見えてきます。
障害者専用・優先スポーツ施設の利用状況を2012年度から2019年度までみると、付き添いなどを含めた総利用者数(のべ人数)は、700~850万人前後で推移していましたが、コロナ禍の2020年度は約370万人でした。
障害者の総利用者数(のべ人数)を2012年度から2019年度までみると、250万人前後で推移していたが、コロナ禍の2020年度は約100万人です。健常者と障害者の区別なく利用者数を把握している施設があるため単純な比較はできませんが、障害者よりも健常者(付き添いなどを含む)の利用のほうが多いのはこれまでと同様の傾向になります。
障害者専用・優先スポーツ施設の利用状況を障害種別でみると、「肢体不自由」の利用者が最も多く、次いで「知的障害」、「精神障害」、「視覚障害」でした。コロナ禍前から減少傾向となっています。
障害者専用・優先スポーツ施設における障害者スポーツ教室の主な教室内容ごとに参加している障害者を障害種別にみると、多くの障害者スポーツ教室で「肢体不自由」「知的障害」が参加しています。「視覚障害」では「水泳・水中運動」(60.0%)、「聴覚障害」では「バドミントン」(60.0%)、「精神障害」では「バドミントン」(80.0%)、「水泳・水中運動」(72.5%)の教室への参加が多い状況です。重度障害者の教室内容をみると、「ボッチャ」が36.4%と最も多く、ついで「水泳・水中運動」(23.4%)、「軽スポーツ」(18.2%)でした。
障害者専用・優先スポーツ施設における種目別スポーツ大会やイベント内容ごとに参加している障害者を障害種別にみると、ほとんどの種目において「肢体不自由」の参加が多いことが分かりました。「視覚障害」では「水泳」「陸上」、「聴覚障害」では「陸上」「バドミントン」「水泳」、「知的障害」では「バドミントン」「陸上」「水泳」、「精神障害」では「陸上」「水泳」「バドミントン」への参加が多くなっています。重度障害者の参加状況をみると、「ボッチャ」が40.3%で最も多く、ついで「水泳」(19.4%)、「卓球」(9.7%)でした。2018年度調査と比べると、全ての種目で減少しています。
笹川スポーツ財団では、「障害児・者の運動・スポーツの日常化」に向けて、国内の障害者スポーツ環境の調査・研究を行っています。また、障害者スポーツを推進する外部団体と共同実践研究も実施(東京都障害者スポーツ協会や大分県障がい者スポーツ協会)。日頃の調査、実践研究から得た結果を、政策提言として発表しています。