① 日本に暮らす一人ひとりが生涯を通じて、それぞれの望むかたちでスポーツを楽しみ、幸福を感じ続けられる
誰もが、それぞれのライフステージにおいて、スポーツを望むかたち(する・みる・ささえる)で楽しみたいと考えたときに、多様な選択肢(受け皿)が用意されており、その中から自分に合った楽しみ方を主体的に選ぶことができ、スポーツを通じて人生の豊かさ、幸福感を感じ取ることができる社会の実現を目指す。
② スポーツには「多様な社会課題の解決に資する側面(=価値)がある」と日本に暮らす一人ひとりが認識している
誰もが、スポーツには「多様な社会課題の解決に資するという側面(=価値)がある」と認識した上で、その価値が最大化され、みんなが明るく健康的に生きられる社会の実現を目指す。
1991年3月に設立された笹川スポーツ財団の活動は2025年3月で34年目を迎えました。私たちは改めて、社会のニーズと自らの強み・弱みを見つめ直し、公益財団としてどのような道を歩み、ミッションの実現を目指すのかを問い直す必要があると考えました。その答えの一つとして策定したのが、中期目標・計画「SSFビジョン2030」です。
SSFビジョン2030で実現を目指す姿:
社会変革を実現するスポーツシンクタンク -研究と実践の好循環を拡大 –
SSFビジョン2030では、まず組織内の各部門や担当者のレベルで、特定のテーマにおいて研究から実践への連携を実現する「研究・実践循環モデル」の増加を短期的な目標とする。
「研究・実践循環モデル」の実績が蓄積された上で、最終的には、部門の垣根を超えた連携体制を構築し、組織全体としての研究・実践循環モデルを実現し、好循環の輪を更に拡大することで「社会変革を実現するスポーツシンクタンク」を目指す。
目指す方向性:持続可能な新たな地域スポーツ推進環境の構築
地域スポーツの現場においては、急速に進む少子高齢化などを背景に、スポーツ活動への参加者とそれをささえる担い手、スポーツを楽しめる場や時間は減少している。加えて、施設の老朽化、財源の不足など、既存の地域スポーツ推進環境は厳しい現状に直面している。また、各地域それぞれの事情やスポーツ参加者の属性(子ども/高齢者/女性/働く世代/障害者など)によっても課題は異なる。
笹川スポーツ財団は2017年に政策提言の一環としてRSMO(Regional Sport Management Organization)の概念を提唱し、これに賛同した宮城県角田市と連携協定を結び、実践研究を重ねてきた。また、障害者スポーツや子どものスポーツについても、研究活動にとどまらず、現場のプレーヤーと連携し、研究調査の結果が実践の場で活用されるよう努めてきた。さらに2024年度からは、スポーツに限らず地域のまちづくりに携わる多様なプレーヤーを巻き込み、地域課題の解決に取り組む「アクティブシティ推進事業」を開始した。
これらすべての事業に共通する要素である「持続可能な新たな地域スポーツ推進環境の構築」をSSFビジョン2030で目指す方向性として掲げる。
*研究調査事業においては、従来の重点テーマ(健康とスポーツ、障害者スポーツ、子どものスポーツ、スポーツガバナンスなど)に基づく、国全体のスポーツ施策や方向性に対する提言の策定や議論喚起も見据えた各種研究ユニットによる活動にも継続的に取り組む
私たちが目指すSSFビジョン2030、そしてその先にあるSport for Everyone社会の実現と、社会変革の実現は、笹川スポーツ財団だけの力では到底、成し得ません。
このSSFビジョン2030に共感し、ともに歩んでくださる皆様とパートナーシップを築いていきたいと考えています。
連携の対象は、地方自治体や学術関係者だけにとどまりません。私たちが共に取り組みたいのは、地域スポーツの推進環境に関わるあらゆるプレーヤーの皆様です。
*行政、競技団体、スポーツ協会、スポーツクラブ/チーム、スポーツコミッション、大学・学術機関、民間企業、NPO など
さらに、スポーツ推進に携わる方々に限らず、健康・医療、福祉、教育、その他の分野でまちづくりに関わるプレーヤーの皆様とも、積極的に連携していきたいと考えています。