Search
チャレンジデー

子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021

コロナ禍での、幼児・小学生の運動・スポーツ、運動部活動、心の健康への影響 など

笹川スポーツ財団は、2 年ごとにわが国の幼児から青少年までのスポーツの「実施頻度」や「実施時間」、「運動強度」などを調査し、現状を明らかにしてきました。

本調査は、4~11歳(標本数:2,400人)と12~21歳(標本数:3,000人)の幼児から大学生・勤労者年代を対象とし、全国225地点より年齢別の人口構成比に近似するようサンプルを抽出しています(層化二段無作為抽出法)。そして、実際の調査では、調査員が各世帯を訪問し調査票を配布。その後再度訪問し調査票を回収する「訪問留置法による質問紙調査(4~11歳では個別聴取法も併用)」を実施しています。

最新の調査結果「子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021」(調査時期:2021年6月26日~7月22日)を、2022年3月31日に刊行しました。(Amazonブックストアなどで発売中)。「新型コロナウイルス感染症の影響と子ども・青少年の運動・スポーツ」をテーマに、運動・スポーツの実施状況、運動部活動の活動状況に加え、健康認識や生活習慣の実態などを取り上げています。

 新型コロナウイルス感染拡大状況下で行われた今回の2021年調査では、2019年と比較し子ども・青少年ともに運動・スポーツ実施率にはそれほど大きな変化は確認できなかった。しかし、その内容をみてみるとコロナ禍で実施できなくなった種目がある一方で、多くの子どもがそれ以上に別の運動・スポーツや運動遊びをしていることが確認できた。新型コロナウイルス感染拡大によって学級閉鎖や部活動の中止など、子ども・青少年の運動・スポーツの機会は全体的に減少したと思われたが、実際にはその変化は一律ではなく性別や学年、運動部への加入状況などによって様々であった。子ども・青少年たちは現在の状況に適応しながら運動・スポーツ、運動遊びを行っていると言えるだろう。

 また、心の健康状態と運動・スポーツ実施との関連性をみたところ、高頻度・高強度で運動・スポーツを行う青少年ほど、抑うつ症状がないが少ない傾向が示された。ウィズコロナ時代では子どもたちの運動・スポーツ、運動遊びの機会を増やす取り組みが不可欠となる。様々な場所で多様な運動・スポーツを楽しめる場が必要であり、学校だけではなく地域・家庭の役割は今後より一層重要となると言える。 

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー 武長 理栄


主な調査結果 詳細

【4~11歳のスポーツライフ】

4~11歳の運動・スポーツ実施頻度 → 新型コロナウイルス感染症の影響はそれほど大きくない

 2021年調査の全体では「高頻度群」が45.4%と最も高く、前回2019年調査(45.5%)から横ばいでの推移となった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、運動・スポーツ、運動あそびの実施が制約される時期があったものの、年間の実施頻度への影響はそれほど大きくなかったと考えられる。

 なお、非実施群「過去1年間にまったく運動・スポーツをしなかった」、低頻度群「運動頻度が年1回以上週3回未満」、中頻度群「運動頻度が週3回以上週7回未満」、高頻度群「運動頻度が週7回以上」の子どもが該当する。

過去1年間によく行った運動・スポーツ種目 → 運動あそび種目が増加

4~11歳の、過去1年間によく行った運動・スポーツ種目の実施率上位10 種目について、2017~2021年の推移を示した。2021年は1位「おにごっこ」57.3%(前回調査比4.7ポイント増)、2位「自転車あそび」30.3%(前回調査比2.7ポイント増)、3 位「なわとび」30.2%(前回調査比5.8ポイント増)と、運動あそび種目が上位を占めた。5位の「水泳(スイミング)」27.3%(前回調査比6.8ポイント減)は前回2位から順位を落とした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プールを使えない時期があったことや、人との身体接触が少ない種目の実施が増加したと考えられる。

【図表2】4~11歳の過去1年間に「よく行った」運動・スポーツ種目の年次推移(複数回答)

2017年(n=1,542) 2019年(n=1,491) 2021年(n=1,449)
順位 実施種目 実施率
(%)
順位 実施種目 実施率
(%)
順位 実施種目 実施率
(%)
1 おにごっこ 47.3 1 おにごっこ 52.6 1 おにごっこ 57.3
2 水泳(スイミング) 34.2 2 水泳(スイミング) 34.1 2 自転車あそび 30.3
3 自転車あそび 30.4 3 ドッジボール 29.0 3 なわとび(長なわとびを含む) 30.2
ドッジボール 30.4 4 自転車あそび 27.6 4 ドッジボール 29.2
5 ぶらんこ 25.4 5 サッカー 26.0 5 水泳(スイミング) 27.3
6 サッカー 24.3 6 ぶらんこ 25.7 6 ぶらんこ 26.8
7 なわとび(長なわとびを含む) 22.2 7 なわとび(長なわとびを含む) 24.4 7 サッカー 22.5
8 かくれんぼ 16.6 8 かけっこ 17.9 8 鉄棒 21.3
9 鉄棒 16.2 9 かくれんぼ 17.2 かくれんぼ 19.8
10 かけっこ 13.7 10 鉄棒 17.0 10 かけっこ 17.1

資料:笹川スポーツ財団「4~11歳のスポーツライフに関する調査」2021( p.70 【表1-8】)

 

 

【12~21歳のスポーツライフ】

中学校期・高校期における運動部活動 → 土日の活動日数が2017年調査より大幅に減少

 中学校期で2021年をみると、「土日とも活動している」が14.5%(2017年調査比32.9ポイント減)、「土日のどちらか1日は活動している」が79.3%(2017年調査比32.2ポイント増)、「土日とも活動していない」が6.3%(2017年調査比0.7ポイント増)であった。

 高校期では、2021年は「土日とも活動している」が36.4%(2017年調査比20.0ポイント減)、「土日のどちらか1日は活動している」が52.4%(2017年調査比15.7ポイント増)、「土日とも活動していない」が11.1%(2017年調査比4.2ポイント増)となっている。

 スポーツ庁は2018 年に「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定し、学期中は週あたり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1 日、土曜日及び日曜日は少なくとも1 日以上を休養日とする)としている。2019 年調査に引き続き、活動日数の短縮化が進み、特に中学校においてガイドラインに沿った活動を行う学校が増えている状況が確認できる。

12~21歳の運動・スポーツ実施レベル → 過去1年間、運動・スポーツを行わなかった割合が減少

 12~21歳の運動・スポーツ実施レベルをみると、この1年間まったく運動・スポーツを行わなかった「レベル0」は19.7%と前回調査から2.0ポイント減少した。実施頻度が週1回以上週5回未満の「レベル2」は21.8%(前回調査比1.5ポイント増)、週5回以上の「レベル3」は21.9%(前回調査比3.7ポイント増)となったが、120分以上のややきつい以上の運動を週5回以上行う「レベル4」21.8%(前回調査比2.9ポイント減)と、高頻度・高強度で運動・スポーツを実施している青少年は減っている様子が読み取れる。

 

 

【心の健康(2021年新調査項目)】

12~21歳の心の健康 → 約7割に抑うつ症状が確認されず。

 12~21歳を対象に、思春期のこどもを対象とした抑うつ症状の重症度尺度であるPatient Health Questionnaire for Adolescents(PHQ-A)日本語版を用いて、心の状態をたずねた。なお、本調査では、9項目の質問のうち「死んだ方がましだ、あるいは自分を何らかの方法で傷つけようと思ったことがある」の設問を削除したPHQ-8を用いた。

 4段階(全くない:0点、数日:1点、半分以上:2点、ほとんど毎日:3点)でたずね、合計得点(最小0点~最大24点)が高いほど抑うつ症状が重いことを示す。評価は、0~4点「全くない」、5~9点「軽度」、10~14点「中等度」15~19点「やや重度」、20~24点「重度」となる。

 全体では「全くない」68.9%と、7割に抑うつ症状は確認されなかった。性別・学校期別では「全くない」の割合は、いずれの学校期においても男子が70%台、女子が60%前後で、女子の高校期が「軽度から重度」は40.1%と、最も抑うつ症状の傾向がみられた。

運動・スポーツ実施と心の健康 → 高頻度・高強度で運動・スポーツを行う子どもほど、抑うつ症状がない傾向

 運動・スポーツ実施レベル別にみたPHQ-8得点の判定結果を示した。「全くない」の割合は「レベル0」65.4%、「レベル1」64.6%、「レベル2」67.2%、「レベル3」69.4%、「レベル4」76.1%と、「レベル1」以降はレベルが上がるにつれ割合は高くなる。また「レベル4」は「軽度」「中程度」「やや重度」の割合が最も低く、高頻度・高強度での運動・スポーツ実施と心の健康状態との関連性が示唆された。

 

 

【生活習慣】

12~21歳のメディア利用状況 → 「5時間以上」の割合が、平日・休日ともに大幅増

 12~21歳の平日のメディア利用時間(学校の授業や仕事以外のスマートフォン、テレビ・DVDの視聴、パソコン、ゲーム(テレビ・パソコン・携帯式のゲーム機などを含む)など)を示した。

 2021年は「2~3 時間未満」が22.9%と最も多く、次いで「5時間以上」が18.3%であった。2019 年と比較すると、3 時間以上メディアを利用している割合は33.2%から47.5%と14.3ポイント増加しており、特に「5時間以上」と回答した割合は2019 年の9.3%から18.3%と9.0ポイント増加と約2倍である。メディアと長時間接触している青少年の増加が顕著である。新型コロナウイルス感染拡大の影響による在宅時間の増加が要因のひとつと考えられる。

 休日のメディア利用時間をみると全体では「5時間以上」が34.3%で最も多く、平日と比べて休日はメディアとの接触時間は長くなる。年次推移をみると、「5時間以上」は2017年から2019 年にかけては減少傾向を示していたが、今回調査では2019 年から11.8ポイント増加した。休日においても新型コロナウイルス感染拡大の影響がうかがえる。

 

 

子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021

4~11歳のスポーツライフに関する調査(子ども) 12~21歳のスポーツライフに関する調査(青少年)
調査対象 1)母集団:全国の市区町村に在住する4~11歳
2)標本数:2,400人
3)抽出方法:層化二段無作為抽出法
1)母集団:全国の市区町村に在住する12~21歳
2)標本数:3,000人
3)抽出方法:層化二段無作為抽出法
調査方法 訪問留置法による質問紙調査
(4~11歳は個別聴取法併用)
調査時期 2021年6月26日~7月22日
調査内容 本人対象
1)運動・スポーツ実施状況:
運動・スポーツ実施、過去1年間に1回以上実施した種目、過去1年間でよく行った種目(主な5種目)、実施頻度、実施時間、運動強度、実施時間帯、同伴者、スポーツ指導者
2)運動・スポーツ施設:
利用施設・場所
3)スポーツクラブ:
スポーツクラブの加入状況、加入クラブの種類
4)運動・スポーツへの意識:
運動・スポーツの好き嫌い、運動・スポーツをした理由、しなかった理由
5)習いごと:
習いごとの実施状況、習いごとの種目
6)スポーツ傷害:
過去1年間の1週間以上活動を休むようなケガの有無、ケガの部位・内容、ケガをした時期
7)新型コロナウイルス感染症の影響:
運動・スポーツに関する時間や環境の変化、気持ちの変化
8)個人属性:
年齢、性別、就学状況

保護者対象
1)運動・スポーツ実施状況:
父母の実施頻度、家族での運動・スポーツ実施、観戦、会話の状況、保護者のスポーツ活動歴
2)子どものスポーツ活動・習いごとへの関与:
子どものスポーツ活動にかける費用、子どもの芸術・文化・学習関係の習いごとにかける費用、子どもの運動・スポーツに対する保護者の期待
3)子どもの生活習慣:
子どもの朝食摂取状況と食欲、子どもの排便頻度、子どもの就寝時刻・起床時刻(平日・休日)、子どものメディア利用時間(平日・休日)、子どもの通園・通学方法と日数・時間(片道)
4)個人属性:
保護者の続柄、職業、同居家族、婚姻状況、世帯年収
本人対象
1)運動・スポーツ実施状況:
運動・スポーツ実施、過去1年間に1回以上実施した種目、過去1年間でよく行った種目(主な5種目)、実施頻度、実施時間、運動強度、実施時間帯、同伴者、スポーツ指導者
2)運動・スポーツ施設:
利用施設・場所
3)スポーツクラブ・運動部:
スポーツクラブ・運動部への加入状況、加入クラブの種類、運動部活動の活動状況、指導者に対する印象
4)スポーツ傷害:
過去1年間の1週間以上活動を休むようなケガの有無、
ケガの部位・内容、ケガをした時期
5)運動・スポーツへの意識:
運動・スポーツの好き嫌い、運動・スポーツをした理由、しなかった理由
6)スポーツ観戦:
直接観戦、直接観戦したスポーツ種目、今後直接観戦したいスポーツ種目、メディアでの観戦、メディアで観戦したスポーツ種目、メディアで観戦した映像や動画の内容
7)好きなスポーツ選手:
好きなスポーツ選手名(種目)
8)スポーツボランティア:
活動状況、活動の内容、活動のきっかけ、活動の楽しさ、今後の活動希望
9)新型コロナウイルス感染症の影響:
運動・スポーツに関する時間や環境の変化、気持ちの変化
10)健康認識・生活習慣:
心の健康、運動不足感、主観的健康感、朝食摂取状況と食欲、就寝時刻・起床時刻(平日・休日)、通学・通勤方法と日数・時間(片道)、メディア利用時間(平日・休日)
11)身体活動:
1週間に行った活動的な身体活動日数
12)個人属性:
年齢、性別、学校・学年

保護者対象
1)運動・スポーツ実施状況:
父母の実施頻度、保護者のスポーツ活動歴
2)子どものスポーツ活動・習いごとへの関与:
子どものスポーツ活動にかける費用、子どもの芸術・文化・学習関係の習いごとにかける費用、子どもの運動・スポーツに対する保護者の期待
3)個人属性:
保護者の続柄、職業、同居家族、婚姻状況、世帯年収
回収結果 有効回収数(率):1,496(62.3%) 有効回収数(率):1,663(55.4%)

子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021
4~21歳のスポーツライフに関する調査報告書

仕様
A4判(29.7x21.0)/224ページ
価格
定価4,180円(定価3,800円+税10%)
発売日
2022年3月31日

SSFスポーツライフ調査委員会

委員長
高峰 修(明治大学 政治経済学部 教授)
委員
青野 博(公益財団法人 日本スポーツ協会 スポーツ科学研究室 室長代理)
大勝 志津穂(愛知東邦大学 人間健康学部 教授)
甲斐 裕子(公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所 上席研究員)
鎌田 真光(東京大学大学院 医学系研究科 講師)
佐々木 玲子(慶應義塾大学 体育研究所 教授)
澤井 和彦(明治大学 商学部 准教授)
野井 真吾(日本体育大学 体育学部 教授)
横田 匡俊(日本体育大学 スポーツマネジメント学部 准教授)
吉田 智彦(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策ディレクター)

笹川スポーツ財団

武長 理栄(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー)
宮本 幸子(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー)
鈴木 貴大(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策オフィサー)
姜 泰安(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策オフィサー)
データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴をの把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2021年度

担当研究者