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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

フリークライミング

自己の身体能力を駆使して急峻な岩壁を登るスポーツ

概要

傾斜が緩ければ足だけでも登れますが、傾斜が増してくると、手を使わないと登ることは困難になります。ロッククライミングは、足だけではなく手も使い急峻な岩を登るスポーツです。 岩の凹凸を直接手足で保持して登ることをフリークライミングといい、クライミングの根元的なスタイルです(それに対し、人為的支点に体重をあずけて登ることをエイドクライミングといいます)。墜落時の安全確保のためにロープを使用することもありますが、人工的な手段を使わないことが前提ですので、自分の身体能力を駆使して登るほかありません。

ロッククライミングの対象は、そのスケールや自然条件によっていくつかのカテゴリーに分かれています。比較的規模の小さな岩場を登ることを“クラッグ(崖の意味)クライミング”といいます。小さい岩場では、大きな岩壁や山岳でのクライミングとは異なり、いかに急峻で手がかりに乏しくともフリークライミングで登るのが普通です。フリークライミングは本来スタイルを表す言葉ですが、日本の場合はやや他国とは異なる歴史的事情により、このクラッグクライミングを指してフリークライミングと呼んでいます。

フリークライミングの中でも、一般的には5m程度までの高さの岩をロープを使わずに登ることを“ボルダリング”と呼び、最近特に人気が高まっています。

フリークライミングは、日本では登山の一部門という認識がありましたが、1980年代後半以降、強固な確保支点の導入により安全性が高まったことと、それにともない“スポーツクライミング”と呼ばれるスタイルが普及した結果、登山とは一線を画したスポーツとしての色彩が強くなってきました。90年代以降は屋内に人工壁を設置した“クライミングジム”が各地に開設され、手軽に楽しめるようにもなりました。

競技種目

競技としてのクライミングは、国際的にはIFSC(国際スポーツクライミング連盟)がそのルールを定めています。

競技種目は、到達高度(距離)を競う『リード』、スピードを競う『スピード』、5m程度までの壁を使って複数のルートを登り、完登したルート数を競う『ボルダー』の3つがあります。通常これらの競技はすべて人工壁で行ないます。人工壁以外では公認された国際大会は実施できません。

『リード』は下からの安全確保を受けて、クライミングロープをルート中の支点に通しながら登るスタイルで行ないます。与えられた時間内で、最終的に保持したホールド(手がかり)の高さで成績を決定します(通常は力尽きて墜落した時点で保持していたホールドとなります)。

『スピード』では上方から安全確保される“トップロープ”で、タイムを競います。
予選は全選手が順番に登りますが、決勝では2名ずつ組になっての勝ち抜きトーナメントになります。

『ボルダー』ではロープは使用せず、落下した場合に衝撃を吸収するためのマットを下に敷きます。4~6本のルート(ボルダー)をそれぞれ与えられた時間内にいくつ登れたかを競います。登りきれない場合も一定の高さに達することができればそれがポイントになります。また、登りきるまでに要したトライ数もカウントされ、同じ完登数であればトライ数の少ない人が上位となります。

クライミングの競技化の始まりは旧ソ連で、現在のスピード競技の原型となるものが1950年頃から開催されていました。その後、80年代にフランス、イタリアなどでリード競技が実施されるようになり、さらに90年代後半に、ボルダー競技の国際ルールが規定され現在にいたっています。

お問い合わせ先

NPO法人 日本フリークライミング協会