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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

ローンボウルズ

曲線を描いで転がるボウルの動きが静かな興奮を呼ぶ、英国生まれの社交スポーツ。

ローンボウルズの歴史・発祥

ローンボウルズの歴史・沿革

ローンボウルズの起源は非常に古い。ローンボウルズは、目標球にボウルを近づけるゲームだが、同じようなゲームは、古代から存在したと言われている。その歴史は紀元前5200年頃の古代エジプトで、近年のピラミッドの遺跡調査により一対のボウルと目標球が発見されており、古代エジプトからギリシャ、ローマへとゲームは伝えられていったと考えられている。

現在、楽しまれているゲーム形式の原形と考えられるローンボウルズは、13世紀のイギリスで行われていたものだ。当時、ゲームの人気はとても高く、1336年にエドワード3世によって禁止令が出されたのは人気の高さも理由の一つだったといわれるほど。16世紀後半のエリザベス1世時代には、文豪シェークスピアも楽しんだと言われる。イングランド王国には国王から一般の民まで広く楽しまれ、ローンボウルズが身近にあったのだ。

近代的な統一組織が最初につくられたのは1880年、オーストラリアのニューサウスウェールズです。以後、1892年にスコットランド協会、1903年にイングランド協会と、各国にボウルズ協会が組織され、1905年には国際ボウリング(ボウルズ)委員会(International Bowling Board/IBB)が結成された。IBBは1992年に世界ボウリング委員会(World Bowling Board/WBB)と改称され、さらに2002年にワールドボウルズ(World Bowls Ltd./WB)と改組され現在に至る。
また、ローンボウルズ競技の国際統括団体は男女別々だったが、WB設立と同時に男女の組織が統一された。

このように、ローンボウルズは百数十年以上前からグローバルに展開してきたスポーツであり、歴史をみると古くからイギリスのスポーツ文化の影響を色濃く受けてきたと言える。

日本は1966年にIBBに加盟した後、数回の組織変更・統合などを経て、現在は2008年に認証されたNPO法人ローンボウルズ日本(Bowls Japan/BJ)が日本を代表する統轄組織としてWBに加盟し、活動に参加している。

ローンボウルズは年齢や体力、性別や障がいの有無などに関係なく、誰もが一緒に楽しめる生涯スポーツとして最適のスポーツでもある。世界的に見るとイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど主に英連邦の国や地域を中心に広がり、競技人口は世界で200万人以上(推定)と言われる。アジアでは香港やマレーシアなどで盛んで、近年日本でもその健康性が広まり、競技人口や愛好家が増えている。

ローンボウルズの概要

ローンボウルズの歴史・沿革

ローンボウルズは、カーペット状に整備された芝生の上で、合成樹脂でできた約1.5kgのボウルを転がして目標球(ジャック)に近づけることを競うゲームで、よく似た種類のゲームには、ペタンクやボッチャがある。カーリングもそのひとつで、ゲームのエッセンスを氷上に移したスポーツと言える。

ローンボウルズの特徴はボウルの重心が偏っている、偏心球であることだ。そのため、ボウルのスピードが遅くなるにつれて弓形の大きなカーブを描きながら転がっていく。ボウルが描くカーブと芝の状態を予測しながら、できるだけジャックに近づけて停止させることに、難しさと面白さがある。

ゲームは、幅約5.5m×長さ約35mの長方形の専用コート(リンク)で行われる。一般的な競技場(グリーン)は約35m四方に作られており、そのスペースを6または8等分する。各スペースはリンクと呼ばれ、1リンクで1競技が行われる。

競技は全4種類。1対1(シングルス)の個人戦から、2対2(ペアーズ)、3対3(トリプルズ)、4対4(フォアーズ)のチームプレイまである。競技する人数や使用するボウルの数が増えると、ただジャックに近づけるだけでなく、相手のボウルをはじいたり、ブロックしたり、ジャックを移動させたりするといった戦略も必要となってくる。

ローンボウルズのルール

【競技の進め方】
A(黒)対B(赤)というシングルスのゲームを例とした説明。シングルスでは1プレーヤーが4球のボウルを使用する。
1:トス(じゃんけん)などで先攻を決める(例ではA(黒)が先攻とする)。
2:Aがジャックを転がし、目標球の位置を決める。
3:Aが1球目を投球。
4:B(赤)が1球目を投球。
5:Aが2球目を投球。
6:Bが2球目を投球。
以下同様にして、両者が4球ずつ投げ終えたら、1エンド終了となり、ジャックの周囲のボウルの配置から、そのエンドの得点を数え点数を競い合う。

【得点のつけ方】
1エンド終了時点で、ジャックの周囲には図のようにボウルが停止していたとする。黒い円はAのボウル、赤い円はBのボウル、白い円はジャックを表す。
・図の状態では、赤のほうが黒よりジャックに近い位置で停止しているので、得点権は赤にあると判定される。

・次に、得点権のない黒のボウルのうち、ジャックに一番近いボウルを探す。図では左端の黒ボウルになるので、この黒ボウルよりもジャックに近い赤ボウルの数が赤の得点となる。この例では、赤に2点が入り、このエンドは、2対0で赤の勝ちとなる。

【勝敗】
国際大会では、シングルスでは21点先取したほうが勝ちとなる。また、ペアーズ、トリプルズ、フォアーズでは18エンド繰り返し、各エンドで獲得した得点の合計点で勝敗を決定する。試合時間は、長いときには1ゲームに約3時間ほどかかる場合もある。国内競技会では1試合8~12エンドが一般的で、70~90分ほどかかる。

ローンボウルズのコート・用具

【道具】
■ボウル:直径116mm~131mm、重さ=1.59キログラム以下、合成樹脂製、色は多種あり
■ジャック:直径63mm~64mm、重さ=225グラム~285グラム、合成樹脂製、白または黄色
■マット:長さ600mm×幅360mm

【コート(グリーン)】
・矩形または正方形
・長辺または1辺が31m~40m
・競技場表面は水平面でなければならない
・材質は天然芝、または人工芝(屋外)かカーペット(主に室内)
・周囲にディッチ(溝)が掘られている。ディッチは溝幅200mm~380mm、溝深さ50mm~200mm
・ディッチの外側にバンクがある。高さはグリーン表面より230mm以上必要。
・各リンクは幅4.3m~5.8m 長さ31m~40m

公式サイト

NPO法人 ローンボウルズ日本