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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

「スポーツネットワークかくだ(スポネットかくだ)」設立の詳細経緯(2016年~2019年)

【2016年度】ヘルスツーリズム・スポーツツーリズムを目指して

角田市は第5次長期総合計画(2011年度~2021年度)において、「人と地域が輝く田園交流都市 かくだ」を都市像に掲げ、交流人口100万人都市の実現に向け、さまざまな施策を進めました。

道の駅(2019年4月オープン)を「賑わいの交流拠点施設」と位置づけ、隣接する角田中央公園などのスポーツ施設群を活かし、ヘルスツーリズム・スポーツツーリズムの展開を図り、交流人口の増加を目指しました。

2016年、地方創生推進交付金を活用し、「交流人口100万人都市」の実現、地域活性化を目的にChallenge Million 2016協議会が創設されます。その中に、ヘルスツーリズム・スポーツツーリズムを目指し、市の生涯学習課が主体となった「スポーツ専門部会」を設置。体育協会(当時)、スポーツ推進委員、公共スポーツ施設指定管理者、総合型クラブなどが招集されました。それまでスポーツ関係者が一堂に会する機会が少ないなかで、スポーツ専門部会の設置を機に、情報交換や問題意識の共有が進みます。

SSFは、地方創生推進交付金申請の段階から、書類作成などに対するアドバイスを行いました。スポーツ専門部会にも「スポーツと道の駅との連携についての調査・分析業務支援・実践アドバイザー」として参加。「道の駅」と「スポーツ」との連携に向けて、他の総合的スポーツ施設と比較し、角田市の既存スポーツ施設の現状と課題を整理しました。

Challenge Million2016協議会 スポーツ専門部会は、既存スポーツ施設を有効活用した角田市のヘルス・スポーツツーリズムのあり方・方向性等について分析を行い、2017年3月に「スポーツと道の駅の連携のあり方についての調査分析報告書 ~かくだ版のスポーツツーリズムの推進に向けて~」を発表しました。

【2017年度~2018年度】角田市のスポーツ推進をサポート

2017年、文部科学省では、スポーツ基本法に基づき、第2期スポーツ基本計画を策定しました。「スポーツを通じた地域活性化」については、スポーツツーリズムの強化や地域スポーツコミッションの設置数を拡大することが明記されました。このことにより、角田市が実現に向けて取り組んでいる、「スポーツ×角田産食材×健康」をコンセプトとしたヘルス・スポーツツーリズムへの期待も高まります。

角田市が道の駅OPENに向け準備を進める中で、SSFと協同でスポーツ人材(指導者やイベントボランティア)の現状や課題、育成などに関する研修会を複数回実施。角田市のスポーツ推進を加速するべく、双方で協力し継続して事業を進めていました。

また、SSFは、2017年3月に政策提言「地域スポーツ推進体制の再構築に向けた方策」および「公共スポーツを施設を人々が集う場とするための方策」を発表。2018年7月に、SSFは「新たな地域スポーツプラットフォーム形成に向けた実践研究 ~スポーツコミッションの分類と地域スポーツ運営組織(RSMO)の形成に向けた検討~」を報告しました。

【2019年度】スポネットかくだの設立

2019年9月に「スポーツネットワークかくだ」(スポネットかくだ)を設立

2019年4月、角田の新交流拠点「道の駅かくだ」がオープン(仙南エリア3番目の道の駅)。角田産の魅力あふれる農産物・加工品・飲食メニューを発売するとともに、角田中央公園、スポーツ交流館、陸上競技場、野球場などが揃う「かくだスポーツビレッジ」(略称:Kスポ)も隣接しています。地元住民の健康づくりの空間、スポーツイベント・大会の実施など、「道の駅」と「スポーツ」の連携がスタートしました。

第2期スポーツ基本計画の策定により、スポーツを通じた地域活性化、地域スポーツ振興が期待を集める一方、地方自治体では少子高齢化、人口減少の問題が進み、これまでのように各スポーツ団体が個別に事業を展開する形では、地域スポーツ推進は立ち行かなくなり、住民の健康や経済面において影響がでてくると予想されます。各団体・組織が個別に事業を展開すると、団体・事業間の連携が十分に図られず、情報交換や問題意識の共有も進みにくくなり、事業体として経済的な自立も困難となります。

そこで、角田市・角田市教育委員会・NPO法人スポーツコミュニケーションかくだとSSFは、連携協定を締結し、SSFが、地域スポーツを推進する新たなプラットフォームとして政策提言を行った「地域スポーツ運営組織(RSMO)」の設置・運営について、共同実践研究として取り組むこととしました。

そして9月に、「スポーツネットワークかくだ」(略称・スポネットかくだ)が設立されました。

地域スポーツ運営組織(RSMO)」は、地域のスポーツに関わるヒト・モノ・カネ・情報を集約し、課題を共有、連携して課題解決を図るための連絡調整を担う組織です。地域住民のスポーツ参加機会を促進する「インナー施策」に加え、最終的には、スポーツを活用して地域や経済の活性化を促す「アウター施策」による収入で継続した運営を目指していきます。

スポネットかくだの構成団体(9団体、設立時)

①角田市スポーツ協会
②角田市スポーツ少年団本部
③NPO法人スポーツコミュニケーションかくだ(総合型地域スポーツクラブ)
④公益財団法人 角田市地域振興公社(総合体育館等指定管理者)
⑤株式会社 フクシ・エンタープライズ(屋内温水プール選定管理者)
⑥角田市スポーツ推進委員協議会
⑦ベガルタ仙台レディース角田ホームゲーム協議会
⑧株式会社まちづくり角田(道の駅かくだ指定管理者)
⑨仙台大学

※支援・実践アドバイザー 笹川スポーツ財団
吉田 智彦(シニア政策ディレクター)
鈴木 貴大(政策オフィサー)
設立日:2019年9月20日

スポネットかくだの組織体制(設立後~2020)

スポネットかくだは、角田市のスポーツの課題を解決するために、課題を抽出する懇談会を開催し、具体的解決に向け、専門チームを設置しさまざまな取り組みを進めていきます。

<懇談会>
構成団体の連携を中心としながら、構成団体だけでは把握できない課題抽出と情報共有が必要になるため、「健康スポーツ懇談会」を設置しました。さまざまな年代の健康・スポーツに関する課題を把握することが主たる目的で、各年代における所属団体(保育所・幼稚園・学校・企業・サークルなど)と連携が重要です。

<専門チーム>
懇談会で議論された各課題に対して課題ごとに専門的な知識、経験を有する関係者で構成する「専門チーム」を設置し、課題解決方法を具体的に検討します。設立後は、2019年に、スポネットかくだの将来ビジョンや取り組みを効果的に発信し、関係団体や地域住民と共有するために「情報発信チーム」を常設配置、また、Kスポと道の駅かくだの連携について検討する「Kスポと道の駅の健康拠点化チーム」、2020年には「幼児スポーツチーム」も設置しました。