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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

第2回TAFISA欧州スポーツ・フォー・オール ゲームズが開催

2TAFISA欧州スポーツ・フォー・オール ゲームズが、イタリアのペルージャを主会場として、イタリア国内4か所で2022923日から29日にかけて開催されました。40以上の伝統スポーツやニュースポーツの紹介、デモ競技、体験会が催され、20か国と地域から参加がありました。本大会の開催に合わせて、国際スポーツ・フォー・オール協議会(TAFISA)の理事会も開催され、TAFISA理事である笹川スポーツ財団(SSF)常務理事の玉澤も参席いたしました。

開会式の様子

開会式の様子

TAFISA 会長(左から2人目)と大会主催者

TAFISA 会長(左から2人目)と大会主催者

開催されたスポーツをいくつかご紹介します。

1. Turca(トゥルカ)

ルーマニアやモルドバ共和国周辺の伝統的なスポーツで、2つのチームに分かれてプレーします。6080cmほどの木製の棒(Ciomag:チオマグ)と、鉛筆ほどの長さ(1520cm)で両端が細くとがった木の棒(Turca:トゥルカ)をボール代わりに使用します。地面に置いてあるトゥルカをチオマグで打ち、相手チームが飛んできたトゥルカを地面に着く前にキャッチするとアウトとなり、次の人に交代します。チームメンバー全員が打ち終わると、チームの攻守を交代します。チームでトゥルカを打った総回数などで得点をつけ、勝敗を決めます。

木の棒の長さや太さは違えど、同様の資材を使ったスポーツをイタリアでは「Lippa(リッパ)」と呼びます。ただ、上記のトゥルカとは異なり、地面にある木の棒を叩き空中に跳ね上がった時に再度打ち、その飛距離を競います。

Truca(トゥルカ)

Truca(トゥルカ)Photo © Marco Tomasini

Truca(トゥルカ)

Truca(トゥルカ)Photo © Marco Tomasini

<参照>

Truca(トゥルカ) https://www.eufesttsg.eu/turca/
Lippa(リッパ) https://www.eufesttsg.eu/lippa/

2.チーズ投げ競争

エトルリア文化(古代ローマ成立前のイタリア文化)に発祥とも言われる伝統ある「チーズ投げ競争」。熟成が進み、非常に硬くなったチーズの塊に紐やロープを巻き、道路で投げ、一番遠くに投げた人の勝ちです。チーズの重さによってカテゴリーが分けられ、1kgから最大で25kgを超える重さのチーズを投げます。

投げるチーズと紐

投げるチーズと紐

TAFISA事務局長も体験

TAFISA事務局長も体験

<参照> https://www.eufesttsg.eu/launch-of-the-form-of-cheese/

その他のスポーツ

綱引き(Tug of War)、トレーニングの際に使用する「ケトルベル」を使った「ケトルベル上げ」など、日本でも馴染みのある用具や器具を使ったスポーツも行われました。

綱引き競技の様子  

綱引き競技の様子  

ケトルベル上げの様子

ケトルベル上げの様子

市中での体験イベントの様子①

市中での体験イベントの様子①

市中での体験イベントの様子②

市中での体験イベントの様子②

大会期間中に開催されたTAFISA理事会においては、継続してスポーツ・フォー・オールの普及をいかに図っていくべきか?や、TAFISAそのものの持続可能な発展を図るための戦略について積極的な議論が交わされました。SSFの玉澤もアジア地域を代表するTAFISA理事として地域を牽引し、世界のスポーツ・フォー・オールコミュニティとのパイプ役として責務を果たしてまいります。

TAFISAThe Association For International Sport for All

スポーツ・フォー・オール(生涯スポーツ、みんなのスポーツ)と身体活動の振興を通して、人々の生きる楽しみ、健康増進はもとより、社会統合や地域開発などの推進を目指すスポーツ・フォー・オール活動の国際統括機関(本部:ドイツのフランクフルト)です。世界170か国・地域に300を越える加盟団体があり、SSFは、1992年設立に設立されたTAFISA-JAPANへの参画を通じて加盟してきましたが、20226月のTAFISA総会において「National Member」としてSSF単独で加盟することが承認されました(TAFISA-JAPANへの参画は継続)。

TAFISA-JAPAN

日本の生涯スポーツの推進を目的に、1992年に日本体育協会(現 日本スポーツ協会)、健康・体力づくり事業財団、SSF、日本レクリエーション協会の4団体で日本スポーツ・フォー・オール協議会(TAFISA-JAPAN)を設立し、1993年には千葉でワールドコングレスを、また2012年には東京でTAFISA理事会を開催するなど、TAFISAの活動に様々な形で貢献してきました。現在は、日本スポーツ協会、健康・体力づくり事業財団、SSFの3団体で構成しています。

■TAFISA Sport for All Games

各国の伝統スポーツ競技や、アーバンスポーツ・エクストリームスポーツのようなニュースポーツを中心に、各競技の紹介・デモンストレーション・体験会などが行われる世界最大規模のスポーツ・フォー・オールの祭典です。TAFISAとホスト国の大会組織委員会の主催により4年に1度開催されます。今回の第2TAFISA欧州スポーツ・フォー・オール ゲームズは、TAFISATAFISAの地域組織であるTAFISAヨーロッパおよびヨーロッパ域内のホスト国の大会組織委員会が主催して行われるTAFISA Sport for All Gamesの地域版の大会です。