Search
チャレンジデー

平成27年度 スポーツ庁『地域における障害者スポーツ普及促進事業』報告書

平成27年度 スポーツ庁『地域における障害者スポーツ普及促進事業(障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究)』報告書

2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を成功に導き、日本各地において障害の有無にかかわらずスポーツを行うことができる社会を実現するためには、地域における障害者スポーツの普及促進が課題となっている。しかしながら、現在、各地域において、スポーツ施策として障害者スポーツに取組むための方策や体制等は、必ずしも十分な状況とは言えない。本調査では、地域において障害者が継続的にスポーツに参加できる環境の整備を促進するため、スポーツ参加における障壁等の実態について把握し、障害者がスポーツ活動に参加する上で必要な方策や支援策の検討に活用することを目的とする。

調査内容

(1)障害児・者のスポーツライフに関する調査
全国の障害者及び障害者を家族にもつ方々を対象に、障害に関する基本情報、スポーツ・レクリエーション活動実施状況(実施種目、頻度、目的)、スポーツ実施における障壁、今後行いたいと思うスポーツ・レクリエーション、スポーツクラブや同好会・サークルへの加入、過去1年間のスポーツ観戦などの実態を調査

(2)福祉サービスを通じた障害者のスポーツ活動支援に関する調査
障害者を対象とする福祉サービスについて、余暇活動や心身の健康づくりなど、障害者スポーツとの関連を整理するため、福祉サービスの種類・体系、根拠法令、実施主体、対象者(年齢、障害種別等)、目的、事業内容、福祉サービスを通じた運動・スポーツの活用例を把握

(3)諸外国における障害者のスポーツ環境に関する調査
諸外国の地域における障害者のスポーツ振興状況を把握するため、地域における障害者スポーツの実施体制、学校における障害児・者の体育・スポーツ活動への参加、病院・リハビリテーションセンターと連携した障害者スポーツの振興、大学を拠点とした障害者のスポーツ環境づくりなどの実態を調査

著作権者
スポーツ庁 健康スポーツ課 障害者スポーツ振興室
(問合せ先)〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
TEL 03-5253-4111(代表)

POINT 1

障害児・者の週1日以上のスポーツ・レクリエーションの実施割合は、 7~19歳が3割、成人が2割

障害児・者が週1日以上、何らかのスポーツ・レクリエーションを実施していたのは、7~19歳が31.5%、成人が19.2%だった。障害種別では、7~19歳では、視覚障害、聴覚障害の約4割が週1日以上スポーツ・レクリエーションを実施しているのに対して、肢体不自由(車椅子必要)では約1割だった。成人では、ほとんどの障害で約2割だったが、肢体不自由(車椅子必要)では約1割だった。

POINT 2

実施種目の上位は、 7~19歳が水泳、散歩、体操。
成人が散歩、ウォーキング、水泳。
実施の目的は健康の維持・増進、気分転換・ストレス解消のため

過去1年間にスポーツ・レクリエーションを実施した人が行った種目は、7~19歳では「水泳」「散歩(ぶらぶら歩き)」「体操(軽い体操、ラジオ体操など)」、成人では「散歩(ぶらぶら歩き)」が最も多く、次いで「ウォーキング」「水泳」「体操(軽い体操、ラジオ体操など)」が多い。主な目的としては「健康の維持・増進のため」「気分転換・ストレス解消のため」に実施されている。肢体不自由では「リハビリテーションの一環として」、知的障害では「健常者との交流のため」に実施している人が、ほかの障害と比べて多かった。

POINT 3

半数の障害児・者がスポーツ・レクリエーションに関心がない

スポーツ・レクリエーションの取組に対しては、「特にスポーツ・レクリエーションに関心はない」が51.9%を占めており、障害児・者の2人に1人がスポーツ・レクリエーションに無関心であった。重度の障害者を障害種別にみると、肢体不自由(車椅子必要)では36.9%が「スポーツ・レクリエーションを行いたいと思うができない」と答えており、興味・関心はあるが実施できていない実態が明らかになった。

POINT 4

障害児・者の日常的なスポーツ参加を促す上で、 移動支援の果たす役割は大きいが、サービスの内容には地域差がある

障害者にとって移動は活動の障壁のひとつであり、移動支援、同行・行動援護は、障害者スポーツ振興に重要な福祉サービスである。具体的には比較的運動強度が低く、安全性の確保がしやすい散歩やウォーキング、公共プールでの利用が多い。ただ、移動支援の給付基準、算定対象、給付量は、人口規模や福祉関連予算、公共交通機関の整備状況等により地域間の差が大きい。登録のヘルパーも年代や性別に偏りがあり、運動・スポーツ活動に同行できる体力や技術を持ち合わせている者を探すことが困難な場合がある。

POINT 5

諸外国事例①:
医療機関、障害者団体、障害者スポーツ団体の連携<英・加・豪>

イギリスでは、車椅子スポーツ統括団体が中心となり、6つのリハビリテーションセンターにカウンセラーや会員を派遣し、患者へ退院後の車椅子での生活、居住地域で実施できるスポーツの情報支援を行っている。カナダでは、病院や地域の当事者団体、障害者スポーツ団体が連携して情報提供を行い、障害者が退院後、余暇活動の選択肢にスポーツが入りやすい仕組みを整えている。オーストラリアでは、リハビリテーションセンターとスポーツ関連団体が連携し、患者および地域の障害者・健常者がともに参加できるスポーツプログラムを提供しており、結果、州の選手権にパラカテゴリーが設置された競技もある。

POINT 6

諸外国事例②:
大学の人材や施設を活用した障害者のスポーツ支援<英・加>

カナダのアケイディア大学では、学校や地域で孤立している障害児・者に身体を動かす機会を定期的に提供しており、大学の人的・施設資源を効果的に活用している。イギリスのウスター大学では、国内初となる障害者スポーツ指導者養成学科を設置して指導者を養成するほか、1000人以上の障害のある学生を受入れ、当事者の意見を積極的に採用し、大学を拠点にした障害者が住みやすいまちづくりを進めている。

POINT 7

諸外国事例③:
保険制度の充実による重度障害者支援<豪>

オーストラリアでは、重度障害者の社会活動の参加促進を目的とした全国障害者保険制度(NDIS)が施行された。スポーツ・レクリエーションを実施する際の参加費や交通費が対象経費となることから、重度障害児・者のスポーツ参加機会の拡充に貢献している。

報告書

全文(PDF:2.10MB)

目次

注)「しょうがい」の用語は、「障がい」「障碍」などがあるが、本報告書では、法律上の「障害」を使用した。

テーマ

障害者スポーツ

キーワード
年度

2015年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者