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チャレンジデー

『諸外国における障害者のスポーツ環境に関する調査』イギリス・カナダ・オーストラリア 報告書

今回の調査対象はイギリス、カナダ、オーストラリアの3ヵ国で、いずれの国もパラリンピック開催経験国であり、パラリンピックを契機として障害者スポーツの普及を一層推し進めてきました。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を3年後に控えている日本にとって、海外の成功事例や日本の現在地を知るうえで重要な調査となります。
2015年に実施した調査に続き、今回さらに2016年度に実施した調査内容を合わせてまとめました。以下に主な調査結果について報告いたします。

調査名
諸外国における障害者のスポーツ環境に関する調査
調査対象
イギリス、カナダ、オーストラリア
調査内容

主な調査項目

  • 地域における障害者スポーツの実施体制
  • 学校における障害児・者の体育・スポーツ活動への参加
  • 病院、リハビリテーションセンターとの連携した障害者スポーツの振興
  • 大学を拠点とした障害者スポーツの振興
調査期間
イギリス:現地調査 2015年7月23日~28日、スカイプ調査 2016年6月16日、23日
カナダ:現地調査 2015年9月10日~15日、スカイプ調査 2016年5月18日
オーストラリア:現地調査 2015年10月6日~12日、スカイプ調査 2016年5月19日
研究主体
公益財団法人 笹川スポーツ財団

※スポーツ庁委託事業「平成27年度地域における障害者スポーツ普及促進事業(障害者のスポーツ参加に関する調査研究)報告書」の内容と重複する部分もある。

3ヵ国における障害者のスポーツへの参加を支える取り組みとして、主に2つの共通点がありました。

POINT 1

パラリンピック開催前に「差別禁止法」を制定

パラリンピック開催に先立ち、いずれの国も障害者差別禁止法など各種政策がすでにあり、障害者がスポーツをするうえでの土壌が整っていた。

→詳細:報告書p.10、37、62「図表1-4、1-23、1-38」

<イギリスの例>

1995年 「障害者差別禁止法」制定(2004年改定)
2005年 ロンドンオリンピック・パラリンピック招致
2010年 「平等法」制定。差別禁止の範囲を拡大
2012年 ロンドンオリンピック・パラリンピック開催

1990年以降、障害者のスポーツ参加を促す様々な施策が導入され、地域での障害者の受け入れ態勢は1995年の「障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act)」制定以降に加速した。DDAは障害者の地域におけるスポーツ施設やスポーツクラブの利用を促進させるなど、イギリスの障害者スポーツに多大な影響をもたらした。DDAから15年後の2010年、DDAを引き継ぐ形で「平等法(Equality Act)」が制定され、障害者に対する差別以外に、年齢・性別・宗教・人種・性的志向などを理由とした差別も禁止した。(詳細は、報告書p8~10)

POINT 2

医療機関/当事者団体/障害者スポーツ団体の3者連携

障害者がスポーツを始めるためには、地域におけるスポーツの機会に関する情報を得ることが重要になる。医療機関(病院・リハビリテーションセンター)、当事者団体、そして障害者スポーツ団体が連携することによって、スポーツに関する情報提供・共有を行うことができていた。

POINT 3

→詳細:報告書p.26-27、49-52、74-76「図表1-32、33」

地域での自立した生活を促すため、入院期間が短くなっている現状は日本も含め世界共通である。今回調査した3ヵ国では、障害者の自立を支援するため、障害者スポーツ団体の事務所を病院・リハビリテーションセンターや当事者団体と同建物内、もしくは隣接させることで、人材・施設・情報を共有できる環境を整えている。

<カナダの例>

  • ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)の脊髄損傷者の多くが通院する「GFストロング・リハビリテーションセンター(GFストロング)」では、BC州車椅子スポーツ協会と連携して週に1回体験会を開催し、患者と家族が一緒にレクリエーションプログラムに参加することを推奨している。
  • BC州車椅子スポーツ協会は、「GFストロング」の体育館等を利用し、個々の患者の興味や障害の程度に応じて、参加に適した競技種目の提案・相談を実施している。
  • BC州車椅子スポーツ協会の事務所を、BC州脊髄損傷者協会(当事者団体)と同建物内に置くことで、利用者に関する情報共有がオンタイムで可能である。
報告書

全文(PDF:4.06MB)

目次
  • Ⅰ. 調査概要 詳細(PDF:782KB)
    • 1.1 調査目的
    • 1.2 調査方法
  • Ⅱ. 調査結果 詳細(PDF:3.95MB)
    • 詳細(PDF:1.71MB) 1. イギリス
      • 1.1 障害者スポーツの歴史的背景と現状
      • 1.2 地域における障害者のスポーツ・レクリエーション活動への参加
      • 1.3 学校における障害児・者の体育・スポーツ活動への参加
      • 1.4 病院・リハビリテーションセンターとの連携
      • 1.5 大学を拠点とした障害者スポーツの振興
      • 1.6 国内統括障害者スポーツ団体による障害者スポーツの振興
    • 2. カナダ 詳細(PDF:2.2MB)
      • 2.1 障害者スポーツの歴史的背景と現状
      • 2.2 地域における障害者のスポーツ・レクリエーション活動への参加
      • 2.3 学校における障害児・者の体育・スポーツ活動への参加
      • 2.4 病院・リハビリテーションセンターとの連携 (視覚障害・肢体不自由)
      • 2.5 大学を拠点とした障害者スポーツの振興
      • 2.6 国内統括障害者スポーツ団体による障害者スポーツの振興
      • 2.7 施設のアクセシビリティと障害者スポーツの振興
    • 3. オーストラリア 詳細(PDF:1.81MB)
      • 3.1 障害者スポーツの歴史的背景と現状
      • 3.2 地域における障害者のスポーツ・レクリエーション活動への参加
      • 3.3 学校における障害児・者の体育・スポーツ活動への参加
      • 3.4 病院・リハビリテーションセンターとの連携
      • 3.5 国内統括障害者スポーツ団体による障害者スポーツの振興
      • 3.6 シドニーパラリンピック競技会場
  • Ⅲ. 参考文献 詳細(PDF:563KB)

注)「しょうがい」の用語は、「障がい」「障碍」などがあるが、本報告書では、法律上の「障害」を使用した。

テーマ

障害者スポーツ

キーワード
年度

2017年度

発行者

公益財団法人 笹川スポーツ財団

担当研究者