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国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

知る学ぶ
Knowledge

日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

第27回TAFISAワールドコングレス2022が開幕

第27回 TAFISAワールドコングレス2022が、スロベニアのポルトローシュで55の国と地域から約300人が参加し、2022年6月9日(現地時間)に開会式が開催されました。

TAFISAワールドコングレスは2年に一度開催されており、前回は2019年11月に東京で開催されました。その後、本来は昨年10月に開催される予定であった今回のコングレスは、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって延期となっていました。世界中からスポーツ・フォー・オール及び身体活動の推進団体関係者や研究者などが集い、基調講演やディスカッション、事例発表等を行います。

第27回コングレスは、「変化する世界のすべての人のためのスポーツ」のテーマのもと様々なセッションが行われ、笹川スポーツ財団(SSF)もブース出展し、日本のスポーツ、文化を紹介します。

第27回TAFISAワールドコングレス2022

第27回TAFISAワールドコングレス2022

1. Ju-Ho Chang TAFISA会長(韓国)による開会挨拶

TAFISAを代表して、Ju-Ho Chang会長より世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けている中、World Congressを開催できたことへの関係者および参加者への謝辞が述べられました。同会長は、昨今の環境問題、国際情勢など世界が抱える様々な課題は、ひとりひとりの課題であり、Sport for All movementが推進する「スポーツの力」が人々のモラルや人道的な役割を最大限に活かすことができると信じている、と力強く話してスピーチを締めくくりました。

Ju-Ho Chang TAFISA会長(韓国)

Ju-Ho Chang TAFISA会長(韓国)

2. 基調講演:コラ・バーネット教授(南アフリカ、ヨハネスブルグ大学)

 「現代の生活のあらゆる側面がデジタル化される中で、人々の生活は変化し、座っている時間が増えることに加え、食生活の変化も起こっています。Sport for Allがこれらの課題を解決する手段のひとつであることは周知の事実です。国際オリンピック委員会(IOC)では、スポーツは『SDGsの達成の成功要因』だとし、スポーツの持続性と回復力(レジリエンス)を重要視しています。特に子どもたちにとってスポーツはひとつの『言語』であり、人生にとって大切なことや仕事をするために必要な素養を学ぶ機会を与えるものになっています。私が関わる南アでの事例をご紹介しますが、こうした取り組みにみられるように、競技の違いなどを超えて、女性のスポーツ参加をより促進していくことも我々が取り組むべき重要なミッションです」。

3. セッション:ヴォルフガング・バウマン(ドイツ、TAFISA事務総長)

TAFISAでは近年、パートナーシップのあり方、加盟団体、対象とするスポーツ、ターゲットグループなどに多様性が見られます。まさに、『Physical Activity is a mother of Sport(身体活動は、スポーツの母)』であり、今後は『身体活動(Physical Activity)』と『スポーツ』の違いと、あるべき共存の道について熟慮しながらTAFISAを発展させていくことが重要です」

4. TAFISA Mission 2030について

2017年に韓国・ソウルで開催されたTAFISA総会において、TAFISA加盟団体の行動指針を示すTAFISA Mission 2030が採択されました。2030年までの行動指針として、「Sport for Allを通じて次世代に、より良い世界を継承する」を掲げ、12の目標を設定して取り組んできました。採択後、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響もありましたが、現在の進捗状況が確認・共有されました。

展示ブースで日本のスポーツ環境や文化を紹介

展示ブースで日本のスポーツ環境や文化を紹介

5. 展示ブース

コングレス会場であるホテルロビーには、様々な団体・企業がブースを設置し、各国での活動の紹介を行っています。SSFによる「スポーツ白書」や「スポーツライフ調査」の内容もブースを設置し、ポスターを掲出して活動を世界に広く発信しています。ブースでは立ち寄った海外の参加者に日本の文化を紹介するため、「折り鶴」作り体験も提供しています。なお、ブースの運営にあたって、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)、公益財団法人健康・体力づくり事業財団、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)よりご協力を頂きました。

TAFISA(The Association For International Sport for All)

スポーツ・フォー・オール(生涯スポーツ、みんなのスポーツ)と身体活動の振興を通して、人々の生きる楽しみ、健康増進はもとより、社会統合や地域開発などの推進を目指すスポーツ・フォー・オール活動の国際統括機関(本部:ドイツのフランクフルト)です。世界170か国・地域に300を越える加盟団体があり、SSFは、1992年に設立されたTAFISA-JAPANへの参画を通じて加盟しています。

TAFISA-JAPAN

日本の生涯スポーツの推進を目的に、1992年に日本体育協会(現 日本スポーツ協会)、健康・体力づくり事業財団、笹川スポーツ財団、日本レクリエーション協会の4団体で日本スポーツ・フォー・オール協議会(TAFISA-JAPAN)を設立し、1993年には千葉でワールドコングレスを、また2012年には東京でTAFISA理事会を開催するなど、TAFISAの活動に様々な形で貢献してきました。現在は、日本スポーツ協会、健康・体力づくり事業財団、笹川スポーツ財団の3団体で構成しています。