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「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

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日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

セミナー「子供のスポーツ」

小学校における児童の「体力向上」に向けた基礎研究と支援事業

■研究背景・目的

本事業は、小学生における投能力を中心とした体力向上をめざすXY区教育委員会と笹川スポーツ財団(以下、SSF)の共同事業である。

近年学校に関しては、教員の多忙化をはじめ、資源(人材・物資・費用等)の限界が課題として指摘されている。一方で子どもたちからは、学校外での遊びを通じて身体を動かす機会が失われている。特に都市部では自由な運動遊びができる環境も限られており、子どもの体力向上をめざすには、学校における運動・スポーツの重要性が高い。

2018年度は区内の10校で実態調査を行い、体力向上をめぐる学校の課題や、学校・スポーツ関係者にできることを探る目的で事業を進めた。

■調査概要

XY区内の区立小学校10校に対する実態調査

①投能力の測定および質問紙調査

学校へのヒアリングおよび授業改善の検討・笹川スポーツ財団による支援事業

調査対象
学校はXY区内の区立小学校10校
①学校長 ②2年・4年の担任教員 ③2年・4年の児童 ④2年・4年の保護者
※10校の学校は有意抽出。区内の地域のバランス、前年度(2017年度)の体力テストの結果や学校の取り組み等のバランスを考慮の上、教育委員会が選定した。

<質問紙調査>

調査方法
学校通しによる自記式調査
(基本は家庭への持ち帰り、児童票は一部で集団自記式の学校あり)
調査時期
2018年12月~2019年1月

<ソフトボール投げ測定>

測定方法
新体力テストのソフトボール投げと同じ方法を採用。一部の学校では、研究メンバーが測定の主導・補助、立ち会いを行った。
測定時期
2018年12月~2019年1月
体制
・宮本 幸子(SSF スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー)
・森田 容子(SSF スポーツ政策研究所 政策オフィサー)
・清水 恵美(SSF スポーツ政策研究所 政策オフィサー)
・山田 大輔(SSF スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー)
・熊谷 哲(SSF スポーツ政策研究所 研究主幹)
・原 祐一(岡山大学大学院教育学研究科 専任講師)
※所属・肩書は2019年4月時点

 本事業では調査・測定によるデータを分析するだけでなく、研究メンバーがそれぞれ対象校に赴き、先生方へのヒアリング、授業の見学等を行いました。また共同研究者の原祐一氏による授業・教員研修も実施されました。「ポイント」で指摘した体力テスト活用の課題に加え、学校による取り組みの差、背景にある校内や地域の資源の差など、様々な状況が浮かびがりました。

 今後、本事業は2020年度まで継続する予定です。今回対象となった学校・児童が様々な取り組みを通してどのように変化していくのか、国の政策や自治体の施策にどのような課題が考えられるのか、引き続き検討したいと思います。

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策ディレクター 宮本 幸子

児童の投能力向上をめぐる考え方(報告書p98)

児童の投能力向上をめぐる考え方(報告書p98)


児童の投能力向上をめぐる考え方(報告書p98)

図表 児童の「投能力向上」をめぐる考え方

テーマ

子どものスポーツ

キーワード
年度

2019年度

担当研究者