SSFは、2024年8月~9月に実施した「スポーツ振興に関する全自治体調査2024」の調査結果を発表しました。
スポーツ庁設置から約10年が経過し、社会情勢の変化に伴うスポーツ施策の転換がみられ、スポーツ行政の機能的・効果的な推進が期待されています。本調査は地方自治体のスポーツ施策の実態を把握し、各地域におけるスポーツ推進の一助となるデータの収集を目的に実施しました。その中で小学校体育についても調査を行い、水泳(プール授業)は、9割を超える市区町村の全小学校で実施していました。また、公共施設の活用や民間事業者へ委託するなどして授業を実施する状況も明らかとなりました。
主な調査結果
■小学校体育における水泳(プール授業)の実施状況
市区町村を対象に、2024 年度における小学校体育の水泳(プール授業)の実施状況をたずねたところ、「すべての小学校で実施している」は93.4%、「一部の小学校で実施している」は2.6%、「すべての小学校で実施していない」は1.2%であった。
水泳(プール授業)を「すべての小学校で実施している」または「一部の小学校で実施している」と回答した1,076の市区町村に対し、自校のプール以外の施設での水泳(プール授業)の実施方法を複数回答でたずねた。「民間事業者に授業を委託している」(民間事業者に委託)が20.4%、「公共施設等のプールで授業を行っている」(公共施設等で行っている)が44.1%であった。「自校のプール以外で行っている学校はない」は41.7%であり、約6割の自治体においては、1校以上が自校以外で水泳(プール授業)を実施している。
人口規模別にみると、「民間事業者に委託」は「1 万人未満」が5.0%であり、人口規模が大きいほど割合は高くなり「50 万人以上」は64.0%であった。「公共施設等で行っている」は「50 万人以上」の56.0%が最も高い。
図表1. 小学校における水泳(プール授業)の実施状況(市区町村)
資料:全自治体調査 2024
図表2. 小学校における水泳(プール授業)の実施方法(市区町村・人口規模:複数回答)
資料:全自治体調査2024
■今後のプールの補修・廃止等の計画
市区町村を対象に、プールの補修や改修、建替、または廃止の計画がある小学校の有無を複数回答でたずねたところ、「補修や改修、建替の計画がある」は17.9%、「廃止の計画がある(既に廃止した学校も含む)」は16.9%、「あてはまる学校はない」は68.4%であった。3割以上の自治体が1校以上の小学校で補修や改修、廃止などいずれかの計画があると回答した。